ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

医者が教える正しい病院のかかり方

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私が医療業界のすみっこで仕事をするようになって

早くも12年が経ちます。

 

当初は教えてくれる人がいなかったものですから

必死になって勉強しました。

 

youtubeは音楽を聴くもので

今のように医療に関する動画などは

ほとんどなかったと記憶しています。

 

勉強会などにも参加はしましたけど

今のようにその情報が手に入ることは

それほど多くなくて

ようやく見つけて少し行けるような感じでした。

 

その意味では最も役立ったのは

やっぱり読書です。

 

医療関係の書籍はどれくらい読んだでしょうか?

300冊くらいは優に超えるのではないかと思います。

 

我ながらよく学んだものです。

 

それは今も続いているのですけど

昔と違って今は医療用語も理解しているので

スラスラ読めるようになっているので

理解度も格段に上がったように感じます。

 

医療は国民にとっての財産と言えるでしょうし、

医療従事者は宝物であると私は思っています。

 

これからも地道に学び続けて

医療における守備範囲をグッと広げてまいるとともに

医師と一般の方の架け橋のような存在を目指して

向上心を持って学び続ける所存です。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 医者が教える正しい病院のかかり方 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 医者が教える正しい病院のかかり方 』

山本 健人 幻冬舎新書 を読みました。

 

著者である山本健人先生は

X(旧twitter)でフォローさせていただいております。

 

「外科医けいゆう」という名前のアカウントで

何とフォロワーが10万人を超えており、

著書も数冊あることから

どこかで読んでおきたいなと思っておりました。

 

本書は2019年11月に発行されたものですが

少し前とは言え

そんなに古くもなさそうですし、

おそらくわかりやすく

患者側が読みやすく

丁寧に書かれているのだろうなと想像しました。

 

実際にポスト(旧ツイート)を見ていても

お人柄が伝わるような

丁寧で、気遣いのある、

投稿に好感を持っていました。

 

まずはここからスタートしようと考えて

勉強する気満々で読み始めたのでした。

 

目次

第1章 病院に行く前に

第2章 医師との関係に悩んだら

第3章 がんについて知っておくべきこと

第4章 いざというとき

第5章 薬の知識

第6章 知っておきたい家庭の医学

 

感想

う~ん、面白い。

とても読みやすい。

 

自分自身が健康優良児なものですから

あんまり医療機関に罹ったことのない私です。

 

仕事で、医療の世界に飛び込んできて

それこそイチから学んできたわけですけど

知識が付いた今から思えば、

本書は実にわかりやすくていいのですが

まだ知識がそれほどない頃に読みたかったです。

 

つまり本当に読みやすくて、わかりやすくて、

医療を学ぶには最適な内容であるということなのです。

 

さすがだな、けいゆう先生と思いながら読み進めましたが

別に山本先生とは面識があるわけではなく、

ただツイートをよく読んでいたので

勝手に親近感を持っていただけなのですが

本書を読んでさらに好感を持ちました。

 

ここまでわかりやすく書けるというのは

それだけ患者サイドについても

よく観察されていて、

気持ちを察しているからだと思うのですね。

 

いいお医者さんである証明と言えるでしょうか。

 

私たち一般人は

医療に対してのスタンスは人それぞれですけど

「科学的」であるか?と厳密に問われると

かなり心許ないんじゃないかと思います。

 

医療従事者でない限りは

医療を学ぶ機会なんてほとんどないわけですし、

私もそうなんですけど文系人間は

医学に対しての苦手意識もあるんじゃないでしょうか。

 

そうは言っても

自分自身だけでなく

両親や祖父母、子供など

医療に関わるケースは誰にでもあると思うんですね。

 

今はなくても数年後には必要になるかもしれません。

 

本書の中でも触れられていましたが

ひと昔前は「家庭の医学」などが家に常備され

何かあるとそれを見て、

必要があれば医療機関に行くという手順が

わりとスタンダードでした。

 

ところが昨今ではインターネットなどで

簡単に情報が手に入るようになり、

でも弊害としてエビデンスのない情報や

明らかな虚偽情報なども増えてしまいました。

 

きちんとした基礎知識がないと

何だか魅力的に見える怪しい情報に

つい飛びついてしまうことも多くなってますね。

 

その意味では本書を読んでおくと

「家庭の医学」的な知識が身に付きますし、

どういうスタンスで医療と向き合えば良いのかが

手に取るように理解できます。

 

医療従事者の方が読むと

相当に物足りないところがあると思いますが

一般の方向けと考えると

とても有用な1冊であると言えると思います。

 

最近、両親が随分老いたな…

そんな時には本書を読んで

基礎知識を手に入れておくと良いでしょう。

 

今回は少ないですけど

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。

 

人には「信じたいものを信じる」という傾向があります。

自分では偏りなく情報収集をしているつもりでも、

無意識のうちに、

自分にとっての安心材料になる情報だけを

取捨選択してしまう危険性があるのです。

やはり、迷ったときは、

友達より先に医師の意見を求めてほしいと思います。

(P.46)

 

本当にその通りだなと思います。

 

別に医療や医学だけの問題ではなく、

私の本業であるキャリアとか転職シーンでも同様です。

 

専門家から見れば

さすがにこんな情報には騙されないだろうというような

当たり前のようなものに平気で騙されてしまうのが

一般人というものですからね。

 

持つべきものは「友」とか言われますけど

私は持つべきものは「プロ」ではないかと考えています。

 

情報が散乱している時代ですから

見極める目が必要ですよね。

 

情報リテラシーを自分で持つのは大変ですから

「プロ」の厳しい目を活かして

物事を判断していくのがいいですね。

 

しかし中には、

医師や現代医療に対する不信感から、

医学的根拠の乏しい治療に傾倒し、

病院に来なくなってしまう人もいます。

私はこれまでそうした患者さんを見てきて、

痛感したのです。

診察室の中だけでは患者さんを救えない、と。

私たちが医師として医業を行う限り、

病院に来ない人を救うことはできないからです。

私たちの気づかないところで

健康被害を受けているかもしれない多くの人に、

声を届ける手段はないだろうか?

(P.268)

 

このような話しもよく医師から伺います。

 

自分で自分の首を絞めるような話しではありますが

気づかずに本当に自分の首を絞めてしまう人は少なくありません。

 

ネットの中の情報は玉石混交ですし、

正しい情報もあれば

不正確な情報もあり、

なかには人を騙して

自分だけカネ儲けするような情報もあります。

 

誰もが騙されたくはないと思っているのでしょうが

それでも平気で騙されてしまう人が引きも切りません。

 

正誤の判断ができないなら

素直にそれを認めて

判断ができる人を頼るのがいいですよね。

 

医療の世界では

それは当然に医師であるはずですが、

医師と言っても我が国には33万人もいるわけです。

 

これだけいれば

なかにはおかしな人が混じっていたり、

犯罪を犯したり、

虚偽情報を妄信していたりする人もいるでしょう。

 

セカンドオピニオンというのは

医療の世界だけでなく、

自分自身の価値観として持っておいたほうがいい

「概念」であると言えそうです。

 

本書はそのための「道しるべ」となると思います。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

今まで多くの医療本を読んできましたが

ここまで読みやすく、わかりやすい本は

それほどないんじゃないかと思いました。

 

一般の人でも理解度は高いでしょうし、

それだけ心を砕いて著者は書いてくれています。

 

少し医療を勉強したいな。

そんな方には絶賛おススメできるビギナー向けの書籍です。

 

医療の基礎知識を付けるのは

最適の本であると思います。

 

それでは、また…。

 

 

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