おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
読書家の皆さんは
好きな作家さんや
好きなジャンルとか
学びたい領域とか
きっとそれぞれ目的意識を持って
読む本をセレクトしているのではないかと
勝手に推察しています。
もちろん私自身もそうなのですが
時々は普段読まないジャンルに手を出して
自分に刺激を与えたり
癒しを得たりすることもありますよね。
今回はほんわかとした気分になりたく
ほのぼのした本を読みたかったのです。
今回ご紹介する書籍は、
【 星空の質問箱 】 です。
本書をピックアップした理由
『 星空の質問箱 』
谷川 俊太郎 ほぼ日 を読みました。
私の今の心境で
どの本を読むべきかと
積ん読本棚を物色していましたら
ピカピカ光って
この本を読むべきだよと
猛烈アピールしてきたのが本書です。
谷川俊太郎さんの著書は
以前に下記を読みました。
本書はこちらの続編という位置づけでしょうか?
前作はとても感じ入るところがあり
大変に満足度が高かったのです。
本作も大いに楽しみにしながら
読み始めたのでした。
目次
1 詩 「宇宙連詩」より
2 詩 「地球へのピクニック」
3 詩 「闇は光の母」
4 詩 「ありがとう」
5 詩 「二十億光年の孤独」
そして65の質問
感想
本書も谷川俊太郎さんらしさが
とても満載されていて
何だか柔らかい気分になりました。
何だろうね。
谷川さんの言葉には
戦略とか戦術がないんですよ。
そして肩肘張っている私たちに
もっと力を抜いていいんだよと
優しく諭してくれるんです。
ビジネスパーソンの皆さんや
医師、看護師などの医療従事者の皆さん、
公務員の皆さんなど
専業主婦(夫)の方々なども
すべからく毎日忙しく働いていることでしょう。
忙しいという字は
心を亡くすと書くとか
よく言われますけど
私たちは知らず知らずのうちに
心を亡くしているかもしれませんね。
世間の荒波のなかで
谷川さんは遠くから眺めている。
私たちが大波に慌てふためいている時に
きっと無事を祈ってくれている。
それは単なる場所の問題ではなく
精神性なのだと思う。
谷川さん自身も
荒波にもまれているはずなのに
そのなかでも心を落ち着かせて
何食わぬ顔して
客観的に自分と周囲を見ているのでしょう。
前述した前作も素晴らしい作品でしたが
本作も心から拍手をしたくなるほどに
とてもステキな内容でした。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
いろんな幸せを区別したいのか?
深い浅い、強い弱いの違いくらいはあるかもしれないけど、
ぼくは幸せに見本があるとは思えない。
幸せはあなたの外にあるものじゃなくて、
あなたの中に生まれる感動だから。
たとえ瞬間でも、
自分いまこの世界に存在していることに
百パーセント満足する。
それが幸せだと思う。
(P.23)
人はどうしてもないものねだりだから
自分の幸せよりも
人の幸せのほうが価値が高いと考えたりしますね。
逆も然りなんだけど
外にある幸せを欲する人ほど
今ある幸せを手放していないかな。
私自身、数多くの人と話す仕事を長くしているけど
ないものねだりをしている人で
幸せな人を見たことがないな。
今ある幸せを大切にしている人は
幸せがどんどん近づいてくる。
世俗的な幸せなんか
あっという間に去っていくし
そもそも幻想とも言えるかな。
本当の幸せって
もっとナチュラルで
柔らかな満足があるものだと思うよ。
相手の息が臭かったら、
気づかれないように横を向いて息を吸う。
相手が居丈高だったら、
笑い出さないように気をつける。
相手が超美人の女性だったら、
目をつむって話を聞く。
自分中心の話題ではなく、
相手中心の話題に会話をもっていき、
相手に興味をもっているということを分からせる。
(P.33)
人の文句ばっかり言う人が多い
現代社会だからこそ
「相手」を思いやるだけで
とてつもない価値が手に入ります。
だいたいが人の文句を言う人って
自分に原因があって
それをうっすらわかっていて
でも決して認めたくないから
文句を言うことで他責にします。
キャリアや人生が
思い通りに行かない人の
80%くらいはこのパターンです。
もっと相手のことを考えればいいのに。
もっと社会のことを考えればいいのに。
考えて、行動に移すだけで
人生は劇的に変化するんだけどね。
それでも文句を言うほうが楽だから
言えば言うほど孤立していくんだ。
自業自得なんだけど
何だか寂しいよね。
そしてもったいない。
早く気づけたらいいよね。
あなたがここに書いてきた繊細な心理に
まったく共感しない人、それが偽善者です。
人は誰でも多かれ少なかれ、
どこかで偽善者になってしまうものだと
ぼくは考えています。
自分の中の偽善的な心理をごまかさずに見つめた上で、
人にためになることをすればいいのではないでしょうか。
大切なのは行動ですから。
他人のために何かすることが、
そのまま自分のためになるのだということが
心底腑に落ちて、
自分と他人の区別が気にならなくなると、
偽善はきっと消え去るんでしょうね。
(P.67)
自分と他人の区別が気にならなくなる。
うん、わかる、そうだと思う。
いい大人になっても
自分、自分、自分って
自分のことばかり考えている人は
何にもいいことがないんだよね。
だから偽善者になるしかない。
さらにいいことがないから
もっと偽善者になる。
他人のことを考えてあげれば
人生は変わっていくのにね。
偽善者のままの自分でいいのかな。
道に落ちてるゴミでも拾ってみれば
何かが動き出していくんじゃないか?
あのね、自分の寂しさにかまけてると、
寂しさはなくならないよ。
そういうときは他人のために何かするんだ、
ボランティアでもアルバイトでも。
そうやって自分を他人とシャッフルして忙しくする。
人間てエゴイストの一面もあるし、
人のためになることが嬉しい一面もあるんだよ。
(P.83)
今だけカネだけ自分だけ。
こんな世知辛い考えを持っていると
例え、今は良くても
お金が手に入っても、
自分だけは得をしても
そんなのあっという間に嘘っぱちだということに
気づいてしまうと思うんだ。
人は喜びや幸せを分かち合うことで
2倍幸せになれるものだし、
苦しみや寂しさを分かち合うことで
半減するものなんだよね。
自分を中心に考えるのではなくてさ
自分と他者、自分と社会、
それを区別することなく
同じものだと思って活動し始めたら
大事なものに気づけるんじゃないかな。
不幸せな人って
不幸せな考え方をしているよね。
自分でどんどん不幸せな方向に進んでる。
幸せな人は真逆なんだ。
自分で自分を幸せにしてる。
それは「共生」への意識だと思うよ。
自分の角度だけではなく、
他人の角度や宇宙の角度からも、
工夫に工夫を重ねて
ああでもない、こうでもないと
書いているんじゃないでしょうか。
別の角度から書くには、
自分で自分を批評する能力が必要だと思います。
(P.113)
自分を批評する。
シビアに見れば見るほどに
自分は成長していくから
言語化能力も発達していくんじゃないかな。
だけど最近は他者を批評する人が多いし
政治家やら芸能人やら
著名人を批評する人ばっかりだよね。
そんなんじゃ思い通りに行かないことが
増えるばっかりだと思うんだけど。
いろんな角度から物を見る能力って
自分を冷静に振り返ることができて
社会を見誤らなくなるはずなんだ。
そんな人のことばかり批評していたら
そのうち誰にも相手にされなくなって
寂しさに負けてしまうんじゃないかな。
だからこそ益々人を批評するようになるんだけど
それって自分を窮地に陥らせてるよね。
最悪のスパイラルだと思うよ。
眠るの怖いですか?
ぼくは毎晩眠るのが嬉しいという
恵まれた人間なんですが、
ときどきこのまま目が覚めなくてもいいかなあ、
なんて思います。
そうなったらその先に
どんな未知の世界が
ひらけているんだろうという好奇心が
若いころからありました。
カラダは死によって消滅するけど、
タマシイは残るんじゃないかと思っていて、
喜びをあるけど、
苦しみの多い生から離脱できるのが
ちょっと楽しみな気もしているんです。
死を恐れるのは自分中心の「自我」、
でも宇宙に属する「自己」は
死も切り離せない一部だと知っていると思う。
狭苦しい自我から、
ひろびろとした自己へ出ていくのは、
簡単なことではないと思いますが。
(P.153)
はい、確かに谷川さんの魂は残っていますし
遺してくれた書籍は
きっとこれからも長く読み継がれていくと思います。
大人から子供まで
まさに老若男女がふとした時に
谷川作品を手に取ることでしょう。
きっと私自身も折に触れて
谷川さんを思い出すでしょうし、
谷川さんの言葉は
他に右に出るものがないくらいに
深くて、暖かくて、優しくて
勇気となってくれそうです。
谷川さんがお亡くなりになったと知った時は
日本社会にとっても
とても大事な人を亡くしてしまったと
かなり悲しい気持ちになりました。
ですけど谷川さんの魂は
ずっと私たちの社会を見守ってくれることでしょう。
まだ購入済みの
谷川さんの本が数冊あります。
心が弱くなった時に読もうと思います。
今まで有難うございました。
合掌。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
読み終わった後に
つい、娘に
1日1ページでいいから読んでごらんと
手渡しました。
本当に読むかどうかはわかりませんけど
娘が小さな頃には
谷川さんの絵本を何冊も読み聞かせたし、
この美しい心を娘にも感じて欲しいなと思いました。
心が病んでいる人や
荒んでいる人には
絶賛おススメしますよ。
谷川ワールドに触れることで
本当の自分を取り戻してください。
私は自分を洗濯した気分です(笑)。
それでは、また…。
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