ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

史上最強のCEO

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

まあ自分のことを大好きという人は

それはそれでどうなんだろう?と思います。

 

こういう人って

自分の長所は富士山より高く、

自分の短所は全て覆い隠して

もう自分以上の人間なんてこの世にはおらず、

自分のやることは全て正しくて

人のやることは全て間違っている。

 

こんなタイプが多くないですか?

正直、近くにいて欲しくない人です。

 

普通に考えればですよ、

自分という存在は

好きなところもちょっとあるけど

もっとこうだったらというところがたくさんあって、

何とか好きになろうとするけど

どうしても欠点を見逃すことができずに

中途半端にほんの少しだけ好きって感じではないですか?

 

少なくとも私はそうです。

ただ自分で言うのも何ですが、

読書好きであるというところだけは

本当に良かったと思いますし、

他者に対して胸を張れるのは

私は読書が大好きです!と

正々堂々と言えるところくらいです。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 史上最強のCEO 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 史上最強のCEO 』

ジェームス・スキナー フローラル出版 を読みました。

 

これ、ちょっと記憶違いだったら

誠に申し訳ないのですが、

本書はなぜだかわかりませんが

確か会社の郵便ポストに入っていたんです。

 

誰からなのかもわからないし、

なぜいきなり本が?とかなり疑問に思っていました。

 

どうせ営業だろう?と思って

そのまま会社の本棚にずっと眠っていたのです。

 

自分で買う種類の本でもないし、

経営本には関心が高いけれど

勝手にポストに入るような本じゃ

おそらく内容も薄っぺらい騙しじゃないか?と

失礼ながら思っていたのです。

 

私は通勤電車では必ず読書をするのですが

たまたま行きの電車で前の本が読み終わってしまい、

帰りの電車はどうするか?と

会社の本棚を物色していた時に

なぜか本書が光り輝いていたのです。

 

まさかと思いながら

パラパラとページを捲ってみましたら

ん?意外と読める?もしかして面白そう?

え!勉強になるかもしれない…ということで

まあ外れても帰りの電車だけ読めればいいやと思ったのですが

何と翌日も、翌々日もということで

結局すべて読み終えてしまったのです。

 

これもご縁というのでしょうか?

 

目次

第1部:序論

第2部:新しい経営環境を見つめる

第3部:あなたの会社の唯一の問題

第4部:現代企業を激変させるう4つの原則

 原則1:リーダーシップ

 原則2:イノベーション

 原則3:利益性

 原則4:目的

第5部:あなたの次のステップ

第6部:愛だよ!

追伸:ジェームスの近くに生きる

 

感想

確かにところどころ、

ジェームスの勉強会に出なさいよとか、

ジェームスのサイトを見なさいよという

営業的な部分はありました。

 

正直、若干ウザいとは思いましたけれど

それを超える「学び」があったのも確かです。

 

著名な経営者の本は

どうしても自慢話しが多くなりがちですし、

いかにもオレ様はスゲーだろうみたいな話しも多いです。

 

まあ、本当にスゴイのだから

別にそれはそれでいいんですけどね、

本書はもっと経営の本質に切り込んでいるどころか、

そもそも経営って何なのよ、

社会のなかで企業を経営するとは

いったいどういうことなのよ、という

深い経営論がありました。

 

経営者や経営幹部の方は当然のことながら

管理職や出世を目指す人も

いやもっと言えば仕事をしている人には

すべからく読んで欲しい内容でした。

 

つまり働くとは何ぞや?

仕事はなぜしなければならないのか?という

そこまで追求しているところが素晴らしいのです。

 

私自身も経営者の1人として

後頭部をハンマーで叩かれるような衝撃がありましたし、

もっと考えねばならないことがあることを

ま、当たり前ですけど、強く思い知らされました。

 

どんな仕事をするのか?

どんな経営をするのか?

どんな会社にしたいのか?

 

私は大きなヒントを手にすることができました。

 

期待値が低かっただけに

とんでもない良書に出会った気分です(笑)。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介いたします。

 

偉大とは何でしょうか?

利益を出すだけで、偉大と言えるでしょうか?

絶対に言えないはずです。

短期的な利益を追求して、

会社をダメにする経営者が後を絶ちません。

利益の数字を高めるために、

顧客を騙したり、従業員を裏切ったり、

環境を破壊したりする経営者は

結局のところ愚者と言うほかありません。

あなたは、利益を追求するだけの経営者で終わってはなりません。

偉大な経営者にならなければならないのです。

心からそう願っています。

偉大な経営者は、世界をより良い場所にします。

従業員のためにより良い職場を作ります。

顧客に対して、本当に生活を豊かにする商品を届けます。

環境を保ちます。

そして、時代を超えて喜ばれ続ける会社を遺していくのです。

(P.21)

 

会社を潰してしまうバカ経営者。

 

顧客や従業員から搾り取ることしか考えていなかったり、

コンプライアンス上で明らかに問題があったり、

ロクでもない経営者はかなり多いです。

 

万が一、売上的には素晴らしいとしても

そんな経営者にはなりたくないし、

そんな経営者をのさばらせてはいけないと思います。

 

従来の経営では、

どのようにして競合に打ち勝つのか、

ひたすらそれを考えました。

戦略、市場占拠率、市場進出などの経営用語そのものも、

軍事用語、戦争用語を多く用いるものでした。

しかしやはり、その時代はもう終わったのです。

競合の時代ではなく、協力の時代なのです。

パートナーシップ・提携・合併の時代なのです。

自社内において世界クラスでできないことをすべて外注します。

それだけのことです。

(P.40~41)

 

日本の大手企業の多くが世界から後れを取っているのは

このあたりの考え方かもしれませんね。

大きな流れに付いていけておらず

今だに自社都合ばかり考えている。

 

そう、企業が直面する問題は、

結局のところ、たったひとつしかないのです。

あなたの会社もしかり。

あなたの会社が抱える問題はひとつしかありません。

確固たる自信をもって、

そう断言しましょう。

あなたの会社が抱えている唯一の問題は、

経営者の「あなた」なのです!

(P.46)

 

はい、おっしゃる通りだと思います。

経営者次第で会社は良くなり、

経営者次第で会社は倒産します。

 

時計ではなく、コンパスで生きるようにしましょう。

自分はどこに行こうとしているのでしょうか?

その方向に進み続けて、成し遂げるまでは……。

(P.49)

 

時間になったから〇〇する。

公務員やサラリーマンはみなこうですね。

 

でも、考えてみれば不自然です。

 

不自然が自然と行われているから

人間が壊れていくのかもしれません。

 

やりたいことをやる。

行きたいところへ行く。

会いたい人に会う。

 

こうあるべきではないでしょうか?

 

CEOは馬鹿くらいでちょうど良い。

なぜなら、リーダーは他人の能力を引き出し、

彼らを成功させ、

彼らの最高の結果を引き出す人だからです。

あまりできてしまう人だと、

自分でやろうとします。

(P.86)

 

なるほどなあ。

確かにと頷かされます。

 

「有用」な馬鹿。

優秀でも、有能でも、有益でもなく、

「有用」な馬鹿がちょうど良いのかもしれません。

 

過去25年間で、

極度に貧困な生活をしている人々は10億人も減り、

人間の歴史における

最も低い水準の10%未満に達しました!

しかし、同時にこの過剰とも呼べるほどの能率と

効率(客観性)の追求が多くの問題を生み出しました。

・作業が標準化され、単純化され、

 仕事に意味と意義が見いだせない人が溢れています。

・自然の環境が破壊され、

 毎日150~200もの動植物の種が絶滅します。

・空気の汚染により、

 人間の存続そのものを脅かす気候変動が起きています。

・行き過ぎたAI(人工知能)の開発は、

 人間の淘汰に結び付くのではないかと心配されています。

・最も有名な資産家の人たちは、地球を断念し、

 次の惑星を開拓しないと未来はないと言って、

 その準備を急いでいます。

こんなことではダメではありませんか!

手段性の道具箱を取り出してみれば、

その回答は明白そのもの。

経営は、人間の幸せに貢献するものでなければなりません。

環境にも良いものでなければなりません。

より素晴らしい世界を

次の世代のために用意するものでなければなりません。

(P.169~170)

 

国とか政府とか

対象が大きくなればなるほどに

批判や文句って言いやすくなりますけれど、

冷静に現状を把握することって大事ですね。

 

50年前と比較したら

100年前、200年前なら尚更に、

間違いなく暮らしやすくなっていますし、

生活のリスクも軽減しているのは自明でしょう。

 

でも私たちはより良い社会を望んで

つい欠点を見てしまう。

 

社会的な課題は解決すればいいし、

実現できたものは

しっかりと理解しておきたいですね。

それが知性でしょう。

 

ビジネスは、選挙と非常に似ています。

同じように票を獲得しようとしているからです。

選んでもらおうとしているのです。

そして、ビジネスの世界では、票とは、「購買行為」であり、

「お金」というものです。

その票をほかの商品ではなく、

ほかの会社ではなく、

自社に投票してほしいのです。

◆1点目:お客様は誰か?(有権者

(中略)

◆2点目:商品の購入によって得られる結果は何か?(政策案)

(中略)

◆3点目:そのお客様のために、

     その結果を出してくれる商品とは何か?(候補者)

(中略)

この順番が大切です。

相手を定義することが大事です。

その方々のニーズが大事です。

商品そのものは、大切ではないのです。

しかし、ほとんどの会社が真逆のことをするのです。

商品紹介ばかりやっているのです。

(P.185~186)

 

このようにシンプルに説明されると

本当にその通りだなと思いますし、

本来であれば経営方針はこうあるべきなのでしょうね。

 

それを変にこねくり回すから

伝わりにくくなって、わかりにくくなって、

社員は混乱し、お客さんにも不信が沸き起こります。

 

私自身も自社の事業をもっとシンプルに、

誰にでもわかりやすく説明できるように

頭を整理しようと思いました。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

本書がどんな経緯で出版されたのかはわかりませんが

かなり驚きがありましたし、

いい意味で予測を裏切ってくれて嬉しく思いました。

 

自費出版とか、企業出版の場合は

結局は自画自賛したいだけ、

マーケティングに繋げたいだけなので

とんでもないヒドイ内容の本もありますけど

(いいものもありますけど)

きちんと商業出版されているならば

やはり一定の水準は超えてきますね。

(まさか企業出版ではないですよね?)

 

合う合わないはあるでしょうけど、

今回のように大当たりもあるわけです。

実に良い勉強になりました。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ

診療圏調査バナー