ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

インドの衝撃

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

世界は広い。

当たり前ですけど

私なんぞは詳しい国より

よくわかっていない国のほうが多いわけでです。

 

もともと地理は好きですし、

わりと得意な科目でした。

 

歴史は日本史専攻でしたけど

世界史もわりと好きで

そこそこは勉強してきたつもりです。

 

どうしても仕事上の知識習得が優先されたり、

自分自身の興味関心という部分では

後回しにされがちなんですけど

きっかけがあった時には

しっかり学んでおく必要があるよな…と思ってます。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 インドの衝撃 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 インドの衝撃 』

NHKスペシャル取材班 文春文庫 を読みました。

 

年明けに新聞を読んでいましたら…

 

14億人超の人口を抱えるインドは今年、
人口で中国を抜き、世界一になる見通しだ。
 
国連のデータが残る1950年代以降続いた
「中国が人口世界一」の時代は終わる。
 
国連によると、
2022年の人口は中国が14億2600万人、
インドが14億1200万人で、
23年中にインドが追い抜くと予測される。
 
50年にはインドが16億人を超え、
中国は13億人強に減る見込み。

 

こんなニュースを見ました。

 

少し前からインドの人口が中国を抜くというのは

度々取り上げられていましたが、

それが今年中には実現しそうなのですね。

 

そこでインドに興味を持ったのですが、

あ、そう言えば前に買ったような気がすると思い出して

私の積ん読本棚を探してみましたら

出てきたのが本書です。

 

もう随分前に購入したのですが

なかなか読むきっかけがなくて

たぶん5~6年くらい積ん読でした(笑)。

 

今を逃がしたら読む機会はないかも…と思い、

よし!インドを学ぶぞと

気合いを入れて読み始めたのでした。

 

目次

1 わき上がる頭脳パワー

 世界の注目を集めるインド人の頭脳

 MITより難関?超エリート大学IIT

 ネルーの夢「頭脳立国」

 頭脳を武器に成長するインド企業

 トタン屋根の予備校

 

2 十一億の消費パワー

 世界が震撼する「新中間層」の消費パワー

 MBA軍団が率いる巨大スーパーの挑戦

 地方にも波及する消費革命

 

3 台頭する政治大国

 アメリカを譲歩させた外交大国

 インドvsアメリカ核を巡る攻防

 在米インド人、水面下の活躍

 そしてアメリカは妥協した

 コットンベルトは自殺ベルト

 なぜ農村は貧しいままなのか?

 成長の足かせとなった農村

 

感想

いや~、面白い。

とても勉強になりましたし、

もっとインドのことを学びたくなりました。

 

遅まきながらインドという国に

興味を持ち始めてしまいました。

 

正直、インドと言ったって

カレー屋さんに行った時に

インド人っぽい人が店員さんがいるくらいで

別に接点なんてないんですよね。

 

最近はパキスタンとかネパールとか

カレー屋さんも多国籍ですし、

その他のインド製のものとか言われても

う~ん、何があるんだろう?

 

まあ私の認識なんて

お恥ずかしいですがこんなもんです。

 

これじゃどんな内容でも勉強にはなるんですけど、

さすがにNHKの取材班が番組制作のために

時間と手間と労力とコストを掛けて

丁寧に取材をしていますので、

その点では非常にわかりやすくまとめられていました。

 

ただ本書は2009年11月に発行されたもので

情報としてはもう10年以上前のものなんですね。

 

多少の時代のズレは致し方ないかと思ってたのですが、

それほど違和感を感じることはありませんでした。

 

おそらく方向性として

お国柄も含めてですが、

表面をなぞるだけでなく、

わりと本質にズバッと迫っているので

古さを感じずに読めたのだと思います。

 

第1章では「わき上がる頭脳パワー」として

IIT(インド工科大学)について

入学を目指す若者たちから

実際に入学した学生たち、

卒業生の就職先や動向までを

非常に丁寧に解説してくれていて

とてもワクワクしました。

 

日本で言うと

東京大学みたいなものかと思ってましたが、

優秀な理系人材を育成する国家的プロジェクトでもあり

驚くほどの熾烈な競争を乗り越えて

「超」エリートが生み出されており、

「教養」に加えて「専門性」も身につけた人材が

次から次へと現れて

卒業後、アメリカの大企業などで活躍しているのですから

国家の教育としては大成功と言えるのかもしれません。

 

一流大学+高等専門学校のような位置づけでしょうか。

我が国の教育においても見習うべき点があるように感じました。

 

第2章は「十一億の消費パワー」として

急激に増え続ける中間層と

その消費動向について書かれています。

 

我が国で言えば

戦後の高度経済成長期に近いでしょうか?

 

1955年~1973年までの19年間といわれてますので

これに照らし合わせると

インドは1960年代に突入した頃でしょうかね。

 

とはいえ当時とはテクノロジーが段違いですし、

むしろ今の時代に高度経済成長するというのは

断然ダイナミックな印象を持ちました。

 

この頃の日本の人口を調べてみましたら

9000万人台に乗って

徐々に増えて1億人を突破する頃でしたので、

やはり人口増と経済成長は

比例していくことが多そうです。

 

インドはまだまだ人口が増えていきそうなので

それに伴い経済成長もまだまだ期待ができそうです。

 

ただ何ごとにも「光」と「影」があるもので

第3章では「台頭する政治大国」として

まずはインドの政治的な動き、

特に核実験からアメリカとの確執、

その後の和解までの推移は実に興味深かったです。

 

日本外交とは比較にならないほどの

「したたかさ」と変わらぬ「決意」を感じました。

 

外交ってこうあるべきだよな…と

若干羨ましく思うところもありましたが、

インドの課題という意味では

その後に書かれていた二極化の問題、

いわゆる貧富の差であり、

貧困の問題なのでしょう。

 

最新のビルのすぐ横に

スラム街のような一角が残り、

おそらく衛生面や街の美化としては

まだまだ問題が大きいと言わざるを得ないでしょう。

 

またもともと多民族国家

宗教も言語も多数あり、

カースト制の名残りも残っているようですので

潜在的に難しい対応を取らざるを得ず、

今後、内政面にどう取り組むか?

ここはインドが超大国になっていくためには

避けて通れない難題なのかもしれません。

 

どこの国でも

上手く行ってるところと

課題が山積みで上手く行かないところ、

両方を持ち合わせながら

少しずつ改善を目指して奮闘しているのでしょうけど

インドのように、また中国などもそうでしょうが

経済発展があれば解決への糸口は見つかりやすいのでしょう。

 

お金で解決できる部分もあるでしょうし、

何より社会に希望がありますから

国民も一丸となって取り組んで行けるとも思います。

 

その一方で我が国のように

すでに経済発展を終えてしまい、

右肩下がりの経済状況で

給料は上がらず、社会不安は増すばかりで

みなが疑心暗鬼になって

犯罪も多発しているようでは、

そりゃ希望なんて持てませんし、

問題を解決するどころか、

問題は大きくなるばかりですよね。

 

ましてインドの政治家のように

アメリカや世界を相手に丁々発止のやり取りができる

そんな政治家など日本には皆無であり、

政権維持、権力保持、

自分たちのことしか考えてませんし、

効果のないバラマキを実施し

財源が足りなくなればすぐ増税するような

短絡的な思考しか持たない政治家ばかりでは

そりゃ国力は下がる一方でしょうね。

 

立法、行政、司法という三権が

分立するのではなく、

そこに財界が加わって

四権が守旧派という勢力を作り、

既得権を死守するようなことばかりしているのですから

日本が没落していくのは目に見えます。

 

エリートが国を壊していますね。

 

それと比較すれば

様々な課題があるとはいえ

インドの未来には希望が持てますし、

多くの方々が国の成長を支える志を持っており、

その点は非常に羨ましく思います。

 

えっと…

ちょっと話しがズレましたけど、

インドというと発展途上国であるという

イメージで止まっている日本人は多いかもしれません。

 

ですが、そんな古いイメージは

もう一新しないといけませんね。

 

そして本書が発行された後の

この10数年の間に

きっとさらなる発展を遂げていることでしょう。

 

フラット化した世界では、

アメリカ人の仕事、日本人の仕事などというものはありません。

仕事は誰のものでもなく、

最も生産性が高く、最も優秀でいい結果を出せ、

そして最も賃金の安い担い手のところにいくことになります。

“フラットな世界では”

誰かが代わりにできる仕事”と

“誰にも代わりのできない仕事の二つしかありません”。

(P.94)

 

日本国内のことばかり見ていては

世界のダイナミックな動きについていけなくなります。

 

私たちはインドから学ばねばならないところが

いつの間にか物凄く増えてしまったのだと感じます。

良い勉強になりました。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

満点でも全然いいくらいの内容なんですけど

最新情報ではない点が減点理由です。

 

ま、これは本書の問題ではなく、

私自身がタイムリーに読まなかったので

私の責任です。

 

でも、世界最大の人口を抱えるインドという国に対して

興味を持たせてくれたという意味では

とても感謝しています。

 

私が読書に目覚めたのは

18才とか、19才くらいでした。

 

それまでも全然読まないというタイプではなかったのですが

本格的に読書が好きです、

趣味は読書ですと言えるようになったのは

大学生になってからなのです。

 

それから週に1冊は読むという方針を掲げて

35年くらいが経つのですね。

 

年間で約52週ありますから

毎年50冊~60冊、多いと70冊くらいの本を

ずっと読み続けてきました。

 

世の中には私以上の読書家の方も多いでしょうから

別に自慢もできないのですが、

それなりには勉強してきたと我ながら思うのです。

 

ところがですね、

何かを知れば、新たな知らないことが出てくる。

まさに無知の知という奴です。

 

ホント勉強に終わりはないですし、

だからこそ謙虚でいれるとも言えるのでしょう。

 

今回のように

インドという新たな興味が持てると

勉強意欲が増すばかりです。

 

この世は

知りたいことが多すぎます(笑)。

 

それでは、また…。

 

 

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