ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

人生論

 

おはようございます。

 

医師にQOLを高めた日常を送って頂くために、

転職や開業をオーダーメードでフルサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

人生とは何か?

簡単に答えの見つかるものではありませんが、

いつまでも問い続けていかねばならないと思います。

 

本日のブログのタイトルは、

『 人生論 』といたしました。

 

医師人生転職

 

本書をピックアップした理由

『 人生論 』

トルストイ 岩波文庫 を読みました。

 

私は個人的に「哲学」を学ぶ事には

実に大きな意義があると考えています。

 

と言いながら「哲学」に興味を持ち始めたのは

20代の頃に「ソフィーの世界」を読み、

それから徐々に徐々に熱が高まってきて

30代後半くらいから

頻繁に読むようになっただけです。

 

なぜ哲学への関心が高まったかというと

人生とは何か?

人間とは何か?

社会とは何か?

こういった事に対する

答えへの道標のように思ったからです。

 

人材紹介業という

人様の人生の転機で仕事をする訳ですから

哲学を学ぶ事は

責務ではないかと考えたのです。

 

そんなこんなで哲学を学んでいくと

どうしても古典に辿り着かざるを得ません。

 

神田の古本市で見つけた本書…。

即購入し、

満を持して読み始めたのでした。

 

感想

いつものパターンですと

ここで目次をご紹介するのですが、

物凄い長い目次なので

最下部にまとめておきました。

 

私は本書を読みながら、

人生を誤ってしまった人たちは

確実に本書を読んでいないのだろうな…。

 

本書を読んでいれば

大きな過ちは犯さないだろうに…と

しみじみ思いました。

 

やはり哲学書なので難解な言い回しや

理解しにくい箇所はあるものの

私が今まで読んできた哲学書の中では

かなり心に迫る真理を語ってくれています。

 

今から130年以上も前に書かれた本だと思うと、

驚愕するとともに、

語り継いでくれた先人たちに

感謝の念を持たざるを得ません。

 

思想上の最高峰と言っても

過言ではないと思います。

 

生命、愛、理性、生活、幸福、

生存、意識、自我、死…など

人生を歩んでいく為に

必要な思想が満載であります。

 

トルストイの自問自答が

まるで自分自身の考えのように

グイグイと頭に入り込んできて、

自らの思考や論理を再構築してくれます。

 

きっと読後は

新たな自分に生まれ変われるのではないでしょうか?

 

それくらいに衝撃と斬新さを与えてくれます。

思考の重厚さ、奥深さ、

普遍性と真理が本書にはあるように思います。

 

トルストイの考えに

全面的に賛成とは言いませんが、

ここまで人生や生命について追求した哲学書

そうお目に掛かれるものではなく、

最高クラスの傑作と言っていいでしょう。

 

まあ私ごときが熱弁しなくても、

1886年にロシアで書かれた本書が

現代の日本でも読み続けられているのが

何よりの証拠ですね。

 

昨今、医療の世界でも

「医療哲学」とか、

「医学哲学」というように

医療の中でも哲学的なアプローチの必要性が

年々高まっているように感じます。

 

とはいえ中々良い哲学本とは出会わないものですが、

本書は無条件に読んでみたら?と

おススメできる良書です。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

決して万人受けするとは思いませんが

多少なりとも哲学に対して興味があったり、

自分の人生を何とか好転させたいという思いがあれば、

きっと本書は役に立つと思います。

 

最後に私が感じ入った部分を2箇所だけご紹介します。

 

真の愛はいつもその根底に個人的幸福の放棄と、

そこから生れる万人への善意を含んでいるものである。

身内であれ、他人であれ、ある特定の人々に対しても、

この共通した善意の上に立ってはじめて

真の愛が伸び育つことができるのだ。

そしてこのような愛だけが人生の真の幸福を与え、

動物的自我と理性的意識との見せかけの矛盾を

解決してくれるのである。

 

物理学は力の法則や関係については説くが、

力とはなにかということは問題にしないし、

その本質を定義しようともしない。

化学は物質の関係については説くが、

物質とはなにかということは問題にせず、

その本質を定義しようとはしない。

生物学は生命の形態については説くが、

生命とはなにかということは問題にせず、

その本質を定義しようとはしない。

そして力も、物質も、生命も

真の科学にとっては研究対象としてではなく、

科学の各部門かその上に築かれているところの

知識の他の部門から公理として

とられた礎石と見なされているのである。

 

いかがでしょうか?

きっと本書には皆さんにとって

宝物になるような言葉が数多くあると思います。

 

すでにお読みなっている方も多いでしょうが、

まだであれば是非どうぞ。

 

それでは、また…。

 

目次

第1章 人間生活の根本的矛盾

 

第2章 人生の矛盾は古代から人類によって意識されている。

    人類の啓蒙家たちはその内部的矛盾を解決する

    人生の定義を人々に啓示した。しかし偽善者や

    学者たちはそれを人々からおおいかくしている。

 

第3章 学者たちの思いちがい

 

第4章 学者たちの教義は人間の全生命という観念を

    その動物的生存という眼に見える現象に置きかえて、

    そこから人生の目的についての結論を出している。

 

第5章 パリサイ人や学者たちの偽教理は真の生活の意味も、

    生活の指針も与えてはくれず、

    いま生活の唯一の指針となっているのは、

    合理的説明の欠けた生活の惰性だけである。

 

第6章 現代世界の人々における意識の分裂

 

第7章 意識の分裂は動物生活と人間生活との混同から生じる。

 

第8章 分裂も矛盾もない。

    それはあやまった教えの場合だけに現れるにすぎない。

 

第9章 人間における真の生命の誕生

 

第10章 理性とは人間によって意識されている法則で、

    人生はそれに従って営まれなくてはならない。

 

第11章 知識のあやまれる方向

 

第12章 あやまれる知識の原因は

     事物が映る際のあやまった遠近法である。

 

第13章 対象を認識する可能性がふえるのは

     空間や時間の中で対象が現われる結果ではなくて、

     われわれの従う法則とわれわれが研究する対象の従う法則が

     一致する結果である。

 

第14章 真の人間生活は空間や時間の中で生じるものではない。

 

第15章 動物的自我の幸福を否定することこそ人間生活の法則である。

 

第16章 動物的自我は生活の道具

 

第17章 精神の誕生

 

第18章 理性的意識の求めるもの

 

第19章 理性的意識の要求を確認

 

第20章 自我の要求は理性的意識の要求とは

     相容れないもののように見える。

 

第21章 必要なのは自我の否定ではなく、

     それを理性的意識に従わせることだ。

 

第22章 愛の感情とは理性的意識にしたがう

     自我のはたらきの現われである。

 

第23章 愛の感情の発現も

     人生の意味を理解しない人々にはあり得ない。

 

第24章 真の愛は個人的幸福を否定した結果である。

 

第25章 愛は真の生命の唯一にして完全なはたらきである。

 

第26章 己れの生存をよりよいものにしたいという

     不可能をもとめる人間のあがきが、

     一つしかない真の生活の実現を奪っている。

 

第27章 死の恐怖とは人生の未解決の矛盾の意識にすぎない。

 

第28章 肉体の死は空間のうちにある肉体と時間のうちにある意識を滅ぼすが、

     生命の根源をなすものー個々の存在の世界への特定の関係ーを

     滅ぼすことはできない。

 

第29章 死の恐怖は、人々があやまった人生観によって、

     限られた人生の一小部分を人生ととりちがえることから生じる。

 

第30章 生命とは外界との関係である。

     生命の運動とは新たな、より高い関係を形づくることである。

     故に死は新たな関係に入ることである。

 

第31章 死んだ人々の生命はこの世かぎりのものではない。

 

第32章 死の迷信は、人が外界に対するそのさまざまな関係を

     混同することから生じる。

 

第33章 眼に見える生活は、

     生命の無限の運動の一部分にしかすぎない。

 

第34章 地上の生存のもろもろの苦痛に説明がつかぬことは、

     その生活が誕生に始まって死に終る個人生活ではないことを

     なによりも雄弁に人間に照明している。

 

第35章 肉体の苦痛は

     人々の生活と幸福のためのなくてはならぬ条件である。

 

 

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