おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
これは私の勝手な考えですけれど
今の時代に求められているのは…
・人を知る
・社会の仕組み、構図、構造を知る
この2つが実に重大ではないかと考えています。
人を知るという点では
サイエンスのアプローチも必要ですし
ヒューマニズムという観点も大事ですね。
だからこそ私は歴史に学ぶということを
欠かしてはいけないと思ってます。
人は人に救われますけど
人は人に騙されます。
いい人もいれば
悪い人もいる。
そこをよく見極めて
近づけるべき人と
遠ざけるべき人を
明確な基準を持って
判断をしていきたいですね。
社会の仕組み、構図、構造についても
冷静かつ客観的な視点を持って
よ~く観察しないと
情報弱者として搾取されます。
資本主義社会でも
民主主義社会でも
大きな欠点が内包しているのは
間違いありません。
それを知った上で
自分らしく
ベストなポジションを取れるならいいですが
知らないままに流されてしまうのは
個人としてもリスクが大きいです。
自分にはどうしようもない
大きな流れもありますけど、
せめて自分に何とかできるものならば
適切に対処したいですよね。
自らの生存戦略として
人を学ぶ、社会を学ぶという姿勢は
必要不可欠ではないでしょうか?
ということで…
今回ご紹介する書籍は、
【 山岡 鉄舟 】 です。
本書をピックアップした理由
『 山岡 鉄舟 』
小島英熙 日経BPM を読みました。
別に私は学者を目指しているわけではありませんが
歴史に関しては単に好きであり
それなりに学び続けてきているつもりです。
そのなかで山岡鉄舟という人物は
なぜか気になる存在なのですね。
以前に下記の本を読みました。
こちらはお試しにと思って
ライトな感じの本を読んでみたのですが
やはりいろいろ感じ入るところが多くて
もっと本格的なものを読みたいと思わせてくれました。
ちなみに私の敬愛する内田樹さんの著書でも
山岡鉄舟を取り上げており
そういう積み重ねがこの人物への興味を高めてくれました。
こちらの磯田道史さんの書籍でも
分量としては少ないながらも
なぜか私の心に訴えかけてくるものがあったのですね。
山岡鉄舟。
いったいどんな人物なのか。
もう少し深掘りしたいと
ずっと思っていて本書と出会いました。
読後に私はどんな思いを持つのか?
ちょっと楽しみにしながら読み始めた次第です。
目次
1 鉄舟という存在
2 揺籃
3 幕末の貧乏旗本
4 尊皇攘夷
5 風雲
6 戊辰戦争
7 維新の武士道
8 転身
9 剣禅一如
10 大いなる磁場
感想
本書を読む前の私の知識は
ごく限られたものでしたし、
とても山岡鉄舟を知っているなんて
声に出して言うのは憚られるものでした。
勝海舟の命を受けて
西郷隆盛と直談判しに行った。
ぶっちゃけそれくらいしか知りません。
しかしあの大西郷が遺したこの言葉。
これが山岡鉄舟を指していると知り
俄然、興味を持ったのですね。
命もいらず、名もいらず、
官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。
この始末に困る人ならでは、
艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。
まあ西郷隆盛という人は
ちょっと感動しやすいところがありますし、
人の長所を見る傾向にあるので
すべてをそのまま受け入れるのはどうかと思いますけど
山岡鉄舟というどういう人物なのか。
ワクワクしながら
貪るように本書を読みました。
歴史本ではよくあることですが
昔の言葉が難解で
なかなか頭にスッと入ってこないところもありますが
まあ一面ではあるのでしょうけど
ある程度理解することができました。
個人的に
控えめに言って
好きな人物です。
何なんでしょうね。
山岡鉄舟の持つ人格は
現代社会では希少な高貴さを持っています。
憧れというか
こういう人の爪の垢を煎じて飲まねば…と
なぜか私は思ってしまうのですね。
「剣」と「禅」が影響しているのか
それとも潜在的に持ち合わせていた資質なのか
ご両親が授けたものなのか
自分を律して身につけたのかまではわかりませんが
人としての魅力があります。
器の大きい人であり
魂の美しい人であり
自分よりも他者を優先できる人であり
物欲や金銭欲がない人であり
明治維新という大改革のような時には
必要とされる人物と言えるのかもしれません。
率直に申し上げれば
1本筋が通っているんですよね。
だから人によっては
全然違う評価を受けることもあったでしょうけど
たぶん山岡鉄舟はそんなものはお構いなし。
自分の志と魂に従って
ただすべきことをしているだけ。
そんな達観した姿勢を
ずっと貫き通してきた方なのですね。
だからお弟子さんも多かったのでしょうし
大物ほど高い評価を与えている。
スゴイ人だなとつくづく思います。
もし現代社会に生きていたら
どんな評価を受けるのか興味津々です。
出る杭は打たれると言いますが
おそらく山岡鉄舟は打たれても何とも思わず
何度でも立ち上がることでしょう。
いや、それどころか
打たれても打たれても
打たれているとは思わない強さを
完全に身につけてしまっているのですね。
もともと幕臣であったわけですから
明治維新の後は
ひとつ間違えれば
没落してもおかしくなかったと思うんです。
賢く生き延びたというタイプではなく
生き残るべく生き延びた人なんですね。
山岡鉄舟に言わせれば
ただ生きてきただけという境地でしょうけど
人間の根底にあるものが
普通の人と比較したら桁違いに違います。
だから清水次郎長のような
博徒というか侠客というか
そんな人にも慕われることができるのですね。
山岡鉄舟のスゴイところは
常に主導権を握っているところです。
本人はただやりたいように
やってきただけだと言うのは間違いないでしょうが
そんな生き方にも感銘を覚えます。
生き延びるということを
まったく目的としていないのです。
まさに武士道とも言えるのかもしれませんが
いつでも死ねるという覚悟、
これが動じない強さにもなっています。
この覚悟が違うといえばそれまでですが
あの時代でも
ここまでの人物はそういなかったでしょう。
人物がデカいんです。
こすかっらさなんてこれっぽっちもない。
私にとっては
見習うべき生き方、姿勢を持ち合わせており
素直に頭の下がる存在です。
山岡鉄舟のような人が
もし会社とか、官庁とか、国会とか
そういうなかにいたとしたら
適当なことは許されないでしょうね。
ビシっと筋道を立てねば
ぶっ飛ばされそうです。
もうひとつ
私にとって親近感が持てたのは
山岡鉄舟の幼少期は
小野鉄太郎という名前だったんですね。
同じ小野性なので
おお!と嬉しくなりました。
このあたりの経緯についても
本書には詳しく書かれており
この件を知れたことにもご縁を感じました。
本当はもっとご紹介したいところが
たくさんあるのですけど
ネタバレになるのもよろしくありませんし
この程度にしておきます。
最後にもう1度…
命もいらず、名もいらず、
官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。
この始末に困る人ならでは、
艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。
現代社会に足りないのは
こういう人物ではないでしょうか?
姑息に自分だけ利益を得ようとする輩。
権力にしがみついている輩。
今だけカネだけ自分だけの輩。
人としてどう生きるべきか?
自分とは何だ?
仕事とは何ぞや?
山岡鉄舟からは
こういった哲学を学ぶことができるように思います。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
山岡鉄舟という人物に対しては
益々興味が湧いてきました。
ただもうちょっと読みやすくしてくれればいいのにと
つい思ってしまったのも事実です。
こちらの知識不足はありますけど
少しわかりずらいところがありました。
世の中に
どれくらい山岡鉄舟好きがいるのかわかりませんが
もしいらっしゃるならば…
もしくは私のように興味はあるけど
いい書籍がないんだよね…という方には
本書は読む価値ありとおススメいたします。
私の積ん読本棚には
まだまだ多くの歴史上の偉人の本や
歴史本がたくさんありますので
順々に読んでまいりますが
また数年したら…
もしくは良さそうな本を見つけたら…
山岡鉄舟に触れたいな、学びたいなと
素直に思いました。
それでは、また…。
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