ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

日本進化論 人口減少は史上稀なるチャンスだ!

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

人というのは本当に興味深くて、

全く同じ事象が目の前に現れても

受け取り方は千差万別なんですよね。

 

ポジティブに受け止める人もいれば

ネガティブに受け止める人もいる。

 

もっと詳細を語れば

100人いれば100通り。

そう言っても過言ではないでしょう。

 

しかし受け止め方次第で

その人の人生は大いに変わってきますね。

 

ましてジェネレーションギャップ的な観点を含むと

自分の世代の特徴的な考え方を

思い切って脱却しなければならない時もあります。

 

自分の受け止め方は正しいのか?

これからの未来に通用するのか?

変えるべき点はないのか?

 

そういった問いが必要不可欠だと思うのです。

 

自分とは違う人の考え方を知り、

自分をブラッシュアップさせていく。

 

私にとって落合陽一氏は

その考え方を是非とも知りたい方なんですね。

若者らしく、とてもユニークですから。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 日本進化論 人口減少は史上稀なるチャンスだ! です。

 

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本書をピックアップした理由

『 日本進化論 人口減少は史上稀なるチャンスだ! 』

落合 陽一 SB新書 を読みました。

 

私自身、50代となり、

自分の頭が凝り固まりつつあることを

痛感することがあります。

 

いや同世代と話していると

それはそれほど感じないですし、

若い方々と話していても

意外と自分のほうが柔軟性があるんじゃないか?と

思うこともしばしばあります。

図々しいですけどね。

 

ただ時々譲れない自分を発見したり、

考えを変えられない自分がいたりした時に

う~ん、このままではいかんなと思うことがあります。

 

そんな時の突破口になるのは

科学とテクノロジーではないかと思ってまして

そういう点で落合陽一氏の著書は

読んでおかねばならないと考えています。

 

日本進化論。

このテーマは興味深いです。

 

日本という国が進化するためには

私たち1人1人が過去から脱して

より良い行動を起こさねばならないでしょうから

これは読まねばと楽しみに読み始めたのでした。

 

目次

序章 テクノロジーと日本の課題を探る

  ー「現在」から「次の時代」のために

 

第1章 「働く」ことへの価値観を変えよう

  ーAI・高齢化時代の「仕事」を考える

 

第2章 超高齢社会をテクノロジーで解決する

  ー「免許証を取り上げなくて済む」社会のために

 

第3章 孤立化した子育てから脱却するために

  ー「新しい信頼関係」に基づくコミュニティで子育て問題を解決する

 

第4章 今の教育は、生きていくために大事なことを教えているか?

  ー「詰め込み型教育」と「多様性」を共存させる

 

第5章 本当に、日本の財源は足りないのか

  ー高齢化でもGDPが増えているデンマークに学べ

 

第6章 人生100年時代の「スポーツ」の役割とは?

  ー「健康」のための運動から「Well-being」 ヘ

 

感想

まず過去に読んだ落合陽一氏の著書を振り返ります。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

この2冊。

AIやITを中心としたテクノロジーの発展に

夢や希望を抱かせてくれる内容でした。

 

もともと社会人になったときには

システムエンジニアだった私です。

 

センスがなくて4年半ほどで辞めてしまい

その後は営業職として働いてきたわけですが、

テクノロジーに対しての興味は強いんです。

 

ただ本書はポリテックから始まり、

(ポリティクス+テクノロジー

上記の目次をご覧になっていただければおわかりの通り、

どちらかと言うと社会問題に切り込み、

解決法のひとつとしてテクノロジーがあるという

スタンスの内容でした。

 

これはこれで勉強になりましたけど

個人的にはもっとテクノロジーの領域で

グイグイ挑んで欲しかった感じはあります。

 

もともと「平成最後の夏期講習」という

ディスカッションの場を書籍化したものですから

その臨場感のようなものが感じられないと

文書にしてしまうと今ひとつ盛り上がりに欠けるような

少し残念なところはあります。

 

動画で議論は見れるようですが、

そこまでするほどの興味は湧かなかったです。

 

ただやはりユニークな発想や

落合氏らしい問題提起と解決方法の紹介は

さすがと思わせるレベルにあり、

読んでおいて良かったとは思いました。

 

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。

 

新しいテクノロジーが進展することで、

労働環境は

「AI(人工知能)+BI(ベーシックインカム)」的な働き方と、

「AI+VC(ベンチャーキャピタル)」的な働き方に

二分されることになると僕は考えています。

(P.81~82)

 

ここ数年ベーシックインカムの議論が出てきていますが

果たしてそこまで進むでしょうか?

 

すでに諸外国では社会実験されていて、

結果的にポジティブな要素もあるようですが

私は働くの多様化と

それに対する社会的評価が前提にないと

人として腐ってしまうような気がしています。

 

まあベーシックインカムは別として

労働環境の二極化は進む一方ですし、

むしろベンチャーキャピタル的な存在になるか

それ以外かという二極化のほうが

現実的に近いのではないかと感じました。

 

これからの働き方について考えるときに

大きな指針となるのは

「組織の論理にとらわれずに、

 コストを最小化し利潤が最大化されるよう、

 個人の判断で動き回るべし」という、

経済学の基本に則った原則です。

従来の、全員が同じ方向を向く仕事観とは真逆の考え方が、

今後はあらゆる領域において

運用されるようになると思います。

(P.84)

 

これは共感です。

ハッキリ言ってしまえば

公務員的な働き方、

サラリーマン的な働き方の終焉ではないでしょうか。

 

これから公務員やサラリーマンは

それこそ派遣やパートに近い働き方に

どんどん近づいていくように思います。

 

その真逆の方向が

ベンチャーキャピタル的な…ということですが

そのプロセスとしては

起業家となるとか

経営者になるなどの方向性かもしれません。

 

組織の論理を一新できるか、

旧態依然に従うか、

そんな分岐点が来るように思えます。

 

その証明となるのが

上場企業のエリートたちが

次から次へと

早期退職を促されていることではないでしょうか。

 

今の日本は、

人口の多い高齢者のための政策ばかりが行われ、

未来を担う若者へのサポートが軽視される

「シルバー民主主義」の時代だと言われています。

しかし、若者たちに十分な教育のサポートを提供しないと、

彼ら・彼女らは、10年後、20年後に

社会をより良い方向へと導いていく力を

身につけることができません。

未来のために、これからの時代に活躍できる力を

子どもたちに獲得させることが、

今の教育に求められているはずです。

(P.151)

 

シルバー民主主義。

何とも言えない情けない言葉ですね。

 

私は政治家こそ定年制を設けるべきで

それは65才とか、70才でいいと考えていますが

もっと若い政治家を増やすべきですし

極論を言えば

選挙の投票権も同様に年齢制限を加えてもいいかと思ってます。

 

そこまでしないと

シルバー民主主義は進む一方ですからね。

 

ただ若い方々が自民党を支持するのは

さすがに理解ができません。

 

野党があまりにもだらしないというのはありますが、

若い内は革新を求め、

年を取ったら保守を求めるというのが

筋として正しいんじゃないかと思うんですよね。

 

現状維持を求めたら

国力は下がる一方の時代なのですから

政権を握り続ける自民党に対しては

若者は厳しく接するべきではないでしょうか。

 

こんな国にしやがって冗談じゃないぞ。

若者の給料は全然上がらないじゃないか、

子供を持とうと思えないぞ、

自分たちだけ甘い汁を吸ってるんじゃないと

苦言を呈すべきだと勝手に思ってます。

 

たしかに詰め込み型の教育は効率はいいのですが、

その代償として、

柔軟に物事を考えるために

必要な能力が欠けてしまいます。

人生100年時代」といわれる時代、

生き方のキャリアプラン

より多様なものになっていくでしょう。

その中で、

「自ら問題を設定し、

 その解決を考えていく」という方向への

教育のアップデートが求められていると、

僕は考えています。

(P.157)

 

これも大賛成です。

キャリア論としても同意します。

 

これからの時代、

まず問題を見つける能力が必須ですし、

問題に対して

複数の解決策を打ち出せないと

なかなかよいキャリアは得られないと思います。

 

当然、教育もそういう人間を作り上げるべきですし、

旧態依然とした教育システムこそが

この国の国力低下の大きな要因であると感じます。

 

今のままで良いわけがありませんよね。

 

若い頃には活発に運動するが、

中年になると運動の習慣を失い、

高齢者になってから再び運動をはじめる、というのが、

日本人のスポーツとの付き合い方のようです。

(P.207)

 

これは私自身もこのパターンに陥っているだけに

反省と後悔の念があります。

 

スポーツ大好き人間だったのに

30代、40代、そして50代では

ほとんど身体を動かせていません。

 

健康管理はすべての活動の根幹ですから

少しでもスポーツしなければ…と思いました。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

過去読んだ落合氏の著書と比較すると

若干インパクトが弱いというか、

少しまとまり過ぎた感じを受けました。

 

もっと尖がっていて欲しいという

期待の裏返しかもしれませんが、

落合氏には40代、50代のおっさんたちを

駆逐するくらいの勢いを持っていて欲しいので

少し厳しめの評価としました。

 

ただ勉強にはなりますし、

社会問題の実態を知るのは良い本だと思います。

 

それでは、また…。

 

 

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