おはようございます。
医師のキャリアを中長期的に支える
転職、開業のプロフェッショナル、
ジーネット株式会社の小野勝広です。
こういう荒れた時代こそ
いつも日本社会を案じ、
我々国民の為に祈ってくれている
陛下について思いを馳せるべきではないか?
そんな事を考えました…。
本日のブログのタイトルは、
【 待場の天皇論 】といたしました。
本書をピックアップした理由
『 待場の天皇論 』
内田 樹 東洋経済新報社 を読みました。
権力者は腐敗する…という事を
私たちはまざまざと感じさせられていますね。
しかし我が国には権力ではなく
大いなる「権威」を持つ存在があり、
権力者を牽制して、
暴走のストッパーになってくれています。
権力者に利用されないように…。
その点だけは注視しなければなりませんが、
歴史を学べば学ぶほど、
国家の統治機能としても、
民の心の拠り所としても、
天皇陛下の存在こそが
我が国の根幹である事に気づきます。
さらに自分の知識を深める為にも
私の敬愛する内田樹さんが
天皇陛下について論じる本書を
楽しみに手に取ったのでした…。
目次
Ⅰ 死者を背負った共苦の「象徴」
Ⅲ 物語性と身体性
【特別篇】 海民と天皇
感想
いやはやスゴイ本です。
本書は出版社が過去の内田さんのコラムの中から
天皇陛下について書いたものをまとめたそうで、
内田さんから見ても
どうしてこのエッセイが
天皇論に含まれるんだろうと
疑問に思うものもあったようですが、
読んでみるとこれが何となくわかるんですね。
歴史を知れば知るほど、
学べば学ぶほど、
天皇陛下という存在は、
天皇個人の問題だけではなく、
法律という小さな枠内ではなく、
この国の成り立ちやお国柄を表している事に
気付かされます。
私は内田さんの政治的スタンスを
とても好ましく思っていまして、
おそらくこの方は右とか左とか中道とか、
そういう範疇にはなく、
正しいもの、知的なもの、人として自然なもの、を
判断基準にしているように感じます。
だからある時は右側から攻められたり、
またある時は左側から批判を浴びたり、
きっといろいろあるのでしょうが、
個人的にはイデオロギーに翻弄されない
確固足るポジショニングを持っている事、
ブレない軸を持っている事を尊敬しています。
是々非々で対応するという感じでしょうか。
そんな内田さんが書いた天皇論。
強烈に勉強になりました。
歴史的にも、社会学的にも、政治的にも、
文化人類学的にも、経済的にも、
実に幅広い視点で
冷静かつ自由な発想で論じておられます。
これが実に心地よい。
結論ありきのイデオロギーから解放された思考なので
こちらも色に染まらずに考える事ができます。
戦後の我が国は、
天皇制を否定するような論調もありましたし、
こうあるべきだというべき論が先行して、
深く、広く、考察する事が
タブーになっているようなところもあります。
しかし権力者がこれだけ腐敗して、
それでも権力に迎合する輩が減らない時代だからこそ、
今こそ私たちは我が国の成り立ちや
歴史の中で天皇陛下が果たしてきた役割、
そして今上陛下のお人柄、お考え、行動を
もっと知るべきではないかと考えます。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点です。
論じられているのですが、
まあ一見天皇陛下とは無関係に思えます。
しかし私たち日本人の奥底に眠っている何かが
忠臣蔵で泣けて、
世阿弥の振る舞いに心を惹かれ、
山岡鉄舟の生き方に共感でき、
その根底にあるものを探っていくと
お国柄、つまり天皇陛下の存在に行きつくように感じます。
歴代の天皇陛下の中には、
眉をひそめるような方もいらっしゃったけれども、
それも含めて天皇陛下、
そして我が国が存在する訳です。
私ごときの知識では
まだ語る言葉をそれほど持っていないのですが、
人を知る、社会の仕組みを知るという
私の勉強の目的を果たす為にも
絶対に避けては通れないテーマですので
さらなる学びを続けてまいります。
それでは、また…。
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