ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

小説 徳川秀忠

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

企業などでもそうですが、

初代が創り、

2代目で傾き

3代目で潰すなどと言われます。

 

おそらくこんなケースは多いのだろうと想像しますが

少なくとも徳川家は15代も続いたわけですし、

日本では100年以上続いている老舗企業が

世界一多いとも言われますね。

 

と言うことはですよ、

続くか、続かないかは

2代目、3代目次第ということですよね。

 

それなら2代目を学ぼうと思い

ピックアップしたのがこちらです。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 小説 徳川秀忠 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 小説 徳川秀忠

童門 冬二 人物文庫 を読みました。

 

定期的に読みたくなる人物文庫シリーズです。

歴史上の主人公たる著名な方々は

かなり読んできました。

 

ka162701.hatenablog.com

 

最近はちょっとマイナーな方に興味があります。

 

今回は徳川秀忠です。

徳川2代将軍として

立派に3代目の家光にバトンを渡しましたが、

よ~く考えてみると

あまり知っていることは少ないかもしれないと考えて

よし、秀忠を学ぼうと思い

楽しみにしながら手に取ったのでした。

 

目次

幕府二元政治の宣告

関ヶ原謀略戦

二代目将軍としての資質と実績

凄まじい派閥争い

春風、実は非情な木枯らし

和子入内と紫衣事件

三代目のために側近を道連れ

あとがき

 

感想

率直に言って面白かったです。

とても勉強にもなりました。

 

どうしても秀忠って

人の良さばかりが目立ってしまって

肝心の関ケ原の戦いには遅れて間に合わないとか、

大坂の陣でも

すでに将軍になっていたにも関わらず

指揮権は高齢の家康が取りましたし、

何となく弱々しいイメージが付いてますよね。

 

本書を読んでいても

前半は秀忠というより家康の話しばかりですし、

後半は家光の話しが多くなります。

 

他にも本多正信・正純親子であったり、

大久保忠隣などの家臣であったり、

福島正則などの外様大名のほうが

意外と目立っていたりもするんです。

 

しかし結果的に申し上げれば

創業社長である強くて賢くて忍耐力のある家康と

生まれながらの将軍としての力強さのある家光の間には

秀忠で良かったのだろうなと思えました。

 

当時、候補に挙がっていた兄である結城秀康

弟である松平忠吉と比較して、

差し障りがなかったというところもあり、

また家康の引退を考えると

ちょうど年齢的に良かったというのもあるかもしれません。

 

家康が家臣たちに後継者を誰にすべきか聞いた時も

秀康、秀忠、忠吉に割れてしまい、

確固たる理由はなかったと言えます。

 

最終的には家康が決断を下したわけですけど

どちらかと言えば消去法だったかもしれません。

 

でも良く良く考えてみれば

最強の初代と

生まれ変わりのように強い3代に挟まれているのですから

むしろ2代めも強かったら

いろいろ軋轢もあったんじゃないかと思います。

 

人間の精神も

ずっと張りっ放しでは疲れてしまいますし、

弓なども多少の緩みがあったほうが

丈夫で長持ちするとも言われます。

 

秀忠という人は

父親である家康には従順すぎるほとでしたし、

奥さんであるお江にも頭が上がらなかったそうです。

 

いや、本当は反発したり、

この時代ですからお江に対しても

ガツンと言いたかったんだとは思うんです。

 

でも、これが秀忠らしさであり、

そのらしさこそが

家康と家光を活かすことに繋がった気がします。

 

初代の強さを2代めが中和し、

3代めのために強い家臣たちを離しておく。

 

これはこれで2代めとしての役割を

立派に果たしたと言えるのかもしれませんね。

 

もしかしたら家康、家光でなければ

秀忠ではないほうが良かったかもしれませんけど、

現実的に家康、家光だったわけですから

もしかしたら秀忠という人は

巷言われているよりも数段賢い人で

それを理解して演じていたとも言えるでしょうか。

 

本書を読んでいると

そう感じるところもしばしばでした。

 

特に立花宗茂復権させるあたりや

家光がやりにくくないように

自分に従順な側近たちを道連れにするあたりは

この人、そんなに弱くない、甘くないということを

ヒシヒシと感じさせられました。

 

徳川将軍と言えば、

家康、家光、綱吉、吉宗、

そして慶喜あたりの名が知れていて、

秀忠は埋もれてしまっているような感じですが、

ひょっとしたら秀忠がいたからこそ

15代まで続いたと言えそうな気もします。

 

もし家康がそれをわかっていたならば

この人の凄さは末恐ろしいと言えますけど、

その点はいかがでしょうね?

 

少なくとも秀忠は

家康の志を受け継いで

家光にブレずに届けたことは間違いありませんし、

事実、家光の時代には

豊臣家は滅ぼされ、

徳川に歯向かう勢力はほとんど存在しませんでした。

 

内部的にも家臣を使い分けて

家光に逆らうような側近は遺しませんでした。

土井利勝だけが例外ですね。

 

だからこそ家光は思い切った手を打てたとも言え、

そう考えると秀忠の優秀さ足るや

これまた物凄いものだとも感じられます。

 

徳川秀忠

もしかしたら学ぶべき人として

もっと注目を浴びていい名君なのかもしれません。

 

想像力をたくましくしながら本書を読むと

権力、組織の維持のコツが手に入りそうです。

 

賢者は歴史に学ぶと言いますけど

徳川秀忠という人を知ることは

これからのサバイバルに有効かもしれませんよ。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

正直に言うと

そんなに期待はしていませんでした。

 

家康や家光をもっと深く知るためには

秀忠も勉強しておかないとね…くらいだったんです。

 

しかし読み進めていくなかで

どんどん興味が湧いてきて

面白さがひと塩となっていきました。

 

そして考えれば考えるほどに

秀忠の生き方から学ぶところは

現代社会においても凄く大きいように感じましたし、

家康を目指せと言っても

そんなに簡単なことではありませんけど、

秀忠を目指すならば

それほど難しいことではないかもしれません。

 

大変に失礼ながら…ですけど。

でも、秀忠の素晴らしい点を知ることはできましたけど

それはやっぱり家康あってこそですし、

家光が後継者として存在していたからでもあるのですね。

 

信長、秀吉、家康という

三傑の仲間入りはできないけど、

支えとして立派に生きたことは間違いありません。

 

むしろ平凡な私のような人間は

秀忠からのほうが学ぶことが多いように感じました。

 

それでは、また…。

 

 

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