ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

マネジャー・どう行動すべきか

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

振り返ってみると…

かなり恐ろしいことだなと思うのですが、

私が社会人となってから

早くも30年以上が経つのです。

 

30年ですよ、30年。

 

20代の頃などは想像も付かなかった

年月を生きてきたことになります。

 

50代も半ばとなってきた今、

これで良かったという思いもあれば、

もっと良くなるという思いもありますし、

後悔の念がゼロという訳にはいきません。

 

ただ、大事だなと思うのは…

時間軸の発想ですね。

 

今は過去の結果です。

未来は今から始まります。

 

今をどうこう思うのではなくて、

これからを少しでもいいから良くしていく。

 

そういう考えを持つべきだろうなと

つくづく思うのです。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 マネジャー・どう行動すべきか 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 マネジャー・どう行動すべきか 』

畠山 芳雄 日本能率協会マネジメントセンター を読みました。

 

一応、私は経営者をしていますから

マネージャーは通過したとも言えますが、

いやいや経営者だってマネージャーだろうと言えば

確かにそういう面も確実にあるよねとも思います。

 

実際に今まで多くの部下を持ってきましたし、

今でもかわいい部下がいるのですが、

素晴らしいマネジメントができたか?と問われれば…

 

そりゃ上手くできたところもありますけど

そうじゃないところのほうが大きいわけです。

 

別に社長だから

勉強をしなくていいわけじゃないし、

むしろ社長なんだから

誰よりも勉強しなきゃいけないだろうとも言えますね。

 

実は本書は前々から気になっていたんです。

 

どなたかに推薦されたのか、

SNSなどでおススメされていたのか、

何かの本に書いてあったのかは忘れましたが、

スマホアプリにメモしておきました。

 

たまたま見掛ける機会があり、

思わずポチっと購入です。

 

少し古い本ですから

内容的に陳腐化していなければいいなと思いつつ

学ぶ気満々で読み始めたのでした。

 

目次

第1部 マネジャーの基本

 第1章 マネージャーの本質とは何か

 第2章 マネージャーの機能

第2部 業務の面でやるべきこと

 第3章 業務管理

 第4章 業務改革

第3部 人の面でやるべきこと

 第5章 対上司・同僚・外部関係

 第6章 人の管理

 第7章 人の改革

 終章  マネージャーの自己革新

 

感想

いや~、驚きました。

全然古くないっす。

 

本書が発行されたのは1988年ですから

何と今から35年も前なんです。

 

それなのに現代も通じるということは

それだけマネージャー論として

本質的な部分を追求していると言っていいでしょう。

 

これは定期的に読み返すべき本だな…と思いましたし、

とても幅広い示唆をいただきました。

 

また、本書は若干教科書的な内容ではありますが、

非常に「実用的」です。

 

それこそ今日から意識して

昨日までのマネージャーから脱却し、

より良いマネージャーになるヒントが満載です。

 

表層的な現代社会のなかで

マネージャー論、リーダー論、経営論も

経済的側面にフォーカスし過ぎていたり、

抽象的な内容に留まっている書籍が多いのに

本書は30年以上も通用する本質に切り込んでいますので

読む価値あり!と素直におススメすることができそうです。

 

ここまで具体的、理論的、実践的な

マネジメント本はそうないんじゃないでしょうか?

 

個人的には大変に勉強になりましたし、

今後に向けての良いきっかけとなりそうです。

 

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。

 

マネージャーという仕事の、

いま一つ重要な性格は、

かれを評価する尺度がすべて、

現実に何を成し遂げたか

で測られることであり、

知識がいかに豊富でも、

顔がいかに広くとも、

さらにはいかに弁舌さわやかであっても、

実行力がなければ

すべてゼロだということになる。

(P.27)

 

まあこれは別にマネージャーに限った話しではなく、

経営者や経営幹部は当然のことながら

リーダーだって、一般社員だって、

「現実に何を成し遂げたか」が問われますよね。

 

ただマネージャー職は

次期、経営幹部であることを考えれば

厳しく実績が問われるのは

この職分あたりからとも言えそうです。

 

これからの未来のある方々には

「現実に何を成し遂げたか」を

若いうちから意識しておくことをおススメします。

きっと後々楽になりますよ。

 

管理と改革は、

その性格が根本的に異なる。

前者はルールを守り、

ミスなく運営することが中心であり、

後者は既存のルールを打ちこわし、

新たな秩序をつくりあげることである。

性格の反するこの二つを「実現」することは、

マネージャーにとって

必ずしもやさしくはない。

しかし、最終的にこの両方を完全に果たすことが

できなくてはなるまい。

なぜならば、いかなる部門も、

例外なしに管理と改革の両方を要求されるのが、

現代の組織の特徴だからだ。

そして、いま多くの部課長が、

これを実践している。

(P.58~59)

 

相反する二つの物事を

ちょうど良い落としどころに落とし込む。

 

管理職としては

必達のスキルであり、条件でしょうけど、

このままでいいのかなと思うところも

なきにしもあらずです。

 

たぶんマネジメントというもの自体が

それを目的としているのでしょうけど、

働き方が変わる世の中では

企業の中間管理職の在り方も

再検討していく必要があるかもしれませんね。

 

書類の決裁については、

まず未決のものをためないこと。

決定しなくてはならない人が

決定を遅らせていると、

必ず誰かが困り、

仕事の遅滞だけでなく不信感までを生む。

決済の原則は、即決である。

ただしこれはすべての要件に

直ちにイエス、ノーを明確にすることではない。

「保留」も決裁の結果の一つである。

(P.80)

 

ああ、これは我が意を得たり…です。

というか、私自身が最も気を付けていて、

常に実践している(多分…)ことです。

 

どんなに小さな決裁権でも

このように運用していかないと

誰かの不満が溜まっていくのですよね…。

 

高圧状態から突如ひらめき、

新発想によって全体が解ける。

その引き金となるものの多くは、

違う業界における成功失敗事例からの類推に負うところが、

一般に多い。

(P.140)

 

これもその通り!だと思います。

だからこそ人脈というのは

自社や業界内だけではなく、

他社や業界外にも必要なんですよね。

 

個々それぞれが全く異なる異分野と交流しておくと

何かの際に閃きが手に入るものなんですよね。

 

説得には、マネージャーの強い心のエネルギーが必要である。

説得力があると思われる人の特色は、

その「粘り強さ」にあり、

一度でダメなら二度、

それでだめならさらに手をかえてアプローチする。

難しいと思われることでも時間をかけ、

ジリジリと押していくことによって、

結局構想を実現する。

(P.152)

 

これも本当におっしゃる通りだと思います。

私自身を振り返ってみても、

自分のことも、部下のことも、

まさに「粘り強さ」がキーになっていたと感じます。

 

結局、突破力って「粘り強さ」であると言っても

過言ではないのかもしれませんね。

 

基本的には、

マネージャーの人柄が信頼感の支配要因だ。

部下から見ると上役はまる見えであって、

隠しようがない。

信念をもって自分が人間として

正しいと思うことをやることに、

すべては尽きる。

(P.190)

 

部下全員に信頼されるのは幻想ですし、

何をやっても批判からは逃がれられないのですから

世のため人のために

自分を信じてやり続けるしかありませんね。

 

人を育てることについては、

育てる心と、育てる技術の二つの面がある。

そして育てる技術に熟達していても、

育てる心に誤りがあれば、何にもならない。

人を育てるのは、

あくまでも部下本人のためにやるのであって、

マネージャーが自分のためにやるのではないということを、

まず銘記すべきである。

(P.213)

 

自分の出世のためとか、

部下の手柄を横取りするとか、

そんなマネージャーは

失格の烙印を押さざるを得ませんね。

 

経営幹部への道がないマネージャーなんて

さっさと窓際に追いやるべきだと思います。

それだけに部下のために…が大事です。

 

現代におけるマネージャーの価値は、

現在の能力絶対値の高さよりもむしろ、

今後の変化成長の可能性によって評価される。

いま高い水準にあっても

これ以上変わりない人には価値が少なく、

たとえいまの水準が低くとも、

フレキシブルに変化できる人の価値は大きい。

自己革新こそ、

この時代に生きる

すべてのマネージャーの最高のテーゼといえよう。

(P.268)

 

人は無能になるまで出世する。

 

こう言われることがありますが、

今ばかりを見ていたら

未来を閉ざすことになりかねませんね。

 

社員だって、マネージャーだって、

経営者だって、すべからく未来に生きるべきです。

 

永遠に自分を無能にしない取り組みが

サバイバル戦略の根幹でしょうか。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

最近は出世を望まない若者が増えていると言われますが、

私はできるものならしたほうがいいですよと伝えたいです。

 

役職の問題とか

権限、権力とか、収入など

そういう面と言うよりは

自分を成長させることに繋がりますし、

キャリアを「スキル」と「経験」と定義するなら

物凄いキャリアップの機会になるからです。

 

本書を読めば

そのコツが手に入ります。

 

もちろん出世だけではないですけどね、

でもチャンスがあるなら

前向きに突っ込んでいくのがいいと思いますよ。

 

マネージャーとして

自信が持てれば

さらなるチャンスがやって来ます。

 

マネジメントスキルとは

自分のためにもなるんです。

変化の激しい時代なら尚更でしょう。

 

自分はまだマネージャーじゃないからとか、

マネージャーになるつもりはないからとか、

そういう方にこそ本書は読んで欲しい。

 

備えあれば患いなしです。

なってからでは遅いんです。

 

それでは、また…。

 

 

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