ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

安岡正篤・中村天風の人望学 「男の器量」はかくあれ!

 

おはようございます。

 

毎日の読書が欠かせない

医療コンサルタントとして学び続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

外してはならない分野とか、

知らずにはおれない人物とか、

抑えておくべき考え方とか、

そういうものって必ずあると思います。

 

もちろん個々それぞれで違いはあるでしょうけど、

それこそ極論を言うと

人類共通のものとか、

そんなものもあるんじゃないでしょうか?

 

安岡正篤中村天風

学んでおくべき方だと思います。

 

このご両名は私にとっては

時々立ち戻ってくる思想家です。

久しぶりに帰ってきました。 

 

今回ご紹介する書籍は、

【 安岡正篤中村天風の人望学 「男の器量」はかくあれ! 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

安岡正篤中村天風の人望学 「男の器量」はかくあれ! 』

プレジデント社 下村 澄・清水榮一 を読みました。

 

本書も随分前に購入し、

ずっと寝かせてあったんです。

 

確か去年か一昨年の神田古本祭りで

購入した記憶があります。

 

前述したように安岡正篤さんと

中村天風さんは今まで何冊かの本を読み、

感銘を受け、また読みたいと思ってました。

 

人望学。

 

自分にもっと人望があればな…なんて事を

ふと考えて、あ、そうだ、

あの本があると急に思い出しまして

よし、今が読むタイミングだと感じて

読み始めた次第です。 

 

目次

第1章 人望力ー人気と人望、この似て非なるもの

第2章 指導力ーこれが人を集めるリーダーの条件

第3章 人間力ー上に立つ者にさえ失われた気概と勇気を取り戻す

第4章 新生力ー次の時代までを考慮しつくした人材育成法

第5章 人心掌握力ー今、この国のリーダーシップを考える

第6章 人望学ー人が惚れこむ器量と美学を学ぶ  

 

感想

うん、さすが。

とても勉強になりました。

 

開業医の先生や

開業を目指される先生は

つまらない開業本を読むより

本書を読むべきと思いますよ。

 

本書は、安岡正篤さんと

中村天風さんの思想や言葉を中心に

著者である下村澄さんと清水榮一さんが

対談するというスタイルです。

 

詳しくは書きませんが、

この下村、清水ご両名も立派な肩書を持つ方であり、

それだけでも学びになるのですが

そこに安岡正篤さんと中村天風さんを絡めていくから

非常に興味深い、とても勉強になる内容になってます。

 

特筆すべきは事例の多さです。

しかもその守備範囲は実に広い。

 

歴史、ビジネス、思想、哲学、倫理など

ひとつの考え方に対して

多様な事例を挙げてくれるので

それがわかりやすさを際立たせてくれています。

 

本書は難しくありません。

しかし本書に書かれている事を

実行しようと思えば難しいです。

 

しかしだからこそ価値がある。

いかにして人望を勝ち取るか?

 

当然、人間的な魅力を持たねばならない訳で、

どんな?という点が本書には満載です。

 

経営者は当然の事ながら

部下や後輩を持つ方々には

必読の書と言えるかもしれません。

 

私は多くの方が本書を読む事をおススメいたします。

 

それではもう少し具体的に本書の良さを知って欲しいので

恒例の私がグッと来た箇所をご紹介します。

 

各地で散見する「水五則」も人望学の教えである。

一、みずから活動して、他を動かしむるは、水なり。

一、常におのれの進路を求めてやまざるは、水なり。

一、障害にあって、激しくその勢力を百倍し得るは、水なり。

一、 みずから潔うして他の汚濁を洗い、

  清濁あわせいるる量あるは、水なり。

一、洋々として大海をみたし、発しては霧となり、

  雨雪と変じ霰と化す。 

   凍っては、玲瓏たる鏡となり、

  しかも、その性を失わざるは、水なり。

(P.6~7)

 

たとえば、人気のある人は、

やはり自分がどれだけ有名かどうかが

気になってしょうがない。

一方、人望のある人は

必ずしも知名度が高いとは限らないわけです。 

人望者というのは必ずしも有名人ではない。

人気のある人は知名度が高い。

人望のある人は、

むしろ人格面が中心になります。

(P.27) 

 

人望というものに絶対必要なのは、

尊敬と信頼です。

(中略)

つまり人徳か、損得かです。

常に人徳とは真心と思いやりで行動することだけれども、

人気のほうには自己演出という行動がついてまわる。

自分はどう見られているか。

そのために世間にどうアピールするか。

そのために、どんなことを主張するか。

人望とは自分の理念に基づいて行動するだけですから、

主張する必要はありません。

人望とはそれなりにどんな小さなことでも

真剣に生きることを考えます。

でも人気は計算、打算で生きることを考えるでしょう。

(P.29~30)

 

一、寛にして栗(寛大だが、しまりがある)

二、柔にして立(柔和だが、事が処理できる)

三、愿にして恭(真面目だが、丁寧でつっけんどんでない) 

四、乱にして敬(事を治める能力があるが、慎み深い)

五、擾にして毅(おとなしいが、内が強い)

六、直にして温(正直・率直だが、温和)

七、簡にして廉(大まかだが、しっかりしている)

八、剛にして塞(剛健だが、内側も充実している)

九、彊にして義(剛勇だが、正義をもっている)

(P.31~32)

 

今日一日 怒らず、怖れず、悲しまず、

正直親切、愉快に、力と勇気と信念をもって

自己の人生における責務を果たし

常に平和と愛とを失わざる

立派な人間として活きることを、

自分自身に厳かに誓います。

(P.46)

 

大義名分になっている目的が欠如していたら、

企業の存在理由すらないということです。

(P.68)

 

道徳を忘れた経済は罪悪である。

経済を忘れた道徳は寝言である。

(P.68)

 

十年偉大なり、

二十年おそるべし、

三十年歴史なる。

(P.81)

 

やはり腕前というものがしっかりできていないと、

統率はできないということです。

そのためには、努力をしていなければいけないんです。

(中略)

だから、いつもいつも自己向上しようとして努力することは、

本当に理想的な生き方なんです。

年齢も関係ないし、環境も関係ない。

最近は勘違いされていることも多いようですが、

努力する、頑張る、というのは

人間として与えられた素晴らしいことであるし、

とても楽しいことなんです。

(P.89)

 

例えば中国の漢が滅びゆく時に現れた

荀悦という思想家が唱えた、

国がかかる4つの大病、

「四患」というものを取り上げ、

それが今の日本には全部あると語ったのです。

この四患とは、

まず「偽」、つまり嘘が多くなること。

それから「私」、公義性を失って私事に走ること。

それに「放」、でたらめ放題、自分勝手、

ほしいままにすること。

最後に「奢」、おごることです。

(P.106)

 

少年時代には道理を学び、

青年時代には感情の抑制を身につけ、

中年時代には正義を貫く、

そのような生き方をすれば

晩年時代にはよき助言者になれる。

(P.138)

 

将帥には、

部下の行動に正しい目的を与え、

その努力を有意義にする義務がある。

(P.147)

 

新しい時代のキーワードは

品格と共生だと言われています。

この2点があるかないかが、

浮いた人気と人望の違いを

はっきり表しているのではないか、という気がします。

人気のある人はいっぱいいるけれども、

やはり人望のある人が少ないのは、

現代にこの品格と共生というものを

もっている人が少ないからだと思います。

品格と共生などというと難しいのですが、

ひと言で言ってしまえば

「徳」ということになるでしょう。

(P.196)

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

満点でも良いのですが、

やっぱり安岡正篤さんと中村天風さんの 

生の声ではないだけに、

心に訴えてくるものが

ちょっと弱いかなと感じました。

 

いや内容は素晴らしいんです。

とても勉強にもなりました。

 

でも重鎮お2人方の直接の言葉には

さすがに敵わないと思い★がひとつ欠けました。

 

日本社会が乱れ、

国力は年々下がり、

日本人の質も表層的になり、

まさに上記で紹介した

「四患」のような状態です。

 

ネット上では

バズって金さえ手に入ればOKという時代に、

私たちは何を考え、どう生きればいいのか?

 

本書にはそのヒントが満載ですし、

答えに近づく事は間違いありません。

 

特にお若い方には是非とも読んで頂きたいですし、

安岡正篤さんと中村天風さんが

20代、30代の必読書のようになれば

きっと日本社会は良くなるのだと思います。

 

私自身も人間性を磨かねば…と

人望を持たねば…と強く感じましたし、 

そのための努力を今からしていこうと

素直に思えるモチベーションが

グッと上がる良書でした。

 

それでは、また…。

 

 

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