ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

医療格差の時代

 

おはようございます。

 

医師の転職、開業の情報提供をしている

医師転職相談センターの運営企業、

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

「医療格差の時代」

米山公啓 を読みました。

 

医師キャリア情報

 

国民皆保険制度は

日本が世界に誇るシステムだと思います。

 

そして過去、それは素晴らしく機能して、

我々患者側にも

「いつでも」「どこでも」「安価に」

診療して貰えるという

大きなメリットを提供してくれました。

 

しかし、それは良くも悪くも崩れつつあります。

 

これは医療者の責任ではありません。

むしろ、医療者が身を粉にして

働いてくれているから

何とかかんとか保てているという状態です。

 

私は、最大の責任は

厚生労働省にあると考えていますが、

実は我々患者側にも責任はあります。

 

救急車をタクシー変わりに使うような輩や、

医師が不要だと言っているのに

安心が欲しいが為に無理に薬の提供を

受けようとする輩や、

日中は混んでいるからと

夜間に救急で診て貰う輩、

あまりにも軽度な症状でも

病院に行く輩などなどです。

 

その他にも、

医療訴訟の問題や

モンスターペイシェントの問題など

このままの医療制度では、

今まで享受できた医療が受けられなくなる

可能性も高いのではないかと思います。

 

もちろん医療機関側や医療者側にも

改善すべき点はあるかと思いますが、

本当に早急に手を打たねばならない問題だと思います。

 

この本の最終章に、

「医療が生き残る為の方策」というのが

書かれていますので、紹介します。

 

① 絶対的な健康を求めない。

② 本当に無駄な医療はやめる。

③ 臨床医と研究者を明確にわける。

④ 医者の派遣、配置は第三者機関で決定する。

⑤ 医学部教授選挙を第三者評価機関で行う。

⑥ 開業医の総量規制をする。

 

どれも頷かされるものばかりです。

 

我々、患者サイドとしては、

①絶対的な健康を求めない。

この項目が重要かと思います。

 

人間の身体には

まだ解明されていない部分が

たくさんあります。

 

にも関わらず、

病院に行けば全て治るとか、

手術をすれば完治するなどの

考えを持っている人は多いと思います。

 

過度な医療への期待が

医療現場を混乱させている部分は多いかと思います。

 

最良の医療費削減策は、

我々1人1人が病気にならないように

普段の生活を見直し、

予防をする事だと思うのです。

 

もちろん高齢者の方々や子供達は、

どうしても病気になる事が多いでしょう。

 

ならば我々成人が健康で、

病気にならないようにせねばなりません。

 

まあ、「言うは易き行うは難し」

だと思いますが、

そういう心掛けが必要ではないかと思います。

 

ちなみに個人的には

③臨床医と研究者をわける、ってのが

必要かと思いますが、

医療者の皆様のご意見はいかがでしょうか?

 

ここは私自身ももう少し

勉強したいと考えています。

 

最後にこの本の目次をご紹介します。

 

第1章 特定健診なんかいらない

第2章 平等医療の崩壊

第3章 なぜ製薬会社だけが儲かるのか

第4章 変わりはじめた医療現場

第5章 追い出される患者たち

第6章 医者の収入格差

第7章 開業医の厳しい現状

第8章 日本の医療に明日はないのか

 

今まで通りに、

病気になったら病院に行く。

 

この当たり前と思っていることが、

当たり前でなくなるかもしれません。

 

この本の中にも、

「いまの日本の医療の仕組みには

 多くの問題があることは事実だ。

 改善しなければいけないことも多い。

 しかし、医療崩壊の原因の一端は、

 医療を受ける患者側にもあるはずだ。

 そのことが指摘されないのはおかしいと思うが、

 メディアは決してそんな視点は持てない。

 だから、いつまでたっても医者と病院は

 悪者のままにされてしまうのだ。

 こうした傾向は、

 今の医療が完全に機能不全に陥らない限り続くだろう。

 医療の現状を冷静に見て、中立の立場で、

 将来を考えて主張をできる人が

 ほとんどいないのが問題なのだ。」

とあります。

 

私は、医療者ではありませんし、

政策立案にも全く携わらない1人のド素人です。

 

ただ、仕事柄医療者と話す事があって、

その中で日本の医療制度について関心を持ち、

多少勉強するようになっただけです。

 

私はイチ国民として、

医療や介護といった社会保障にこそ

我々の血税を注ぎ込むべきだと考えています。

 

そうしないと、

要はお金がないと医療を受けられないという

不平等な形ができあがってしまいます。

そうせざるを得ないのです。

財源がないのですから。

 

復興や原発処理が第一、第二は社会保障

そう国には考えて欲しいです。

 

使わないハコモノを建てたり、

訳のわからない組織を立ち上げて、

無駄なお金を使うのはもう止めましょうよ。

 

今までのように

余力はないのだから…。

 

それでは、また…。

 

 

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