ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

わしの眼は十年先が見える -大原孫三郎の生涯-

 

おはようございます。

 

転職を検討している医師・看護師に

求人しか提供できない紹介会社とは一線を課し、

相談から条件交渉まで一貫してサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

「わしの眼は十年先が見える

 -大原孫三郎の生涯-」

城山三郎 新潮文庫 を読みました。

 

医師キャリア10年先

 

正直に申し上げますと、

この本を読むまで大原孫三郎という

人物を存じ上げませんでした。

 

単に城山三郎さんの本だから…という理由で

この本を購入し読み始めた訳ですが、

いやはやこのまま知らずに

生きていたらいけないでしょう~というくらいに

凄い人物でした。

 

明治、大正、昭和初期に

倉敷という地方都市で、

より良い社会を作る為に奔走し、

現在のクラボウクラレという

大企業の礎を作りつつも、

日本初の西洋美術館である大原美術館を建て、

そして名門病院でも

ある現在の倉敷中央病院も建てました。

 

事業家として成功しつつも、

美術館や病院、その他様々な研究所を設立し、

学問的にも幅広い支援をされた方なんですね。

 

まえがきには経済学者の大内兵衛の講演から

下記のような言葉を紹介しています。

 

「大原孫三郎は、大正・昭和を通じて

 大阪以西の関西において最大の事業家であったが、

 彼は、その作りえた富を散じて

 公共の事業をしたという点では、

 三井も、三菱も、その他いかなる事業家よりも、

 なお偉大な結果を生んだ

 財界人であったといっていいと思います。

 

 もう1度申します。

 金を儲けることにおいては

 大原孫三郎よりも偉大な財界人はたくさんいました。

 

 しかし金を散ずることにおいて

 高く自己の目標をかかげて

 それに成功した人物として、

 日本の財界人でこのくらい成功した人は

 なかったといっていいでしょう。」

 

いかがでしょうか?

 

日本資本主義至上において、

数少ない立派な事業家と言えるのでしょうね。

 

これだけの人物ですから、

城山三郎さんが目を付けたのでしょうし、

思いを持って書かれたでしょうから、

面白くない訳がありません。

 

私は一気読みしてしまいました。

 

そして共感、感動、尊敬といった

感情を持ちましたし、

大いに学ぶところがありました。

 

こういう本って言葉は悪いですが、

成功者が努力して成り上がっていくパターンが多いですね。

 

でも大原孫三郎さんは元々お金持ちでした。

だからこそお金の有効な使い方を知る事ができたのでしょうか。

 

珍しいパターンであった事も

面白さに輪を掛けてくれました。

 

そして、もうひとつ特筆すべきは

息子さんも立派な人物に育てた事です。

 

もちろん当人の資質や努力もあったのでしょうが、

事業家としてだけではなく、

人として立派な人物でした。

 

よく2代目は…なんて言われますが、

大原家にとっては、それはなかったようです。

 

その辺りも後半に書かれており、

非常に興味深く感じました。

 

お奨め度 ★★★★☆ の良書です。

 

 

よ~く考えてみると、

最近のお金持ちの方って有効な使い方をしているのかな?

 

個人や家族の為には上手く使っているのでしょうが、

社会の為とか、未来の為とか、

そういうお金の使い方はできているのかな?

 

お金のない私が考える事ではありませんが、

大原孫三郎さんの生き方は現在のお金持ちには

是非知って頂きたいと思います。

 

それでは、また…。

 

 

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