ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

どくとるマンボウ航海記

 

おはようございます。

 

医師のキャリアプランを軸にして

転職、クリニック開業をサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

定期的に医療に関する書籍は読んでいますが、

たまには目先を変える事も必要と考えています。

 

本日のブログのタイトルは、

 どくとるマンボウ航海記 】 といたしました。

 

医師キャリアプラン

本書をピックアップした理由

『 どくとるマンボウ航海記 』

北 杜夫 新潮文庫 を読みました。

 

少し前に下記の本を読みました。

お医者さん 医者と医療のあいだ

 

なだいなださんの本は

初めて読んだのですが、

非常に勉強になり、

やはり古典(?)は読まねばならんなと

痛感したのです。

 

なだいなださんと同様に

古典と言える物書きだったドクターと言えば?

そりゃ北杜夫さんだろう!と思い、

ブックオフで見つけてきた本書を

楽しみに手に取ったのでした。

 

目次

・私はなぜ船に乗ったか

・これが海だ

・飛ぶ魚、潜る人

シンガポールさまざま

マラッカ海峡からインド洋へ

・タカリ、愛国者たむろすスエズ

・ドクトル、閑中忙あり

・アフリカ沖にマグロを追う

ポルトガルの古い港で

・ドイツでは神妙に、そしてまた

小雪ふるエラスムスの街

・霧ふかいアントワープ

・パリの床屋教授どの

・わが予言、崩壊す

・ゴマンとある名画のことなど

・盲腸とアレキサンドリア

・海には数々の魔物が棲む

・本の話から船乗りのこと

コロンボのカレー料理

・帰ってきた燕とマンボウ

 

感想

う~ん、実に面白い。

本書は著者が船医として乗り込んだ

漁業調査船で世界を駆け回った際の航海記。

 

そう言えば以前にキャリアのご相談をしたある先生が、

半年ほど船医をしていたご経験がおありで

非常に興味深くお話しを伺った事を思い出しました。

 

その先生は大学医局からの指示で船に乗ったそうですが、

医局内では船医の人気が意外と高くて

行きたい先生は多いんだよとおっしゃってましたね。

 

さて本書ですが、

昭和35年に発行されています。

なんと私が生まれる前なんですね…。

 

北杜夫さんの著者は初めてでしたが、

このどくとるマンボウシリーズの存在は有名ですし

私自身もいつか読みたいと思っていましたので

ついに念願が叶いました。

 

そして期待に応えてくれて

非常に面白かったですね。

 

特に著者の独特な表現力、

セレクトする言葉、

まさかの意外性あるたとえ話し…。

 

これは時代が変われど廃れる事なく、

むしろ言葉が軽くなっている現代社会だからこそ

著者の言い回しには価値があるように感じましたね。

 

私も当ブログを始めとして、

最近は取材を受ける事も増えてきて

言葉を使いこなさなきゃいけない場面があるのですが、

北杜夫さんのような言葉の使い方ができたら

面白いかもしれないなあと思いました。

 

読んでいて非常に面白かったですが、

船医のくだりは別として

私は医療関係者の書く本は勉強だと思っています。

 

医療の勉強という面ではちょっと物足りなく(笑)、

でも読み物としては抜群に面白かったです。

 

このどくとるマンボウシリーズは、

他にも昆虫記、青春期があり、

その他にも遺言状、恐妻記などもあり、

もちろん他にも著書は多いので

機会があれば北杜夫の著書は

引き続き読んでいきたいと思いました。

 

個性的な文章に

私はコロリとやられてしまったようです。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

航海記ですから、

各地での出会いやトピックスも

なかなか興味深いです。

 

シンガポール、インドから

スエズ運河を通り、地中海へ。

ヨーロッパ各国に立ち寄りながら

アフリカ沖まで行き、帰路に着く。

 

なかなかできない経験でしょうし、

今では飛行機でピューンと飛んでしまいますので

船で世界各国を回るなんて

仕事とはいえ羨ましいくらいの贅沢ですね。

 

北さんがそれぞれの土地で味わった経験、

これがまた面白く、

北さんならではの思いがユーモアに溢れていて、

医師でありながら

作家としても成功された理由がよくわかりました。

 

世界は広いけど、

人間の世界も広いですね。

北杜夫さん、知る事ができて良かったです。

 

それでは、また…。

 

 

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