ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

「できる人」という幻想

 

おはようございます。

 

医師のキャリアプランを軸にして

転職・開業・経営シーンを支え続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

現代社会の閉塞感とは、

大人たちが我が身を棚に上げて

若者や他者に求めすぎるというところも

ひとつの要因であると感じています。

 

本日のブログのタイトルは、

【 「できる人」という幻想 】 といたしました。

 

医師キャリアプラン

 

本書をピックアップした理由

『「できる人」という幻想 4つの強迫観念を乗り越える』

常見 陽平 NHK出版新書 を読みました。

 

常見さんの長所は以前下記を読みました。

普通に働け

 

どちらかと言うと、

若い方々向けの内容ではありましたが、

本当はむしろ経営者こそ読んで考えなきゃいけない

興味深い視点であったと思います。

 

そして今回の「できる人という幻想」。

何となく内容は予想が付いてしまうのですが(笑)、

働くをサポートする仕事をしている私としては

やはり看過する訳にはまいりません。

 

まるで課題図書のような気持ちで

手に取った次第です。

 

目次

第1章 入社式に見る平成「働き方」史

第2章 「即戦力」はどこにいるのか

第3章 「グローバル人材」とは誰のことか

第4章 そこまで「コミュ力」が必要ですか

第5章 「起業家」は英雄なのか

終章 若者の可能性にかけるな

 

感想

できる人ってどういう人だ?

できるって何だ?

 

経営者が新入社員に求めるスキルが

年々高くなっていないか?

 

入社式の社長訓示を分析する事によって

やれコミュニケーション能力だ!

即戦力が求められるだ!

グローバル社会に適応する為に英語力が必要だ!と

求めるけれども

そんなスキルをそもそも経営陣や管理職が持っているのか?と

問うています。

 

社会が若者に対して

あまりにも高いレベルのできる人を求めていないか?

 

流行語大賞、新聞広告、求人広告などから

昨今の若者が求められているスキルを分析し、

そんな人どこにいるの?と疑問を呈し、

いい加減にできる人という幻想を求めるのは

止めた方がいいんじゃないか?と内容です。

 

まあね~、

これはどこの世界でもそうかもしれませんけど、

英語ができない社長が新入社員に英語を求めるってのは

やっぱりどうかな?と思いますし、

そもそも社会って優秀な人だけで成り立っている訳でもないし、

ビジネススキルの流行になるキーワードって

本当にプラスになっているのか?と問われれば、

実はプラスよりもマイナス面の方が大きくて

若者は強迫観念を感じており、

むしろ社会の害悪になっているのかもしれない。

 

真面目な人ほど適応しようと努力して

無理を重ねてモチベーションを下げてしまったり、

企業や社会は言いっ放しで責任を取らず

それが日本経済の停滞の一環となっているかも知れず、

まあこのように考えていくと

本書の主張は確かに頷けますね。

 

また起業を目指す人たちに対しても、

起業はそんなに甘くない、

意識高い系や若さだけをウリにしてはいけない、

喜びよりも辛さの方が大きいと

諭すように慎重な決断を求めています。

 

着眼点の面白さがあり、

とても楽しく読めたのですが

もう少し深掘りというか

哲学的なアプローチがないと

働くという事を本当の意味で理解するには

到達できないかも…とは思いました。

 

私たちはもっと仕事論とか、

職業観を考え続ける必要がありそうです。

上っ面の流行り廃りではなく…。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

著者が最も伝えたいのは

そろそろ若者に丸投げするのは止めよう、

みなが年齢相当の社会的責任を果たそうという事なのですが、

おそらく本書は若者向けに書かれており、

中高年には伝わらないでしょうし、

若者を甘やかす事にも繋がりそうで、

何を目的としているのか若干疑問に思う所もあります。

 

若者は未来ですから

期待をしてしまうのは普通ですが、

若者を潰してしまうような過度な期待は

やはり避けるべきでありますし、

むしろ中高年こそがもうひと踏ん張りせ~よという方が

社会的には必要なアナウンスかもしれませんね。

 

若者を説教して自己満足に浸るなよ。

そう中高年に訴える方が先決で

中高年の背中を見れば若者は自然と付いてくるでしょう。

 

偉そうにありもしないスキルを求めるのではなく、

まずは背中で語れって事ですな…(苦笑)。

 

それでは、また…。

 

 

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