ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

アフターコロナの生存戦略 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私たちを悩ませ続けてきたコロナですが、

まだ感染者は増えたり減ったりを繰り返していますが、

重傷者はそれほど多くなく、

医療現場を除けば

だいぶ落ち着いてきたと言えるでしょうか。

 

すでに何年も前から

アフターコロナという言葉は

先行して使われてきましたが、

ようやく本格的に考えてもいいのかな?という

フェーズに来たのではないでしょうか。

 

もちろん油断大敵ではあるでしょうが、

これからどうする?

どんな生存戦略を考える?と

少しは前向きに考えてもいい段階だと思います。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 アフターコロナの生存戦略

 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 アフターコロナの生存戦略

 不安定な情勢でも自由に遊び存分に稼ぐための新コンセプト 』

成毛 眞 KADOKAWA を読みました。

 

しばらく成毛さんの著書を読んでいないかな?と感じて

積ん読本棚の在庫をチェックしましたら

ちょうど良い本を見つけました。

 

そろそろアフターコロナも本格化しそうですし、

いいんじゃね?と気軽に考えて読み始めました。

 

ただ今年の3月には成毛さんの著書を読んでいますので

そんな中毒症状が出るほどに

ご無沙汰という感じではなかったです(笑)。

 

ka162701.hatenablog.com

 

まあでも成毛さんの主張は

いつも勉強になりますので、

さあ今回も!といつもの如く

期待感が満載で読み始めました。

 

目次

はじめに あらゆる場所で起こる変化に吉兆を見よ

 

第1章 アフターコロナのビジネス未来図

    ―今後を見通す「ピンポイント視点」とは

 

第2章 日本と世界のリスクを見渡す

    ―天災、戦争、人口、経済

 

第3章 これからの働き方

    ―稼ぐのは大事だが、おもしろくなければ意味がない

 

第4章 情報社会で生き残る条件

    ―いい人脈はタダでは手に入らない

 

第5章 これからの遊び方、お金の使い方

    ―「遊べる大人」は強い

 

終章 日本の活路―GAFA研究や英語学習より大切なこと

 

感想

えっと、本音ベースで話しをしますと

あまりにもスラスラ読めてしまって、

あれ?もう終わりなの?という感じです。

 

いつもなら何度も読み返す箇所があったり、

う~んと唸りながら考えさせられるところがあるはずなのに

いつの間にか読み終えてしまった感じです。

 

これはどうでしょうか?

成毛さんの他の著書と比べると

少し軽いタッチなのかな?と考えてしまいました。

 

そりゃいろんな本があっていいのですけど

個人的には多少なりとも物足りない感があったのは事実です。

 

でも何だかんだと勉強になったところもありますので

恒例の私がグッと来た箇所をご紹介いたします。

 

あなたがいる業界がどこにしろ、

定年まで間違いなく安泰といいきれる

業界などない。

それに人生100年時代にあって、

仮に業界や企業が安泰でも、

定年後も生きていかなければいけない。

生きるために稼ぐ力も必要だ。

そのときに、いま就いている職業以外の

「プラスアルファ」があるかどうかは

運命を大きく左右しうる。

(P.46~47)

 

まあ普通に考えて

その通りと言わざるを得ませんよね。

 

どこかに安泰の業界はないか?

多額の資金があればやり過ごせるのではないか?

 

そう考えるのもいいですが、

私はやっぱり「稼ぐ力」が肝心要ではないかと思います。

 

そして「ハイブリッドに稼ぐ力」があれば

鬼に金棒ではないでしょうか?

 

たとえば「情弱」という言葉が流行して久しいが、

老若男女、情報というものに対して意識的でなければ、

すぐに個人情報を持っていかれることにもなる。

国には悪いが、コロナに関するアプリなど、

公的なソフトはできるだけ入れないほうがいいと

私は思っている。

(P.87)

 

日本自体が情弱ですから

これはもういかんともしがたいですよね…。

 

個人情報と言っても

すでにかなりの情報が洩れていると思われ、

厳罰で対処しない限りは

いつ、何に使われるかわかりません。

 

まずは自分は、この国は、

情弱であると素直に認識してから

その上での対策となるでしょうか。

 

私の経験上、

転職というのは、

気軽な気持ちでやったほうが成功するからだ。

逆に慎重の上にも慎重を重ねて転職すると、

たいてい失敗する。

理由は簡単で、

転職先への期待ばかりが膨らみ、

「転職すれば、こんな生活が待っている」

「今より格段によい環境で働ける」とか

ありもしないことを想像してしまうのだ。

(P.104)

 

転職に関しては

誠に恐縮ではありますが、

成毛さんより私の方がずっと専門家です。

 

成毛さんのおっしゃることにも一理ありますが、

逆に言うと一理しかありません。

 

あくまでも前提条件が付くのです。

 

転職活動をスタートする前に

どれだけ自分のキャリアについて考えたのか?

キャリアプランは見えているか?

社会情勢を冷静に捉えているか?

自分の将来設計を熟慮したいのか?

中長期的な視点は持てているか?

 

このようなプロセスを経た上であれば

気軽な気持ちでいいでしょう。

いや気軽な気持ちになれるでしょう。

 

このプロセスを経なければ

いくら気軽でいいんだよと言われても

そう簡単に気軽にはなれないと思うのです。

 

原因と結果の問題ですよね。

 

こんな人生を送ったからこそ、

転職は気軽に、

あとは運任せと自信を持っていえるのだ。

あれこれ考えて何もしないより、

動いたほうがいい。

(P.107)

 

う~ん、これもちょっと無責任ですね。

転職の専門家に言わせれば

半分合っていて、半分は誤りです。

 

前述したように

転職活動の前に熟慮をして、

自分の中で確固たる方針が持てる状態ならば

あとは運任せと言っていいでしょう。

 

でもそれを抜きにして運任せでは

あんまり上手く行かないと思うんですね。

 

最終的には、

えいや!で突っ込んでいくしかありませんが、

万が一、想定外のことが入社後に起こっても

自分で決めたのだから目的を達成するまでは

石にかじりついてでも頑張る…と思えないなら

その転職は失敗と言わざるを得ません。

 

自分の中での納得感や自己実現を抜きにして

動けばいいんだと運任せでは

成功確率は格段に低く成りますよ。

 

誰もが成毛さんのような心持ちと

運と実力を持っているわけではないのですから。

 

経営者というのは、

一度始めたからには儲かるかどうかわからないけど、

しょうがないからやっている。

他にやることはないし、

もう会社を創っているのだから、

途中で止めると損しか残らない。

だからやり続けるだけだ。

そしてその中で、

大半の会社は当初のビジネスであるプランAではなく、

仕方なく途中で始めたプランBで成功している。

それもプランAがダメなら

プランBで勝負するという美しいストーリーではなく、

プランBというのは半ば強制的に起こるしかない。

プランBがなければ、倒産してしまうからだ。

(P.130)

 

う~ん、ここもどうでしょうか?

確かにおっしゃる通りの会社もあるとは思います。

 

でも大半か?と問われれば

それはNOではないですかね?

 

もっと経営に美学を持って、

知恵と工夫でプランAで成功している会社もありますし、

嫌々やってる社長ばかりだったら

社員は誰も付いていかないんじゃないでしょうか?

 

成毛さんのおっしゃることが

間違いであるということではなく、

ある一面をフォーカスし過ぎていると

私には感じられてしまいました。

 

SNSの盲点は、

消費者、一般大衆の話しか出てこないことだ。

そして、消費者が消費者の話を聞いて納得しているだけで、

そこには専門家の視点が欠如することになる。

(P.160~161)

 

これはわかるような気がします。

facebookにしても、twitterにしても、

専門家の方だってアカウントを持って活動していますが、

圧倒的に消費者、一般大衆のほうが多いのですから

埋もれてしまうのは間違いありません。

 

とはいえ専門家中心のSNSでは

ソーシャルとは言えなくなりますので

面白味も半減でしょうか?

 

この意見は面白いけれど

エビデンスは書かれておらず、

専門家のフィルターは通っていないということを

私たちは冷静に理解しておかねばならないのでしょうね。

 

多くの人の合理的な自己防衛行動の合成が、

結果的に事態を収束させることになるからだということは、

私がいうまでもなく、日本人はみな、

それを実行してきた。

日本人は、

「社会的全体最適」を無意識に体得しているのだ。

しかし、この日本人の特質は

「ミクロの競争」を排除することになる。

大企業では社畜が生まれ、

ユニコーンが生まれない理由はここにある。

(P.214)

 

そうだよな、その通りだよなと

素直に思ってしまうんですけど、

この日本人の特性に合わせた

最適な暮らしというのもあると思うんですよね。

 

当然、経済的な繁栄は少なからず必要ですけど、

何もグローバリズムに勝ち抜いて

世界に冠たる最強の経済大国ではなくてもいいんじゃないでしょうか?

 

せっかく世界に誇れるほどの

「社会的全体最適」という長所を持っていて

コロナ禍では有利に働きました。

 

日露戦争でロシアに勝ち、

大東亜戦争でも当初は大国アメリカに

手痛い一撃を加えたわけです。

 

それはアジアの国々に勇気を与えました。

しかし結果的にはひどい敗戦に繋がったのですね。

 

これ、私は相手の土俵で

戦ったからじゃないかと思います。

 

こっちの土俵で戦うべきなのです。

 

だからグローバリズムではない

アジア特有の、日本固有の土俵を見つけて、

欧米のロジックから

敢えて外れるのも必要かもしれない…と

そんなことを考えました。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

今まで読んできた成毛さんの著書と比較すると

重みがないというか

スラスラと読めてしまって

お!とか、うむ!とか、なるほど!と

唸るところが少ないように感じました。

 

もちろん前述したように

よい勉強になったところもありますので、

読んで後悔なんて話しではないのですが、

ちょっと期待が大きすぎたでしょうか?

 

若干タイトル負けのように感じましたが、

成毛さんの考え方は好きなので

次作に期待します。

 

それでは、また…。

 

 

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