おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私は医療業界で仕事を始める前は
特に医療に関心があったわけではありませんし、
あの有名な「白い巨塔」ですら
見たことも、読んだこともありませんでした。
そんな私が医療を学ぶようになって
それこそ貪るようにして医療本を読んできました。
最初は「勉強」という意味合いが強かったので
わかりやすい本をセレクトしていましたが
段々と視野が広がり
そして手を出したのが医療小説です。
特に海堂尊さんにはドハマリました。
まだ私の積ん読本棚には
数冊残っていますけど
相当に読み込んできていると自負しています。
今回ご紹介する書籍は、
【 氷獄 】 です。
本書をピックアップした理由
『 氷獄 』
海堂 尊 角川文庫 を読みました。
はてなブログの私のトップページで
海堂尊で検索を掛けてみましたら
こんな結果になりました。
そこそこ読んできたつもりですが
意外と逃している本もあるんですよね。
今でも未読の海堂作品があれば
即購入して積ん読本棚に保管しておきます。
本書もその1冊でした。
久しぶりに海堂さんを読むか~と思い
どんなストーリーか
楽しみにしながら読み始めました。
目次
「双生」
医師・田口公平のもとで研修に励む
すみれ・小百合の桜宮姉妹。
外来患者の夫の異変に気付いたすみれは、
ある斬新な治療法を提案する。
「星宿」
十字星を見たい。
看護師の如月翔子は、
手術を拒否し続ける少年・村本亮の願いを叶えるため、
便利屋・城崎を呼び出しーー。
「黎明」
末期癌の妻が入所した東城大学医学部付属病院のホスピスは、
治る希望を捨て、死を受け入れるという方針だった。
夫・章雄は反発するが……。
「氷獄」
新人弁護士・日高正義は
「バチスタ・スキャンダル」の被疑者のもとを訪れた。
弁護の拒否を続ける被疑者に、
日高正義はある提案を持ち掛ける。
感想
あ、短編小説なんだ…。
実は私あんまり短編が好きじゃないんですよね。
何でだろう。
何となく結論を急いでいる感があって
作家としての力量が
中途半端になっているように思えてしまうのです。
まして海堂さんですよ。
長編小説がメチャクチャ面白いわけじゃないですか。
な・なんで短編…と思いながらも
しょうがなく読み続けていたのですが…。
まあ結果的には面白くなって
ワクワクしながら一気に読んでしまいました。
「双生」、「星宿」、「黎明」は
海堂さんらしい医療現場のエピソードを
いつもの登場人物たちを駆使して
ストーリーにしてくれて
個人的に大変に勉強になりました。
医療現場で、医師や看護師が
どんなことに遭遇し、
その時にどんな思いを持って対応しているのか、
想像力が掻き立てられますし、
私の仕事的には実に参考になります。
医師のサポート力が
少しだけ上がったような気がします。
医療現場って
人間のもっとも弱い時が赤裸々になりますし、
ある意味では相当に人間臭いものなんですよね。
そこで遭遇する出来事は
いいこともあれば、そうでないこともあり、
医師の皆さんの感情の揺れは
半端ではないと思います。
しかしその思いに引きずられることなく、
冷静に、科学的に、患者のためを思って
対応して下さる医師の皆さんには頭が下がる思いです。
私自身の感性や想像力が問われるところでもあり、
海堂さんのストーリーには
学ぶべきところが大変に多かったです。
そして最後の「氷獄」ですが、
正直、これが1番面白かったです。
主人公は弁護士ですが、
良くも悪くも医療と司法は相性が悪くて、
現実社会においても問題が大きいです。
司法の自分勝手な理屈が
医療従事者を委縮させてしまい
医療現場を混乱させていることは少なくありません。
ところがこの弁護士さんは
医療に寄り添い、
医師の本音というか
どこまでも心の奥を目指して
孤軍奮闘してくれます。
こういう弁護士が現実社会にもいてくれれば…
そう思いながら読み終えました。
あ、意外にオレ、短編も行ける?と
新たな発見もありました。
やはり医療って深いです。
もっともっと学びたいと
心から思いました。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
さすがに海堂作品は外しませんね。
何を読んでもだいたい面白いですし、
とても勉強になります。
医療小説という分野は
もっと一般の方も読むといいと思います。
医療現場を知ることで
人間を知るということに繋がりますからね。
人を学ぶ。
社会の仕組みを学ぶ。
医療はそのために最適だと考えています。
それでは、また…。
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