ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

日本文学盛衰史 

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私の読書のスタンスですが、

いつも2冊の本を並行して読んでいます。

 

常に持ち歩いて

通勤の行き帰りや移動中に読む

わりと固めの本。

 

常にベッドサイドに置いてあり

寝る前に少し読む

わりと柔らかめの本。

 

前者のほうが読む時間が長いので

スパスパと次から次へと読んでいきます。

 

後者は寝る前限定ですので

時には1ページくらい読んで寝てしまうので

かなり時間が掛かります。

 

どうしても仕事に直結する本、

私の場合はキャリアや人生に関するものであったり

医療や社会学的なもの、

また関心の深い人物の著書が多いのですが

こちらは1週間に1冊くらいは読んでいます。

 

後者のほうは小説が多いのですけど

かなりゆったりペースとなっています。

 

今回ご紹介する書籍は後者のほうでして、

【 日本文学盛衰史 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

日本文学盛衰史

高橋 源一郎 講談社文庫 を読みました。

 

すでに著名人ではありますが、

大変遅ればせながら高橋源一郎さんに興味があります。

 

理由はいろいろあって

まずは私の敬愛する内田樹さんと仲が良いらしく

対談本を読む限り、とても聡明であり、

ああ、この人はもっと学ばねば…と思わされます。

 

ちなみに下記が今まで読んだ内田さんとの対談本です。

自宅にはこれから読む本もすでに準備してあります。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

その他、高橋源一郎さんの著書はこちらを読みました。

 

ka162701.hatenablog.com

 

あとは私の好きなテレビ番組で

磯田道史さん主演の「英雄たちの選択」にも

高橋源一郎さんは時々ゲスト出演していまして、

その際の発言なども実に面白く、

私にとっては注目人物になっていたのですね。

 

でも高橋源一郎さんは小説家なのに

私はまだ小説を読んでいません。

 

やはり何か読まねばいけないなと思ってまして

それでピックアップしたのが本書でした。

 

かなり分厚い本ですし、

それほど文学に詳しいわけではない私ですから

購入後、しばらく積ん読になっていたのですが、

そろそろ読まねば…と思いまして

気合いを入れて読み始めたのでした。

 

目次

・死んだ男

・ローマ字日記

・ローマ字日記・続

・若い詩人たちの肖像

・若い詩人たちの肖像・続

・若い詩人たちの肖像・続々

・ALETTER FROM PRISON

・A LETTER FROM PRISON・続

硝子戸の中

・平凡

・HANA‐BIみたいな散歩

・『蒲団'98・女子大生の生本番』(1)

・『蒲団'98・女子大生の生本番』(2)

・『蒲団'98・女子大生の生本番』(3)

・『蒲団'98・女子大生の生本番』(4)

・我々はどこから来たのか、そして、どこへ行くのか(1)

・我々はどこから来たのか、そして、どこへ行くのか(2)

・我々はどこから来たのか、そして、どこへ行くのか(3)

・我々はどこから来たのか、そして、どこへ行くのか(4)

・原宿の大患(1)

・原宿の大患(2)

・原宿の大患(3)

・されどわれらが日々(1)

・されどわれらが日々(2)

・されどわれらが日々(3)

・されどわれらが日々(4)

・されどわれらが日々(5)

・本当はもっと怖い『半日』

・WHO IS K?(1)

・WHO IS K?(2)

・WHO IS K?(3)

・WHO IS K?(4)

・やみ夜(1)

・やみ夜(2)

・ラップで暮らした我らが先祖

三四郎

・文学的な、あまりに文学的な

・そして、いつの日にか

・歴史其儘と歴史離れ

・帰りなん、いざ……

・きみがむこうから…

 

感想

いやはや何と表現してよいものやら…。

 

もっと日本の近代文学

真正面から取り組んでいると

私は勝手に想像していたのですが、

完全に覆されたどころか、

予想をはるかに超えたとんでもない内容です。

 

正直、途中で、エロ小説ばりに

何だかスゲー内容になってきて、

しかもそれが思いのほか長く続いた時には

もう読むのを止めようかと思いました。

 

まさかの展開があまりにも多く、

往年の文学者たちもさすがにこれを読んだら

相当に怒るのではないでしょうか?

 

よく言えば自由気ままではあります。

しかし悪く言えばここまでやっていいの?という感じ。

 

いやそんな私の考えこそが

すでに何かに縛られていて

表現者としては失格なのかもしれませんけど、

まあ私は表現者ではないので…。

 

う~ん、何だろうなあ。

今まで相当の本を読んできましたけど

本書をどう評価すればいいのか。

何とも言えないのです。

 

自由で、何でもありで、

本来の表現とはこうあるべきだとも言えますし、

逆にいくら表現は自由でも

こんな品のないものを世に発表して良いものかとも言えますし、

でも伊藤整文学賞受賞作ということですから

社会的には認められてもいるわけで、

ユニークと言えばユニークですし、

非常識と言えば非常識ですし、

読み応えがあるのは間違いありませんけど

途中で目を背けたくなるところもあり、

最終盤は文豪たちが

次から次に亡くなっていくのですが、

それも読んでいて結構辛くて…。

 

パロディ的に楽しんでしまえばいいのかもしれませんけど

多分そこには高橋源一郎さんの計算が含まれていて、

圧倒的な筆力があるからこそ

いい意味で遊べているというところはあるのだと思います。

 

アナーキーと言わざるを得ないし、

ストーリーもクソもないと私は感じたのですが、

そうは言ってもこの先にどんな展開が待ち受けているのか

つい気になってしまうわけで、

おそらく高橋源一郎さんだから成り立つのだろうなという

不思議な感覚が残りました。

 

きっと相当に準備をされていて、

かなり勉強もされたと思うのですが、

どこまでが真面目で、

どこまでがリアルで、

どこからがパロディで、

どこからがふざけているのか、

もう全然わからないのです。

 

多分、高橋源一郎さんは

ある一定数の読者は私のような感じに陥ることすら

計算に入れて執筆したのではないかと

なぜか鑑みてしまうのです。

 

時代を行ったり来たりして、

様々な文豪たちがホントかウソかわからないような

生活や行動をしていて、

明治という時代の息吹なんかも感じながら、

なんなの、この本、

これからどうなるの?

なんでこんなエロな内容が続くの?

あ、ようやくまともになった?

う~ん、文豪をよく知らねば

本書を本当の意味で理解することはできないんだね。

明治の文学ってのはこんな感じなの?

あれ、文豪たちが次々と亡くなっていく、

ああ、読み終えてしまった~と

こんな感じなんですよ。

すみませんが、もう書評なんてできない(笑)。

 

私にとって高橋源一郎さんの初の小説としては

ちょっとセレクトを間違った感があるのですが、

不思議なことに他の小説も読んでみたくなるのは確かです。

 

良くも悪くも、何だかスゴイ小説でした。

それしか言えません。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

まあ当然のことながら

おススメ度もどうしていいのかわからずに、

無難なところで3つくらいにしておくかという感じです。

 

きっと読む人が読めば五つ星になるでしょうし、

徹底的に批判する側に立って一つ星にする人もいるでしょう。

 

問題作というか、

衝撃作というか、

一般的なカテゴリーには収まらない作品ですから、

読む人、個々が、勝手に自己判断するしかありません。

 

読み終えた私でも

本書をどう受け止めればいいのか、

本書をどう位置付けるべきなのか、

もう全くわかりません。

 

今回は書評にならない書評になってしまいました。

 

それでは、また…。

 

 

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