ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

ドクターの働き方改革28メソッド 開業医のための最強のタイムマネジメント

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

誰しもが

今よりも少し良い未来を

望んでいると思うんですね。

 

そんなことをないよ…と

つい言ってしまう人もいるでしょうけど

その人だって

未来がどんどん悪くなることなんて望んではおらず

ただ条件反射的に否定したがるだけの話しです。

 

問題はここからです。

 

誰もがより良い未来を望んでいるのですが、

その「姿かたち」が明確になっていないのですね。

 

逆に言うと

この「姿かたち」が明確になったものは

だいたいがすでに叶っています。

 

もしくは叶いつつあり、

どんどん良い方向に進んでいることが多いです。

 

あくまでも私の個人的見解ではありますが、

未来を良くしたければ

どんな未来を自分は望んでいるのか?

 

この点を明確にする、

つまり目標設定こそが

最初の1歩なのだろうなと考えています。

 

今回ご紹介する書籍は、

【ドクターの働き方改革28メソッド

 開業医のための最強のタイムマネジメント  】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 ドクターの働き方改革28メソッド

 開業医のための最強のタイムマネジメント

梅岡 比俊 医学通信社 を読みました。

 

実はですね、

著者である梅岡先生とは

1度だけお会いしたことがあるんです。

 

ごく短時間でしたし、

何かのセミナーでご挨拶をしただけですので

おそらく梅岡先生はご記憶がないと思います。

 

でもfacebookでも繋がっていただいているので

もしかしたら何か見たことあるな?くらいの認識は

持って下さっているかもしれません(笑)。

 

それは横に置いておくとしまして

私の梅岡先生に対するイメージは…

耳鼻咽喉科の医師として

最初のクリニックを成功させて

兵庫県を中心に複数の分院展開をして

医療法人の理事長として成功しているということ。


最近は小児科クリニックも展開し、

関東圏でも内科クリニックを経営しています。


その他、開業医コミュニティM.A.Fを運営されており、

成功メソッドを全国の開業医の先生方にお伝えし

絶え間なく経営者として学ばれているということ。


こんなイメージを持っています。


またマラソントライアスロンなど

忙しいなかにもスポーツをされていて

公私ともに充実されていらっしゃるようです。


そんな梅岡先生がドクターの働き方について書く。

開業医へタイムマネジメントの秘訣を伝える。

 

こりゃ私の仕事的にも学ぶところが大きそうだなと思い、

Amazonってポチって

すぐに読み始めたのでした。

 

目次

第1章 働き方改革前夜──今の私に至るまで

第2章 働き方改革開始──時間管理への取組み

第3章 働き方改革継続中──さらなる取組み

第4章 ワーク・ライフのバランスに悩むドクターへの28の提案

 

感想

梅岡先生がどんなスタンスで書いているのか

かなり楽しみにしておったのですが、

まさに本書のタイトル通りで

タイムマネジメントという

その意味では期待通りの内容でした。

 

あくまでも梅岡先生ご自身のお考えであり、

実際にご自分で経験されたことを書かれているのですが、

ひとつの働き方改革の考え方としては

多くの方が知っておいて損はないと思われます。


それは梅岡先生も重々承知でして

自分はこうだったけど

皆さんも自分らしく考えてみてねというスタンスです。

まあそりゃそうですよね。

梅岡先生をリスペクトしている若手医師だって

全く同じ価値観を持っているわけではないし、

それでは人生が面白くありませんからね。


でも参考になる点は多いと思います。


おそらく全国の開業医の中でも

梅岡先生は間違いなくご多忙な部類に入るでしょう。


そんな梅岡先生でも

家族のための時間を確保し、

趣味であるマラソントライアスロンのためには

数日間どころか、1~2週間を空けることもあり、

それでも法人は上手く回っている現実があるわけです。


もちろん一朝一夕にできることではありませんし、

そのプロセス段階では

かなりのご苦労があったことと思われます。


しかし実現できた方がいるのですから

やりようはいくらでもあるんでしょうね。


私自身は今のところは

24時間365日を働きたいフェーズなので

梅岡先生がしたような働き方改革の必要性は感じていません。


ただこのままあと10年、20年とは行かないわけで

どこかのフェーズで方針転換しなければならなくなります。


その時のために、

からしておくべきことのヒントは手に入りました。


最大のポイントは、

権限委譲と、その前段階での部下育成。

私も今から取り組んでおこうと思います。


それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介いたします。

仕事が回らなくなった原因は

誰のせいでもなく自分のせいでした。

自分でしたことなのだから、

自分で責任を取ることを覚悟しました。

そして、まず何が足りないのかを真剣に考えないと、

どんなに優れた取組みや仕組みを取り入れたところで、

変化は起きないだろうと思いました。

(P.52)

 

最初のクリニックが順調に立ち上がり、

縁があって分院展開してみたところ

「ああ、このままでは回らない」と

ピンチに立たされた梅岡先生の気づきです。

 

ここに経営者として成功するための

非常に重要なポイントがあるように感じました。

 

「自責」と「覚悟」です。

 

私自身も自省しなければなりませんが、

第1歩を踏み出すために必要不可欠なものですね。

 

権限移譲について、

かの有名なピーター・ドラッカー氏は

「ミッション・ビジョン・バリューの決定外の

 すべてはアウトソースできる」と言っています。

その考えからすれば、

クリニックにおいては診療さえも

アウトソースできるということになります。

(P.57~58)

 

これは賛否両論があるかもしれませんが、

やろうと思えばできるものでもありますし、

選択肢のひとつとして持っておくのは

経営判断としてありかもしれませんね。

 

皆さんは、目標設定の方法として

具体的に目標を決める「SMARTの法則」を

ご存知でしょうか?

「SMARTの法則」とは、

Specific(具体的、わかりやすい)、

Measurable(計測可能、数字になっている)、

Agreed upon(同意して、達成可能な)

Realistic(現実的で結果志向)、

Timely(期限が明確、今やる)の頭文字を取ったもので、

端的にいえば、

より具体的に目標を設定すると

その目標は達成しやすくなりますよ、

ということなのですが、

私は、その最後に情熱(Emotional)のEをつけ、

「SMARTEの法則」をお勧めしたいと思います。

なぜなら、目標達成には、

何が何でも達成するんだという

情熱が不可欠だと思うからです。

(P.98)

 

本書では、梅岡先生ご自身が

今まで学んできた書籍やメンターなどの言葉が

随所に紹介されているわけですが、

一応、ビジネスパーソンとして

私も長く勉強していますので

そのほとんどを知っていましたが、

この「SMARTの法則」だけは知りませんでした。

 

目標設定とは

人生であればライフプランですし、

経営であれば事業計画ですし、

キャリアであればキャリアプランですね。

 

やはり具体的であればあるほどに

アクションも起こしやすくなりますので、

具体的な目標設定は重要な準備と言えそうです。

 

トップの決断は

できるだけ早くしたほうがいいと言えると思います。

なぜなら、トップの決断が早ければ早いほど、

組織はスピーディーに業務処理ができることになるからです。

自分自身の過去を振り返っても、

決断を遅らせて結果が良かったとか、

ゆっくり考えたから画期的なひらめきや

イデアが得られたとかいう経験はなく、

逆に、自信がもてずに

決断をズルズルと先延ばしにしてしまったことで、

成果が出なかったという経験のほうはあります。

(P.113)

 

勤務医から開業医になろうとする先生に

自分は経営者向きか?

今まで経営などしたことがないけど大丈夫か?という

ご質問を受けることが多いです。

 

医師になるくらいの頭の良さがあれば

私は何ら問題がないと考えていますが

しいて言うならひとつだけ…

「決断力」に関しては絶対に必要ですとお伝えします。

それも「即決」が必要です。

 

理由は梅岡先生がおっしゃった通りです。

 

開業準備期間なんて決断の連続ですが、

この期間を通して立派な経営者になっていくのですね。

 

実際にコーチングを受けてみて

気付いたことがありました。

従来、梅華会は

いわゆる管理型のマネジメントを実行していて、

経営チームは常に自分の診察している

クリニックのすぐ近くに事務所を設置し、

私が毎日しっかり顔出しをして

毎日細かく指導するようにしていました。

そのことをコーチをしている人と話をしているなかで、

はたして自分自身がそのような管理体制、

マネジメントを受けたらどうだろう、

どういう気持ちだろうかと考えました。

自分だったらもっと自由にさせてほしい、

任せてほしいと思うのではないか、

そして、自分が困ったときに

トップは相談に乗ってくれたら

いいのではないかと考えたわけです。

(P.131)

 

これも大事な視点ですね。

別に経営者なんてお偉いものではなくて

ただの「役割」です。

 

仲間がやりやすい環境を作ることは

純粋に「役割」として必要です。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

本書はタイムマネジメントの書籍です。

特に開業医に特化しており、

開業医が時間をより有効に使いたいとお考えならば

とても参考になるところが多いと思います。

 

ただ私はもう少しクリニック経営について

突っ込んで知りたかったのですが、

それは本書の前とその前にすでに書かれているようです。

 

そっちを読まなきゃいけなかったか(苦笑)。

 

それでは、また…。

 

 

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