ある読書好き医療コンサルタントの書評ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

共鳴する未来 データ革命で生み出すこれからの世界

 

おはようございます。

 

毎日の読書が欠かせない

医療コンサルタントとして学び続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

コロナが明らかにしたもの。

実に様々なものがありますよね。

 

ひとつだけ言えるのは

過去と未来は同じではない。

 

もちろん過去があるから現在があり、

現在があるから未来がある訳で

時間軸としての流れは変わらないのですが、

私たちの生活は一変し、

もしかしたら過去は戻らないのではないか?と

多くの方が考えているのではないでしょうか?

 

では未来はどうなるのか? 

そんな事を考えていたら

あ!宮田先生の本が読みたいと思い

先日購入した本書を思い出したのでした。

 

宮田先生の考える未来はどんなものか?

 

今回ご紹介する書籍は、

【 共鳴する未来 データ革命で生み出すこれからの世界 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

『 共鳴する未来 データ革命で生み出すこれからの世界 』

宮田 裕章 河出新書 を読みました。

 

上記の写真でもわかりますが、

最近メディアでもご活躍中の宮田裕章先生。

 

かなり思い切ったビジュアルですが、

それも個性でしょうか?

 

慶應義塾大学の医学部で

医療政策・管理学教室の教授であり、

専門はデータサイエンス、科学方法論。

 

インタビューなどのコメントを伺う限り、

おっしゃっている事は超真っ当。

 

こんな事を申し上げたら失礼かもしれませんが、

この外見で超真っ当なコメントを聞くと

何だか常識がくだらないものに思えてきます。

 

近い内にこの方の著書は読まねばならない。

そう感じて本書を買ったのですが、

ブックオフが御用達の私としては珍しく

Amazonで新しい本を購入しちゃいました(笑)。

 

そして冒頭に述べた通り、

今が読むべき時だと考えて

興味津々で本書を読み始めたのでした。

 

目次

序章 コロナ禍が突きつけた文明への問い

第1章 データ駆動型社会はヘルスケアから始まる

第2章 これからのデータ・ガバナンスーデータは誰のものか

 対談×山本龍彦(慶應義塾大学法科大学院教授)

 「データ共有権は、これからの基本的人権?」

第3章 多元化するデータ・エコノミー

 対談×安田洋祐(大阪大学大学院経済学研究科准教授)

 「多様な価値が共鳴する経済圏には何が必要か?」

第4章 「生きる」を再発明する

 対談×大屋雄裕慶應義塾大学法学部教授)

 「human Co-beingの時代における「人」とデータのゆくえ」

 

感想

いや~、面白い。

実に面白いのですけど、

著者はこれ以上ないくらいに

わかりやすく書いているのですけど、

これが結構難しいです。

 

内容が難しいのではなく、

これから来る未来像が想像以上である事、

宮田先生の発想が豊か過ぎて

私自身が難しく考え過ぎてしまったというのもあります。

 

もっとシンプルに楽しめたのかもしれませんが、

それでも読後の満足感は高く、

知って良かったと素直に思えました。

 

何せここ最近の宮田先生は多方面でご活躍しており、

もともと人物として興味があったんです。

 

主張しているデータ駆動社会という観点も

新型コロナウイルスが広まって以降は

期待感が高く、

一気に拡散しているように感じます。

 

地道に実績を積んできたからこその成果でしょうし、

もう少し早く学んでおけば良かったという思いを

私は持ちました。

 

プラットフォーマーと呼ばれる

GAFA等が集めた膨大なデータを

今後私たちはどう活かしていくのか?

 

これは単なるデータ管理の枠を超えて、

私たちの生活や人生にも

大きな影響を与える事は間違いがなく、

医師の人生設計や

キャリアプランを考え続けている私としては 

とても参考になりました。

 

自分自身の将来プランも含みます。

 

浅く読んでしまえば

さっと読めるほどに簡潔に書かれていますが、

その奥にある宮田先生の哲学や倫理観を想像すると

実に深みのある1冊となっています。

 

私たちは今後どんな未来を望むのか?

その答えの1つがここにはあり、

理想像やバラ色の世界を提示するだけではなく、

乗り越えるべき課題や現状分析も

実に丁寧になされており、

実現するためのロードマップも書かれている点は

どなたでも有用な情報となるのではないかと感じました。 

 

何せ私が物凄く考えながら、

むしろ難しく考え込んでしまった事もあり、 

今回は少なめですが、

恒例の私がグッと来た箇所をご紹介します。

 

したがって日本は、

SDGs的な「いのちを消さない」に留まらず、

「いのち輝く」という視点で、

新たな目標を設定することが求められます。

それはたとえば

「病気や社会的な格差があっても、

それを人生の障害と意識することがない」ことや、

「魅力的な生き方を追求する中で、

自然と健康になることができる」という視点かもしれない。

(P.141)

 

これまでの社会活動は貨幣を主軸に成り立っていました。

したがって、貨幣として交換が困難な行動は

評価がされにくい面もありました。

また社会システムも経済活動を回すということが第一になり、

人々の人生もその貢献の中で捧げられてきました。

しかしながら今後、

データにより多元的な価値を共有することができれば、

生き方のデザインを変えることができます。

私はこれを「『生きる』の再発明」と呼んでいます。

(P.154~155)

 

でも経済活動の実態を見たとき、

GDPの賞味期限が切れかかっていることもまた

一面の真実ではないでしょうか。

いまや時価総額トップの企業は、

データ企業で占められています。

このことは、モノの所有や売買という実物経済だけでは、

経済活動を説明できなくなっていることを示しています。

翻ってデータというものを考えたとき、

データは所有財というより、

共有財という性格が強い。

だとすると、データが駆動していくこれからの経済では、

所有を中心に組み立てられてきたGDPだけを

価値や豊かさを示す指標とすると

無理が生じるように思うのです。

(P.158~159)

 

データやAIの利点は、

平均値ではなく、

一人ひとりに見合った支援を提案できる点にあります。

データとAIを適切に使えば、

一人ひとりの特徴を把握したうえで、

その人にとって必要なサービスや体験を届けることができる。

ですから、これまでは

「最大多数・最大幸福」という形で

考えていた社会システムを、

「個別最適解の提供・最大幸福」のシステムに

変えていくことができる。

(P.183)

 

これまでの産業社会を動かしていた資源は、

石油をはじめとする消費財で、

有限なものです。

有限なものは取り合いになります。

そのため、所有を争うルールは、

騙し合いのような格好になりやすい。

先進国は、途上国の頭を押さえつけながら、

資源を奪ってきた歴史も忘れてはならないでしょう。

この所有を誇るための指標がGDPでした。

しかし、所有物を奪い合うようなシステムに、

人間が振り回されるような時代から、

私たちはそろそろ脱却しなければなりません。

そしてそれが可能になる条件が整いつつあります。

それが「石油からデータへ」という変化です。

データの価値は、使ってもなくなりません。

ところが信頼をなくすと根こそぎ枯れはててしまう。

所有によって競い合うところから、

いかに相互信頼のなかで

データを共有して価値をつくるかという思考が、

これからの社会には求められているのです。

所有を競う経済モデルから、

データを共有し、

新しい価値を作る社会モデルへ移行することは、

私たちの生き方にも影響を及ぼしていくでしょう。

つまり、経済合理性に貢献するために労働を捧げる人生から、

多様な価値を実現するために

「生きる」人生に転換することになるのです。

(P.201~202)

 

人生100年時代の中で、

一つの組織のみに

人生を捧げるという生き方は変わりつつあります。

これまでは資本主義の仕組みの中で、

経済合理性にいかに貢献するかという点から

我々の人生が設計され、

残りを余生として過ごすという生き方が主流を占めました。

これからは

「いかに自分らしく生きるか、

自分の大切なライフスタイルや生きがいは何か」という

一人ひとりの人生がまず先にあり、

そのうえで社会のどのような価値に貢献するのかという

順序で考えて、

生き方を選ぶ必要があります。

その意味で、真の働き方とは、

働き方だけでなく、

生き方そのものを考えるところから始まるかもしれません。

社会における新しい価値の創出や

維持という観点から、

既存の組織にとらわれず、

起業することも、

人生における有用な選択肢かもしれない。

(P.202) 

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。 

 

おそらくですが、

宮田先生は共感や支援を求めているのだと思います。

 

データ駆動社会のメリットを

多くの人が感じて、望まないと

そんな世界はやってこないでしょうから…。

 

コロナ禍となり、

世界中が混乱しています。

 

我が国でも政治は機能せず、

相も変わらず老害が蔓延り

既得権にしがみついている守旧派の力は

厳然として存在する訳です。

 

若い方々が望む世界を作るためには、

また経済的にも新しい世界を作るためには、

革命ではなく、改革、改善の積み重ねが必要なわけですね。

 

その具体的な手法を

膨大なデータを活用すれば…という

未来に向けた施策を教えてくれるのが本書であり、

賛同してくれる人を増やしたいというのが

本書の執筆理由ではないかなと想像します。

 

私自身は納得しました。

そしてこの方向で自分自身のビジネスにも

取り入れたい考え方を得る事もできました。

 

共鳴する未来というタイトル。

 

これからの未来は過去とは違い、

共鳴、共感、共存。

 

誰かを犠牲にして

のし上がるのではなく、 

そこには理解が必要になると思われます。

 

宮田先生のスタンスも、

世の中をガラリと変えるというよりも

私たち自身のために

こうしてみたらどうだろう?という

提案型なのですね。

 

その点も読んでいて心地よかったですし、

まさにこういう世の中を望んでいる人は

かなり多いのではないかと感じました。

 

対談のお三方も示唆に富む発言が多く、

大変に勉強になりました。

 

それでは、また…。

 

 

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