ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

いたこニーチェ

 

おはようございます。

 

医師の転職、クリニック開業を

キャリアプランを軸にしてサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

ニーチェを本格的に学ぼうと思ったら

相当の時間を掛けねばならないと思います。

しかしできるだけ簡易に学ぶ方法もあるんですよね。

 

本日のブログのタイトルは、

【 いたこニーチェ といたしました。

 

医師キャリア相談

 

本書をピックアップした理由

『 いたこニーチェ

適菜 収 朝日文庫 を読みました。

 

いつ頃からでしょうか?

私がこれからの時代を生き抜く為には

哲学を学ばなければいけないと思うようになったのは…。

 

ソフィーの世界を読んで哲学に関心を持ち、

社会人になって仕事を通して

多くの人と接し、社会の真相を知る事で、

段々と関心が高まったのだと思います。

 

ここ数年は折を見て哲学本を読むようになりました。

当ブログの書評でも結構書いていますね。

 

哲学を学ぶ意味は

人それぞれ持つものだと思いますが、

哲学を知らないと表層的な人生になりかねないと感じます。

 

毎日ただ惰性にように生きてはつまらないですよね。

もっと楽しい事、面白い事と出会いたいですよね。

知性や教養のベースに哲学がないと

なかなか真の充実感は味わえないと思うんです。

 

しかし哲学は難しい。

わかりにくい。

そんな方は適菜収氏の著書は最適と思います。

 

若干クセはありますけど、

ニーチェゲーテの思想は理解できるはずです。

 

本作品もニーチェについて書かれています。

私としてはワクワクしながら手に取った次第です。

 

目次

・論理は非力である

・死んでくれないかな

キリスト教邪教である

・哲学は妄想に過ぎない

ニーチェ、降り間違える

・“真の世界”など存在しない

・小さな事柄に目を向けよ

日本国憲法は呪われている

・権力への意志

・“畜群”が牛耳る世界

・解決のつかない問題

・神は死んだ

・論理を超越した何か

プラトンの罠

・民族はフィクションである

・動物と超人のあいだ

ツァラトゥストラは何を語るか

・真理が女であるならば

 

感想

う~ん、斬新。

現代社会に生きる若者が、

ある人はプラトンの流派の生き残りとして設定され

その友人はいたこになってニーチェが降りてくる。

 

ニーチェと友人がプラトンの生き残りを徹底教育する。

斬新過ぎる発想です。

 

ただ内容なんですが、

哲学小説とでも言うのでしょうか?

新たな領域を切り開こうとした

チャレンジ精神は買えるものの

今まで読んできた適菜収氏の著書と比較すると

どうしても今イチの感は拭えません。

 

より多くの人に哲学に触れて欲しいとか、

ニーチェの本当の思想を知って欲しいとか、

そういう意図もあったのかもしれませんけど

いや普通の適菜さんの著書の方が断然良かったな。

 

ただ「いたこ」という形ではありますが、

ニーチェが出てきて

その思想をわかりやすく主人公に説明する訳です。

さすがにニーチェの言葉には学ぶべき点がありました。

 

では恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。

 

成功を収めたエライ人たちは

「こうすればうまくいく」って語るけど、

結局それは彼らの特殊な成功体験なんだ。

1度きりの人生における1度きるの体験。

だから、まったく同じような努力をしても、

誰もが成功できるわけではない。

世界は動いている。

戦乱の時代もあれば、平和な時代もある。

好景気もあれば、不景気もある。

それなのに、彼らは個人的な成功という結果から、

単純に原因を導き出そうとしているわけだ。

結局、成功するヤツは放っておいても成功する。

でも、ダメなヤツはいつまでたってもダメ。

(P.60~61)

 

クリニック開業などでもそうなのですが

成功した開業医の話しを参考にするのは良いですが、

同じような事、似たような事をしても

成功するとは限りません。

もし上手く成功しても充実感が持てますでしょうか?

やっぱり自分なりの成功の形を探した方が

いいのではないかなあ?と私は思います。

 

神の国は存在しない!

真の世界は存在しない!

普遍的真理は存在しない!

最後の審判はやってこない!

現実を直視しろ!

イデオロギーにおぼれるな!

理想によって現実を測るな!

言葉と概念を疑え!

対立と犠牲を恐れるな!

からだを蔑視するな!

美と歴史を尊重せよ!

人生の<生>を汚すな!

唯一の自分の世界を切り開け!

健康な肉体で己の真理を捏造せよ!

(P.233~234)

 

なかなか難しい言葉だと思います。

私たちが捻じ曲げられた歴史から得た

常識や伝統を疑うこと、

そして自分の道を自分で切り開くこと、

洗脳を解くのは自分自身ですね…。

 

上の人間にとって1番大切なことは、

<上にある>という意志なんだ。

自分がルールであるということ。

他人の基準で自分を測らないこと。

こうした特権を持つ少数者の集団が上なんだ。

(P.269~270)

 

上の人間…。

権力者は権力を弄び、弄ばれ、

自分が上にあるという意志を持てず、

中途半端な権力に翻弄されていますね。

答えは自分の中にあるのでしょう。

 

評価

おススメ度は ★★☆☆☆ といたします。

今回は珍しく厳しい評価です。

 

適菜収さんの考え方は

私は結構好きで

今まで著書も何冊か良み、

これからも読み続けていくと思いますが、

やはりこの方は小説家ではありません(苦笑)。

 

次に期待します。

 

それでは、また…。

 

 

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