おはようございます。
医療現場で奮闘する医療従事者に
シェアハピネスの輪を広げる支えとなる
ジーネット株式会社の小野勝広です。
城山三郎…。
若い方は知らない方も多いと思いますが、
本当にいいです。
生き方。
働き方。
人との付き合い方。
必ず学ぶところが多いと思いますので
私自身も学びながら
こうして作品をご紹介してまいります。
本日のブログのタイトルは、
【 賢人たちの世 】
といたしました。
本書をピックアップした理由
『 賢人たちの世 』
城山 三郎 文春文庫 を読みました。
私が城山作品と出会ったのは
ここ10年くらいであり、
まだまだ未読の著書が数多くありますので
焦らずコツコツと読み進めている次第です。
どの著書を読んでも学べる所が多く
私にとっては大変なお気に入りの作家ですが、
まあ短所としては昭和の香りがプンプンする事でしょうか。
これは取り上げている人、テーマが
昭和なので致し方ありません。
でもそれを補って余りあるだけのものが
城山作品には必ずあるんですよね。
人、人生、生き方など
城山作品はここにグッと迫ります。
今回は昭和の三賢人と言われた
政治屋ではなく、
本物の政治家であった3人。
これは学ぶ所が多いだろうと
楽しみに手に取った次第でした。
目次
はじめに
一、吉小路の日々
二、暗闇の牛
三、瀬戸の花嫁
四、それぞれの春
五、「算盤が立ちすぎる」
六、「晴雨同舟」
七、それぞれの秋
あとがき
感想
さすがの城山節がさく裂しております。
実に面白かった…。
舞台は昭和40~50年頃。
私が昭和44年生まれですから、
まさにその頃の話しです。
もちろん私の記憶にはありませんけど(苦笑)。
この頃には武骨な政治家が存在してたんですね。
昭和の三賢人と呼ばれたお三方。
個性はそれぞれ違うけど、
共通しているのは
政界浄化を愚直に進めようとしていた所。
ノンフィクションとは思えない
綿密な取材とストーリー展開こそが
城山作品の真骨頂です。
現代の政治にも通じる
多数派工作と金権政治を
何とか実行しようと苦心。
3人とも官僚出身という事もあり、
実務に長け、
人物的な魅力を持ち、
それなりの要職には付きながらも
ついに志半ばで倒れてしまう…。
ちょうどこの頃の歴代政権に
陰に陽に関わりながら
政治家としての志を果たそうと奮闘するも
政治屋たちとの政争に敗れてしまう。
もし椎名、前尾、灘尾のいずれかが
総理大臣に就任していたら…
そんな事をつい考えるほどの政治家としての力量。
政治屋 vs 政治家
この争いは非常に読み応えがありました。
この3人は選挙に弱く
地元への利権誘致には関心がなく、
真っ直ぐに国民のための政治をしたかっただけ。
まさにノブレス・オブリージュ…。
寡黙で演説下手、
マスコミにはリップサービスせず、
精神性の高い稀有な政治家。
そこに著者のきめ細かな感情面へのアプローチ。
これが実に冴えています。
お三方の人柄まで理解できた感じです。
今の政治状況に疑問を感じている方には
おススメできます。
きっと政治屋ではなく、
本物の政治家が必要なんだ…と思われる事でしょう。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
私は面白くて次のページが気になり、
あっという間に読み終えてしまいました。
我が国にもこういう政治家がいたんだ…
こういう時代があったんだ…と思うと
何だか悔しくもあり…。
この路線ではなく、
総理が続いていたら…。
ついそんな事を考えてしまいました。
きっと今より良かったかもしれません。
でも歴史にタラレバは禁物ですね。
むしろ今どうこうと言うのではなく
これからどうする?と考えた時に、
かつてこんな賢人たちがいたんだ…と知っておく事が
とても 重要ではないかと思います。
それでは、また…。
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