おはようございます。
毎日の読書が欠かせない
医療コンサルタントとして学び続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
東急ハンズが好きな方は多いのではないでしょうか?
はい、私も大好きです。
そんな頻繁には行きませんが、
行った時には隅から隅まで
もうあちこちの売り場をチェックします。
特に好きなのは文房具です。
新製品や変わったものは
つい興味を持ってしまいます。
娘が一緒の時などは、
思わず何か買ってあげちゃいますね。
好きなの選んでごらん…と伝えると
遠慮がちにこれ欲しい…と言ってくるんです。
まあ私や娘などより
やはり妻ですね。
妻にとっては各売り場が戦場みたいなもので
便利グッズを目を皿のようにして探しています(笑)。
・・・えっと話しが脱線しまくってます。
元に戻しまして…
本日のブログのタイトルは、
といたしました。
本書をピックアップした理由
和田 けんじ 日経BP社 を読みました。
そんなこんなで前述したように
私は東急ハンズが大好きです。
それで本書を見つけたら
そりゃ買うでしょ!
つい買っちゃうでしょ!
私は定期的にブックオフに行き、
読み終えて残さない本を大量に売り、
そして新しい本を大量に買うのですが、
本書をブックオフで見つけた時は…
2秒で買いました。
中も見てません。
東急ハンズの本なら面白そう!
取りあえず買い!ってな感じです。
しかし買った後が問題です。
私には買ったはいいけど
まだ読んでいない本が100冊以上あります。
いつ選ばれるか?
もう3年も5年も積まれたままのものも
結構ありますからね(苦笑)。
でも今回は、
その時に読んでいた本が読み終わったら、
気になってしょうがなくて
すぐに読み始めたのでした。
目次
1章 30年前からロングテール
2章 1人のために仕入れる
3章 店員の過剰な知識が店の個性
4章 人の「手」だからできる提案
5章 小売りの復活、ハンズの復活
感想
前述したように
タイトル買いした本書ですから、
著者がどんな方で、
内容がどんなだか、
全く知らずに読み始めました。
著者は今はお辞めになっているものの
もともとは長く東急ハンズで働いていた方。
実際の売り場で活躍していたようですから、
話しは物凄くリアルです。
著者の見解では、
最近の東急ハンズは
設立当初のハンズらしさを
喪失しつつあるという事です。
つい先日も神戸・三宮店を
12月下旬に閉鎖するという
ニュースがありましたから、
もしかしたら著者の言う通りなのかもしれません。
そもそもは小売りの常識から
思いっきり外れることで
東急ハンズらしさがあり、
東急ハンズにしかできない点が
多くあったのでしょう。
しかし…。
今は普通の小売りに近づく一方で…。
著者は東急ハンズに
もう1度ハンズらしさを取り戻して欲しいという
熱い思いがあるようです。
小売りの常識を打ち破り、
小売りのプロではなく、
消費者のプロとして
やり直して欲しいのですね。
その思いは充分に伝わりましたし、
それよりも何よりも東急ハンズの成り立ちや
当時のコンセプト、
そして現場が何を考え、
どう動いたのかは大変勉強になりました。
別に小売りではなくとも
参考にすべき点は数多いです。
私は開業医の先生方や
病院経営者も
一読した方がいいんじゃないかと考えました。
当然、小売りと同じことはできませんけど、
これだけ東急ハンズが全国各地に広がったのは、
そして消費者の支持を得たのは、
掲げたビジョンとコンセプトが
消費者に受け入れられたからなのですね。
その発想を自院に転化すれば、
新たなアイデアに繋がっていくでしょう。
きっと参考になると思います。
それではここで
恒例の私がグッときた箇所を
ご紹介いたします。
「売れる現場は、素人が作る!」
この言葉には、
小売りの常識にとらわれない、
販売の素人であり、
消費のプロたちこそが、
モノやサービスを売ることができるという
意味があります。
(P.21)
商売の常識ではなく、
「消費者の要望」を優先させることで、
お客さまから信頼と支持を得ることができるからです。
(P.38)
小売りにおいて、
売り上げの見込める商品を仕入れることは、
大原則でしょう。
しかし、それだけでは、
需要を開拓することはできません。
他のお店と同じような品揃えになってしまえば、
差別化も図れません。
売る側から提案し、
それまで漠然としていた
ニーズを掘り起こすことこそが、
お店の独自性と
お客さまからの支持につながるのです。
(P.43)
売ることだけが目標ではなく、
提案やニーズの開拓が目的であるからこそ、
「より売れるもの」や「より高額なもの」を
そろえるようなことはしません。
たとえ安価な商品であっても、
お客さまにとって必要なものであると思えば、
高額な商品と同じように並べるのです。
(P.46)
差別化を図るためには、
独自の「価値観」が必要になります。
商品をただ集めて並べるのではなく、
そのお店ならではの価値観のもとに
提案するような品揃えを
考えなければならないのです。
これは、不振に陥っている
現実の店舗でも共通のテーマだと言えるでしょう。
(P.57)
売れそうな商品を展開すれば、
ある程度の良い結果が出ていた時代は
とっくに終わりました。
自分の主張を込めた提案で需要を生み出す。
これこそが、
小売りが不況を打破するために
求められていることなのです。
(P.81)
東急ハンズの店頭は、
さまざまなお客さまの要望に応え、
店員が提案するために、
たくさんの商品で埋め尽くされます。
他の店舗のように
「商品をいかに良く見せるか」ではなく、
「いかに多くの選択肢を提供するか」という
考え方なのです。
(P.92)
日々同じことを繰り返すだけで満足せず、
今なすべきことは何かを常に考え、
手間と時間を惜しまずに取り組む。
それはまるで、従業員の手によって、
東急ハンズそのものが毎日解体され、
新しくなっていると言えるほどです。
(P.113)
情報は、
ことさら美しく見せたり、
過剰な演出で目立たせる必要はありません。
そのまま提示されなければならないのです。
(P.159)
ハンズをハンズたらしめていた品揃えが、
経験を積むことで、
大胆ではない常識的なものになっているように
見えるのです。
「売れる」という小売業にとっての
「うれしい経験」を重ねることによって、
「平均的な答え」を出すことに慣れてしまったのです。
言わば、「裏付けのない冒険」より
「安定した結果」を選んでいるようです。
そうした常識的で平均的な品揃えにするならば、
従業員に求められる「資質」も変わってきます。
普通の商品を展開するのに、
専門的な知識や経験のある人を
採用する必要はないからです。
さらに、サービスも変化していくでしょう。
ハンズ独自のサービスではなくなり、
より一般的な
「小売店としてのサービス」へと、
その性格を変えていきます。
東急ハンズは、
小売店として経験を積み成長することで、
皮肉にも最大の特徴を失いつつあるのです。
(P.195~196)
商売の大原則である、
「お客さまの求めているものを売る」という、
ごく当たり前のことを続けなければ、
消費者に満足してもらうことはできません。
今の小売り業は、これができているでしょうか?
残念ながら、ノーと答えなければなりません。
景気の後退や競争の激化という荒波にのまれ、
確実で安全な経営を目指すべく、
「効率の追求」という禁断の果実に
手を出してしまっています。
その結果、
「ある程度の売り上げが確実に見込める」
最大公約数的な品揃えになってしまい、
お店としての魅力や独自性を打ち出せずにいます。
これでは、消費者を満足させることはできないはずです。
(P.219)
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
企業のステージの変化。
経営者の無難な判断。
著者はそれに巻き込まれたのですね。
最初はチャレンジングな方針が貫かれていても、
規模が大きくなるごとに
安定と無難な判断になってしまう。
おそらく経営者も変わったのではないでしょうか?
東急グループから
社長が送られてきているのかもしれませんね。
(未確認なのであくまでも予想です)
ただ著者が書いていた
ガンガン攻めていた頃の東急ハンズの実態は
確かにステキだなと思いました。
私自身は小売業に関わった事がないので、
小売業のことはよくわかりませんけど、
エッジに立って攻める姿勢は
経営者としても学びになりました。
そして最近はコロナ渦で
東急ハンズに行ってないので
久しぶりに行きたいなあと思いました(笑)。
それでは、また…。
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