ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

北条 氏康

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

大きな流れというものが

私たちの人生にはあるでしょうか?

 

これが大きければ大きいほど

個人で抗えるものではないですよね。

 

でも思うように何かを成し遂げようと思えば

無理を承知で抗わねばならないこともあります。

 

時代の流れ、社会の流れ、

わかっちゃいるけど

そうじゃない方向に進んでいきたい。

 

どうすればいいか?

自分なりに抵抗してみたけれども

強固な壁に弾き返されてしまう。

 

諦めるか?

違う手法で再度挑むか?

 

ちょっと抽象的な物言いになってますけど

どなたにもこんな経験はあるんじゃないでしょうか?

 

さて、どうする?

こういう時って

だいたい歴史にヒントがあったりしませんか?

 

賢者は歴史に学び

愚者は自らの経験に学ぶ。

 

やはり歴史から学んで

ヒントや着想を得て

その上で戦いに挑んでいきたいですね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 北条 氏康 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 北条 氏康 』

永岡 慶之助 人物文庫 を読みました。

 

後北条と言われる

小田原北条家の3代藩主。

 

初代の北条早雲があまりにも有名であり、

その後は豊臣秀吉の小田原攻めの際に

後に小田原評定なんて言葉ができるほどに

4代氏政、5代氏直が優柔不断で

名を上げた?下げた?ことで有名でしょうか。

 

でも北条家の統治は

民から厚い支持を受けており

後に徳川家康が江戸に移封された際には

北条家の遺産を有効活用できたとも聞きます。

 

確かに北条早雲

創業社長みたいなものですから

破天荒であったり

イデアマンであったり

策略家でもあったわけですが、

2代め、3代めが無能だと

家名は廃れていくわけですよね。

 

北条家の場合は

2代氏綱、3代氏康がキーだったのでしょうか?

 

実は娘が小さい時に

小田原城に行って

一緒に城内の博物館のような案内を

しっかり見てきたことがあったのですが、

さすがにもう覚えていません。

 

これはいかんという気持ちがあり、

本書の存在を知った時には

お、これは面白そうと思い即購入しました。

 

しばらく積ん読になっていたのですが

そろそろ人物文庫を読みたいぞという

タイミングが来た際に

本書がピカピカ光っていましたので

楽しみに読み始めたのでした。

 

目次

・十六歳向疵

・祖父の影

・二大氏綱

・三代目帝王学

・非情友情

・鴻台合戦

・三代氏康

・戦乱導火線

河越夜戦

・小田原繁盛記

・小里屋敷

・敗戦後遺症

管領逃亡

・関東乱気流

三国同盟余波

・思惑三態

・疑惑と希望

・新しき潮流

・氏康籠城

・英雄たちの神話

・北武蔵の華

・飛ばっ散り

・不死鳥の逆襲

・熱き執念

・餓狼の構図

・氏康の溜息

・三郎争奪戦

・危機突破

・ある迷路

・最期の決断

・うねる潮流

・都忘れ草

・あとがき

 

感想

生涯三十六回の戦陣において

自ら白刃を振るい敵陣へ突進。

 

刀槍の傷七ヶ所、

面上に刀痕二筋を刻む。

 

ために世人、向疵をさして

「氏康疵」と称した…。

 

剛胆にして冷静沈着。

智略を駆使して関東の激闘を制し、

武田信玄上杉謙信をも退け、

民衆を愛し、善政を行った

稀代の名将北条氏康の雄渾なる生涯を描いた

傑作長編小説。

 

これが出版社の本書の紹介文ですが

本当に面白かったですし、

北条氏康という人物は

大変に魅力的な人であることがよくわかりました。

 

ちょうど織田信長が中央に出てくる前、

まだ群雄割拠の時代ですから

争いは絶えず

いつ殺されてもおかしくない状況の中で

まさに命を懸けた

生き残り戦略が問われていたわけですね。

 

周囲は今川、武田、上杉と

誰もが知る強力な武将たちがひしめく中で

いかに北条家は生き残ってきたか。

 

この辺りは非常に読み甲斐がありましたし、

物語としても実に楽しめました。

 

それともうひとつ…

日本の歴史って

基本的には京都を中心に語られることが多く、

それは長く都だったわけですから

当然のことだと思いますが、

それだと東北生まれの関東育ち、

東京に長く住んでいる私としては

地名は知っていても

そこに想像力が働かないのですよね。

 

ところがですね

本書に出てくるのは

ほぼ関東圏の地名であり、

ああ、あそこね、とだいたい知っていて

周辺事情も想像できるし

街並みすら

頭に浮かんでくるところも多かったのです。

 

これは有難いというか

歴史を深く知るためには

地理的な知識や経験値も不可欠なのだなと

しみじみ思いましたね。

 

正直、京都という街は

私は好きなので

何度も行ってみたいとは思うものの

今のところ

中学、高校の修学旅行で2回、

社会人になってから1回、

あとは仕事で乗り換えたとか通過したとか

その程度しか知らないので

全然知識として、実体験として

刻み込まれていないのですよね。

 

ただの観光ベースです。

 

小田原の街なんて

それこそ十数回は行っているし、

お城も数回登っているし

仕事でも何度も訪れているので

実感が湧くのですよね。

 

そう言えば山口県萩市

鹿児島県に旅行に行ったのは

長州と薩摩が好きなので

歴史探索をしに行ったようなものでした。

 

やはり現地に足を運ぶというのは大事ですね。

小田原にもまた行きたくなりました。

 

えっと話しがズレました。

北条氏康です。

 

この方は本当に文武両道で

大変に優秀な人だったようです。

 

氏康の子であり家督を継いだ氏政が

秀吉の小田原攻めで

何ら有効な対策を打ち出せなかったわけで

もし氏康が存命だったら

どう対処したのかとワクワクしつつ

残念に思います。

 

ただその氏康には

民を思う気持ちが強く、

また家臣たちを非常に大切にして

多くの人に慕われていたという事実は

見過ごしてはいけないでしょう。

 

いくら優秀な人でも

孤立して、支えとなる人がいなければ

大したことは成し遂げられません。

 

多くの人が氏康のために

命を投げ打ってくれたから

氏康は後北条「中興の祖」のような

結果を残すことができたのでしょう。

 

私自身も見習いたいところです。

 

しかし北条氏康が亡くなったのが57歳。

武田信玄は53歳、上杉謙信は49歳、

織田信長は49歳だし

豊臣秀吉は62歳、

徳川家康は75歳。

 

長く生きるというのは

何かを成し遂げるためには必須であり、

裏を返せば死ななかったから

何かを成し遂げることができたとも言え、

生きるってすべての根幹なんだなぁと

ごく当たり前のことではありますが

深く考えさせられました。

 

これを書いている今、

私は55歳であって

いつ死んでもおかしくない。

 

そう考えると

1日1日を本当に大事にしなきゃ…と

変にしみじみしてしまいました。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

しかしこの人物文庫シリーズ。

私自身、今まで何十冊と読んできましたが

傑作ばかりで有難い限りです。

 

世の中には歴史嫌いの人って

意外と多いじゃないですか?

 

それは学校の授業にあると思うんですね。

年表や人物、出来事を暗記しなければならない。

 

そんなのは歴史を学ぶにあたって

それほど必要性の高いものではないし、

大人になってからの歴史の学びには

ほとんど関係はありません。

 

もし歴史の授業を

人物文庫シリーズの本を使って行ったら

歴史好きはもっと増えるのではないでしょうか?

 

そんなことをつい考えてしまいましたが

北条氏康…詳しく知ることができて良かったです。

 

あくまでも歴史小説ですので

学問的ではありませんけど、

流れと人物像を知っただけでも

大きな価値があるのではないかと思います。

 

今後の自分の生き方にも

いい意味で参考にいたします。

 

それでは、また…。

 

 

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