おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
今よりも少しより良い人生を送りたい。
そう考える人は少なくないと思うのですね。
しかしこれが…
今よりも少しより良いキャリアを手に入れたい。
このように考える人は思いのほか少なく感じます。
でもですよ、
キャリアを考えなければ
仕事が上手く行かないことも多いですし
勤務先の勝手な都合に翻弄されることも少なくありませんよね。
今より少しより良い人生とは
今より少しより良いキャリアと
ある意味では同義ではないでしょうか?
キャリアを手に入れて
いい仕事をしていれば
それだけの評価を受けるでしょうし、
きっとそれは年収にも現れるでしょう。
余裕ができれば
生活も豊かになり
人生も必然的に良くなる可能性が
グッと高まると思うんですよ。
仕事行きたくねえ~
やる気が起きねえ~
やってらんねえ~
仕事辞めたい~
職場に行くの嫌だ~とか
そう言うのも自由ですけど
自分の5年先、10年先の人生を考えたら
もっと本気でキャリアと向き合ったほうが
自分のためになるのではないでしょうか。
私はキャリア支援が仕事ですから
24時間365日キャリアを考えています。
当然、他の人と比較したら
キャリアに対して真剣に学んでいますけど
もっと多くの人がキャリアに真摯に向き合ったら
幸せになれる人が増えるんじゃないか。
そう考えることが多いです。
今回ご紹介する書籍は、
【 キャリア弱者の成長戦略 】 です。
本書をピックアップした理由
『 キャリア弱者の成長戦略 』
間中 健介 新潮新書 を読みました。
医師のキャリアに関わる仕事をしていますので
勝手ながら私は公益性を大事にせねばと考えています。
すると勉強が欠かせません。
キャリアには正解なんてないと考えていますけど
人それぞれのキャリアに寄り添うためには
様々な方のキャリアに関する考え方を
知っておく必要があると思うのですね。
ですからキャリア本は
ちょっと面白そうだなと思うものが見つかると
すぐにポチっとしてしまいます。
結果的に私の積ん読本棚には
キャリア関係の本は多いです。
少しずつ読んでいかねば…と思っていた時に
ピカピカ輝いて
今、読みなさいよというシグナルを受けとりました。
キャリア本の評価には厳しい私ですが
さて、どんなもんだろうと思いつつ
ワクワクしながら読み始めたのでした。
目次
第1章 世界から後退していく私たち
第2章 社内キャリアチェンジか、転職か
第3章 自分の資産価値を見極める
第4章 今日から始める「23の成長戦略」
第5章 挑戦するミドル世代に未来がある
感想
う~ん、キャリア本じゃねえ~。
これが最初の感想です。
別に悪い本だとは思わないですけど
タイトルにキャリアと付けて良い内容ではありません。
著者の好みなのか
出版社の問題なのかはわかりませんけど
何をどう考えても
キャリア本とは言えません。
ついでに言うと
「弱者」をターゲットにしており
確かに情報弱者に対して
こういうことを知っておいたほうがいいよとか
これは考えておくべきじゃない?という
サジェスチョンは所々にありますけど
新聞とかニュースをチェックしておけば
普通に手に入る情報ではないかと感じました。
何て言うんでしょう。
ちょっと浅いかな…と。
まあ新書ですし
たまたま私が最近読んだ経営本が
とてつもなく幅広い視点で
なおかつ経営だけでなく
キャリアという観点でも
相当に参考になっただけに
若干物足りなく感じてしまったのかもしれません。
下記、差し替え。
一寸先は闇とは
少し言い過ぎかもしれませんけど
ひと昔前と比較すると
のんべんだらりと生きていては
不測の事態に巻き込まれて
思わぬ想定外になるやもしれず…。
やはりリスクマネジメントが必要ですし
その前提にキャリアを持っておくべきではないでしょうか。
私はキャリアの専門家の1人として
24時間365日キャリアについて考えていますが
本当にキャリアの有無で
5年先、10年先が決まってくると思うのですね。
そんな刹那的に生きていると
50代とかになった時に痛い目に合うのではないでしょうか。
ただ難しいのは
キャリアには正解がないということです。
100人いれば100通り。
個々それぞれが自分のライフを考えつつも
自分らしく作り上げていかねばなりません。
その意味では誰しもがキャリアについて
語る権利はあるのだろうと思います。
しかしこのように書籍にするのであれば
もっとしっかりしたキャリア論があるべきではないでしょうか。
正直、本書のタイトルは興味深いものでした。
よって私もわりと楽しみに読み始めたのですが
どこまで言ってもキャリアについて語られず
読み終えた時に、え、何だったの?と疑問に思う始末。
全然キャリア本ではない。
そういわざるを得ないですね。
内容として
そこそこ学びになるところもありますので
決して悪い本ではありません。
ただキャリア本ではなかった…
それが私には残念に思えました。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
今回はかなり少なめですけど…。
年収や物的条件で勝ち組、負け組と
レッテルを貼るのは本当に無意味です。
自分ならではの価値尺度を持って
行動する事ができている人は、
みな「勝ち組」です。
(P.52)
本当にそう思います。
でもカネ、カネ言ってるのは
若者よりも中高年や高齢者のほうが多いです。
強欲ジジイが社会を旧態依然としたものにしていますね。
私利私欲の恥ずかしさ。
ホント昭和世代にはさっさと引退して欲しい。
ま、私も昭和世代ですけど(笑)。
社会人の学び直し、
いわゆる「リスキリング(またはリスキル)」が
ブームになっています。
リカレント教育という言葉もありますが、
リカレント教育は個々人の自発的な学びというニュアンスで、
リスキリングは個々人のスキル獲得への支援を
企業に求めるニュアンスで語られます。
スキルには業務の遂行に必要な専門スキルと、
業種職種を問わず社会人に求められるスキルがあります。
前者は外国語能力や営業能力、
プレゼンテーションスキル、調理能力、
運転能力、技術力、
アートやスポーツ分野の能力など、
それぞれの立場で求められるスキルを指します。
後者は創造的思考力、
コミュニケーション能力や忍耐力、
状況適応力などが挙げられます。
WHO(世界保健機関)が1993年に定めた
「ライフスキル」はその一例です。
スキルが高いことが
立身出世に不可欠なのは言うまでもありませんが、
スキル獲得の前に目標を持つことが
何よりも重要です。
(P.75~76)
私はかねてより
キャリアとはスキルと経験であると
様々なところで発信しています。
我が身を救うのは
何をどの程度できるのかというスキルと
何をどの程度してきたのかという経験です。
これはゴマカシが効きませんし、
リスキリングとかリカレント教育というよりは
もっと自然なものであって
自分、何ができるようになりたいの?という
目標設定と実現のための努力ですよね。
キャリアプランやライフプランが必要であり、
こういったプロセスを歩んできた人と
そうでない人では雲泥の差が出てきます。
日本社会全体が
シュリンクしていく時代ですし、
勝ち組と負け組はハッキリと分かれます。
そんな時代にどう生きるのか?
いかにして働き続けていくのか?
自分次第で未来は大きく変わりそうですね。
資格へのこだわりが
キャリアの可能性を狭めることがあります。
(中略)
努力をすること自体は素晴らしいのですが、
転職市場で評価されるのは
資格の「数」ではありません。
むしろ本当に必要な資格を1つに決めて、
その資格を取り巻く専門知識を
徹底的に追求するということの方が
より難しく、重要です。
(P.152、153)
資格を取れば
バラ色の世界が待っているなんて嘘です。
取得した資格をどう活かすか?
こっちのほうが100倍大切ですよね。
私の知る限りでは
資格を活かした結果、
資格がなくともできる仕事をしている人は
意外と多いんですね。
医師、弁護士、以外の資格は
どう活かすかを考えるべきです。
ただ一つだけ心掛けていることは
「5年後の自分の仕事を作る」という
思いを持ち続けて、
ちょっとしたチャレンジを続けてきたことです。
(P.171)
ここだけはキャリア論として認めます。
真理です。
過去があるから今があり、
今が未来に繋がっていく。
当たり前の話しなのに
なぜか見失いがちなのですよね。
何もしないでキャリアアップなんてあり得ません。
世界的レベルの天才でもない限りは
努力の質と量が未来を決定づけます。
シビアですけどリアルな現実です。
働きたいのに働くことができない人がいます。
働くことができていて、
安定した収入を得ているのに、
文句ばかり言って、
無いものねだりをして、
他人のチャレンジを批判している人がいます。
この国の将来は今のままでは暗いかもしれませんが、
6000万人以上の就業者が、
自助努力で悩みを解決できたら社長から表彰されるとか、
ちょっとした施策を通して
社風をガラッと変えるような動きが広がれば、
「環境」「意識」が変わり始めます。
(P.177~178)
まあ人様のことはさておき
自分の人生は自分で責任を持ちたいですね。
誰かの文句を言ったところで
自分は何も変わりません。
キャリアは自己責任です。
評価
おススメ度は ★★★☆☆ といたします。
キャリアは誰にでも語る資格があります。
それだけ個別具体的なものであるからです。
しかしキャリア本として発行するなら
それなりの質を担保して欲しいですね。
悪くない内容なのに
タイトルがズレています。
これではガッカリされる読者が
少なくないのではないでしょうか。
ビジネスライフとか
働き方、生き方、考え方のアドバイスであれば
なるほどと思えたのですけど
キャリア本だからと期待した私としては
その点がちょっと残念でした。
それでは、また…。
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