ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

フィデル出陣 ポーラースター

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私自身、もう50代を数年過ぎて

結構いい年に差し掛かっています。

 

でも、この年になっても、

世の中には知らないことがたくさんあって

学んでも、学んでも、

また次の知らないことに気づかされて

ホントに勉強というのは永遠なのだなと強く思います。

 

もともとそれほど頭のいいほうではなく

自慢できるような進学校を出たわけでもなく、

どこにでもいる普通の人のレベルである私ですが、

ひとつ幸いだったのは「読書好き」であったことです。

 

目覚めたのは大学生当時。

20才くらいだったでしょうか。

 

恐ろしいことですが、

その後、30年以上、ずっと読書を続けています。

 

何百冊と読んできて

バカは脱しているんじゃないかと思います。

特別にお利口さんになったとは言えませんが…。

 

これでいいのです。

次から次に出てくる知らないことを

少しずつ知っていく。

 

一生勉強だと思いながら

これからも読書は続けてまいります。

 

今回ご紹介する書籍は、

フィデル出陣 ポーラースター 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

フィデル出陣 ポーラースター 』

海堂 尊 文芸春秋 を読みました。

 

ようやく、本当にようやくですね、

このシリーズの4冊めに手を出せました。

 

最初は2020年3月にこちらを読んだのですね。

 

ka162701.hatenablog.com

 

そして「ド」ハマって

続編を2020年8月に読みました。

 

ka162701.hatenablog.com

 

1作目、2作目はチェ・ゲバラについて書かれており、

ようやく3作めでフィデル・カストロの登場です。

こちらを読んだのが2021年1月。

 

ka162701.hatenablog.com

 

4部作であることは知っていたので、

早く最後の4作めを読みたかったのですが、

前3作は文庫で読んだのですが

4作めは文庫がなく単行本しかないようなんです。

 

しかもかなり分厚くて、

段落も上下2段あり、

相当にボリューミーです。

 

他にも読みたい本があるので

なかなか手が出なかったんですが、

そろそろ読まなきゃ!と思い

気合いを入れて読み始めたのでした。

 

目次

1 フィデル見参

2 学内愚連隊

3 停滞

4 首都の王

5 「勇者連盟」と壁画風雲児

6 ドミニカ解放戦線

7 エスカリナタの陶酔

8 動乱のパナマ

9 ベネズエラの妖怪

10 未来の文豪

11 希望の星・ガイタン

12 ボゴタ

13 結婚

14 アメリカかぶれ

15 キューバの嵐

16 チバスの悲劇

17 変革前夜

18 バチスタ・クーデター

19 マルティ生誕百年式典

20 モビミエント

21 蜂起前夜

22 カルナバル

23 逃避行

24 歴史は私に無罪を宣告するだろう

25 監獄島ピノ

26 翼に夢を

 

感想

読み応えバッチリ。

満足度も高いです。

4部作をついに読破しました。

何だか達成感に満ち溢れています。

 

今回はフィデル・カストロハバナ大学に入学し、

政治に目覚め始めるところから

モンカダ兵営の襲撃をクライマックスとして

チェ・ゲバラと出会うところまでの史実を

丹念に追い掛けてくれています。

 

ストーリーとしても純粋に楽しめますし、

フィクションとはいえ

おそらくほぼノンフィクションに近いと思われますので

その点では歴史的な学びにもなりそうです。

 

キューバ革命を果たして

その後も実権を握り続けた

カストロ議長の前半生がこれでよくわかりました。

 

た・ただ…

フィデル・カストロという人物は

いかがなものでしょうか?

 

正直、私は人間的な魅力を感じませんでしたし、

確かに政治家として大成する素質はあったのでしょうけど

何だか「嫌な奴」という側面のほうが多くて、

自分だったらカストロとは

一緒に革命できないなと思ってしまいました。

 

ま、カストロも私なんぞは相手にしないどころか

歯牙にもかけないのは間違いなさそうですが(笑)。

 

カストロって

決して革命を成功させ続けたわけではないし、

家族をないがしろにし過ぎだし、

奥さんにはとんでもない苦労を掛けているし、

仲間たちを大事にしてきた感じもしないし、

優れた才能の裏で

とても多くの欠点も抱えていたようです。

 

天才というのは

そんなもんだとも言えそうですけど、

人間的な魅力を圧倒的に持つ天才もいますので

なぜか私の心には響いてこなかったです。

 

むしろチェ・ゲバラ人間性のほうが

私は好ましく感じました。

 

そうは言っても

若くしてキューバ革命を成立させた方です。

 

しかもアメリカとは対立し、

ソビエト連邦とは組むものの

カストロキューバを健全な独立国として

独立独歩で運営したかったのでしょう。

 

時は冷戦時代ですから

キューバ危機を始めとして

大国に翻弄されながらも

何とかサバイバルしてきたキューバ

 

そのプロセスが本書にはあり、

良くも悪くもカストロでなければ

実現不可能であったと思われますが、

そんなカストロでも

稚拙な作戦ミスであったり、

あまりの気遣いのなさであったり、

浅はかな考えによる戦力上の過ちなど

多くの失敗を重ねている点は注目に値します。

 

その後の歴史を鑑みると

カストロはいつ死んでもおかしくなかったのですし、

それは前半生の失敗が活きているのかもしれず、

そう考えると若かりし頃の失敗は

人生において絶対に必要なのだなと思いました。

 

カストロという人物史としても秀逸ですし、

中南米諸国の近現代史という点でも

相当にディテールに渡って書かれており、

小説を読んだというよりも

伝記や歴史書を読んだような気分にさせられます。

 

海堂さんの筆力は恐ろしく感じます。

よくまあここまで取材し、

よくここまで書けるものだな…と。

メチャクチャ面白かったです。

 

ひとつだけ残念だったのは

チェ・ゲバラと出会い、

さあこれからという時に

本書が終わってしまったことです。

 

もし続編があるならば

最終章としてキューバ革命が書かれるのでしょうけど

果たしてどうなのでしょうか?

 

読み応えがバッチリなだけに

いっそのこと本書で終わって欲しかった気もしますが。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

結果的にはチェ・ゲバラについて書かれた

1作目、2作目は満点評価で

フィデル・カストロについて書かれた

3作目、4作目は★4つでした。

 

海堂さんのストーリーテラーぶりは

4作とも充分に発揮されていて、

とても面白く読めたのですが

私はカストロよりゲバラが好きなのでしょうか。

たぶんその程度の違いだと思います。

 

それと続編を読みたい。

 

前述したように4作目の最終盤で

ようやくカストロゲバラが出会います。

そしてそこで終わってしまうのです。

 

海堂さんのブログでは

「当初4部構想だったのに、

 気がつくといつの間にか

 5冊、6冊になってしまいそうな勢いです。」と

少し意味深なことが書かれていますけど

今後はどうなるのでしょうか?

 

いや~、個人的にはこの2人が出会ってからに

とてつもない興味がありますよ。

 

海堂さん、続編書いてくれますよね?

もしかしたらもう書いてたりするのでしょうか?

ちょっと楽しみです。

 

それでは、また…。

 

 

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