おはようございます。
医師の転職、開業の情報提供をしている
医師転職相談センターの運営企業、
ジーネット株式会社の小野勝広です。
人物文庫 郷 仙太郎 を読みました。
私はこの人物文庫というシリーズが大好きで、
今までも30冊くらい読んでいます。
ブックオフなどで見つけると
即買いのシリーズです…。
さて、今回は後藤新平を読んでみました。
正直に申し上げますと、
この本を読むまでの後藤新平で知っていたのは、
台湾で活躍した人、
満鉄初代総裁、
大臣をいくつか歴任した人、
東京市長をした人、この程度でした。
お恥ずかしい…。
いやいやだからという訳ではありませんが、
この本は非常に勉強になりましたし、
後藤新平という大人物をより詳しく知る事ができて、
本当に良かったと思っています。
あり得ない「たられば」の話しをするなら、
後藤新平が現代に生きていたら…とか、
後藤新平が現政権にいたとしたら…と、
つい考えてしまう程に凄い人物だという事を知りました。
関東大震災の後も大活躍をした方なのですね。
既得権を持つ輩の抵抗に遭い、
後藤新平が目指していたものの
何十分の一程度しか実現はできなかったとは言え、
もし現代に後藤新平がいたら復興支援も
こんな事にはなかったのだろうな…などと
考えてしまいました。
戊辰戦争で敗れた東北出身という事で、
相当の苦労を重ねながら、
徐々に立身出世をしていきました。
イチ時期は医師として活躍し、
板垣退助が岐阜で遊説中に暴漢に刺され
負傷した際には診察もしたんだそうです。
その後、内務省衛生局に入り、
医師としてよりも
官僚として病院や衛生に関する行政に従事、
そして台湾での民政局長として実績を残し、
南満州鉄道の初代総裁に就任。
活躍は留まる事なく、
東京市長を歴任しています。
晩年は政治や行政の一線からは退き、
ボーイスカウト日本連盟の初代総長、
東京放送局(後のNHK)初代総裁、
拓殖大学第3代の学長なども務めています。
また当時のソビエト連邦との
国交正常化にも尽力したそうです。
そのひとつひとつに様々なドラマがあり、
後藤新平という人物の凄さにのめり込む事になる訳ですが、
この方はこの当時から政党政治に対して
警報を鳴らしていて、
「政党無用論を説いているのではない。
政党は永久平和と真・善・美を説くが、
実際には不断の闘争と偽・悪・醜が
絶えることはないと言っているのだ。
これを人道化、倫理化するには
自治的国民の力に待つ他はない。
誠意・公正・人格、そして党派よりも
国家全体を重んずる精神が必要だと言いたいのだ。」
と当時の原敬首相に述べています。
まあ小説ですから、
実際に述べたかはわかりませんが、
少なくとも自分自身は政党に属する事なく、
それでも要職を歴任するくらいに
権力者からも買われており、
そして国民的な人気は高かったようです。
100年も前にこんな大人物がいたのに、
その後の日本ってのは
とんでもない方向に舵を切ってしまったのですね。
もし後藤新平が首相になっていたら…
そんな事をつい考えてしまいます。
ちなみに目次ですが、
・没落
・東京遊学の失敗
・貧乏医学生
・異色の内務官僚
・投獄と復活
・台湾に新天地
・行革断行、人材登用
・ゲリラの投降式に単身参加
・山県有朋と争う
・満鉄で夢みた近代都市
・御親兵一割の損
・俺の言うことを聞かないくらいの奴がいい
・伏魔殿東京市に乗り込む
・欧米に負けない首都の建設を
・関東大震災に際して遷都論を打ち消す
・復旧ではなく復興を
・生まれるのが早すぎた
とこのようになっています。
私自身が後藤新平に対しての知識が
少なかった為でしょうか。
この本はメチャクチャに面白かったですし、
勉強になりました。
そして、こんな人物を知らなかった
自分自身を恥じました。
お奨め度 ★★★★★ と
満点を付けさせて頂きます。
それでは、また…。
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