ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルへ

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

世の中は変わる。

時代は変わる。

もうこればかりは不変的なものですね。

 

好む好まないに関わらず

それが自然な姿とも思います。

 

それなのに自分を変えようとしないというのは

やはり巨大なリスクであると思いますし、

特に年齢を経れば経るごとに

どうしても頭が固くなったり

既得権にしがみついたりして

変わることを恐れたりするものです。

 

私自身も気を付けなければと思ってますが、

もともと新しもの好きなところがあって

旧態依然とするのが嫌なので

今のところは変化の先鞭に立ちたい思いのほうが

かなり強かったりします。

 

そのためにも新しい動きは抑えておかねばなりません。

純粋に興味がありますし、

何より面白いんですよね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルへ 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

サブスクリプション 製品から顧客中心のビジネスモデルへ 』

雨宮 寛二 角川新書 を読みました。

 

いつの間にか私たちの暮らしに溶け込んできた

サブスクリプション

 

私自身もAmazonプライムを始めとして

いくつかサブスクを利用しています。

 

本書は少し前に購入済みで

かなり関心は高かったので

もっと早く読めば良かったのですが

他に読みたい本がたくさんあって

若干後回しになってしまいました。

 

私の経営する会社は

サブスク的な動きが取りにくいとは思うけど

それでもこれだけ世の中に広まったのだから

概念としては知っておかねば、

学ばねばと思ってました。

 

2019年7月に発行された本ですので

あまり先延ばしにすると時代に遅れてしまうと思い

焦って読み始めた次第です。

 

目次

第1章 所有から利用へ 

     --サブスクリプション時代の到来

 利用する消費行動の最上位に位置するサブスク3.0

 サブスク・コマースで成功する条件

 継続購入に成功しているサブスク

 顧客ファーストのサービスでV字回復

 サブスクシフトで復活した老舗メガテック企業

 

第Ⅱ章 サブスクリプション・エコノミーの創出 

     --デジタル化と融合するサブスク

 サブスクリプション・エコノミーを促進する要因

 シェアリング・サービスの基盤となるサブスク

 プラットフォーム型事業を展開する行動戦略

 ネットフリックスのSVOD戦略

 Amazon プライム・ビデオのコンテンツ戦略

 

第III章 米国を席巻するサブスク・ボックスの波 

     --製品中心から顧客中心へ

 ミールキットサブスクの成長戦略

 バーチボックスのキュレーション型サブスク戦略

 ダラーシェイブクラブの価格転嫁戦略

 スティッチフィックスのデータ主導型モデル

 ショッパーを活用したインスタカートの戦略

 

第Ⅳ章 未来社会に広がる成長機会 

     --新たなる成長機会を捉えるサブスク

 肩車社会で企業は消費需要をいかにして取り込むのか?

 日本は階層帰属意識の分散傾向が強まり格差社会が進展

 AI実用化で産業構造が変わる

 スマート化が期待される分野

 自動化は人類に何をもたらすのか?

 

第V章 モノを売る時代の終焉 

     --すべての消費を飲み込むサブスク

 自動車産業の新たなる競争領域の創出

 コンテンツ業界で革新的な流れを生み出すサブスク 

 サブスクへの移行が進むゲーム市場

 データドリブンで会員を集める外食産業

 未来の暮らしに不可欠となる究極のサブスク・モデルとは?

 

感想

ちょっとちょっと…

サブスクって私の想像以上に

様々な会社が取り組んでいるのですね。

 

業界、業種を問わず

新たな参入が引きも切らない感じでしょうか。

 

もっと早く読んでおかねばならなかったかも。

そして経営者はすべからく

読んで知っておくべきですね。

 

完全に時代はサブスクであり、

社会はサブスクを求めていると言えるかもしれません。

 

本書では

第Ⅰ章でサブスクの現状や概要を

わかりやすく説明してくれており、

第Ⅱ章では

ネットフリックスやAmazonなど

代表的なサブスクを例にして

具体的な事例を提供し、

第Ⅲ章では

アメリカで次々と生まれている

新たなサブスクを教えてくれて

第Ⅳ章では

サブスクが広がる社会的背景について

AIを中心に説明し

第Ⅴ章では

これからさらに広がるであろう

新たなサブスクについて予測してくれています。

 

率直に言って

大変に面白かったです。

 

特に第Ⅳ章ですね。

ここがあってのサブスクの進化であり、

社会的な背景がサブスクを求めていたと

言えるのかもしれません。

 

場合によっては第Ⅳ章を読んでから

第Ⅰ章、第Ⅱ章、第Ⅲ章と読むといいかもです。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介いたします。

 

「所有」から「利用」への変化は、

まさしくビジネスに広がる成長機会です。

それは成長への

新たなる道筋として置き換えることもできます。

なぜなら、利用の中心に位置するサブスクが、

今ではあらゆる産業やビジネス分野に取り入れられ、

潜在需要を顕在化させ、

製品中心から顧客中心への変革を

創り出しているからです。

経営の財務基盤として機能するだけでなく、

ビジネスの常識を塗り替えているのです。

(P.5)

 

一括では買えないけど

月々払いなら買えるみたいな感じもありますが

何もかもを所有するのではなく

必要な時に、必要なだけ、賢く利用し

買うより安いというのは

消費者にとっても有難いのでしょうね。

 

サブスク・コマースでのマネタイズのポイントは、

「安定収益モデル化による長期的な財務基盤の確保」になります。

その将来価値は、

定額料金に時間を掛けることで表せます。

すなわち、利用者が契約してから

解約に至るまでの

「ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)」です。

これは、売り切り型の製品や

サービスの収益モデルとは大きく異なる点です。

ライフタイムバリューで重要となるのは、

途中解約をいかに少なくするかという点です。

チャーン・レートを限りなく

ゼロに近づけるようなサービス化が

重要になって来るわけです。

(P.56)

 

消費者のメリットだけではなく

企業側にも安定収益と長期的な財務基盤という

大きなメリットがあるのですから

そりゃ流行るのは自明ですね。

 

価格を抑えることと

店舗に行く手間を減らし

時間を節約することの2つは、

今日、補充型サブスクを選ぶ人が

増える推進力になっています。

そのため、サブスクの利用者は

収入と時間の両面で自由度が高くなり、

平均よりも余裕のある生活を送ることができるのです。

(P.112)

 

買い物好きな人もいるので

モノによってとはなるのでしょうけど

私のようなズボラな人間には

サブスクは本来的に向いているのですね。

 

格差が大きくなり貧困層が増大すると、

貧困層を中心に健康状態が悪化し犯罪数も増え、

税金を納めることのできない人が増えます。

概して人々の健康状態は平等な社会ほど良く、

不平等な社会ほど悪くなります。

経済格差が大きいと、

たとえ豊かな社会であっても、

人より大幅に所得の低い人たちの多くは、

公共心や連帯感を失ってしまいがちになります。

なぜなら、そういう人たちは、

生活の中であまり不自由を感じなくても、

社会に強い不満を持ち、

より豊かな人々に対して反感を持ち易くなるからです。

公共心や連帯感の喪失は疎外感の増幅を伴うことから、

精神的なストレスが高まるなど

健康状態の悪化を招くと共に、

犯罪数の増加を招くことにもなります。

さらに、経済格差が大きくなれば、

先述したように税金を納めることができない人が増え、

社会保障支出が増大することにもなるのです。

(P.204~205)

 

これでいいとは思えませんけど

自民党政権がやってきたのはこの通り。

つまり弱者の切り捨て。

どこかで貧困に落ちた人の反撃がありそうだけど。

 

将来的に現在の社会保障システムが立ち行かなくなり、

ベーシックインカムといった

新たな制度が導入されたとしても

貧困の連鎖を完全に断ち切ることは難しいと思われます。

格差社会は、アンダークラスの激増のみならず、

次節でも述べる人工知能(AI)の代替といった問題など

複合的な要素が絡み合って進展していくのです。

貧困層を中心に可処分所得がさらに減少することになれば、

生活の中で購入するモノは必然的に限られるようになると共に、

消費形態が「利用」中心になるのは当然のこととなり、

所有するという意識は益々小さくなっていくと考えられます。

(P.206~207)

 

一億総中流から極端な二極化へ。

我々庶民に必要なのはキャリア思考ではないでしょうか?

 

アマゾンは個人の消費行動の

インテリジェンス化をネットに持ち込み、

潜在需要を顕在化しました。

ディープラーニングにより

消費行動に対する分析能力が

飛躍的に高まることになれば

モノやサービスを高く売ることも可能になります。

つまり、人間は概念を消費するので、

如何にして概念をAIにより作り上げるかが

重要なポイントになってくるのです。

(P.221)

 

 

概念の消費。

なるほどなぁ。

でもエモーショナルな部分も

実は大きいんじゃないかな。

 

ディープラーニングなどAIによる技術の進歩は、

確実に生産性の向上をもたらし、

私たちの生活を豊かにしてくれると言えるでしょう。

しかし、全ての人々が一律に豊かになるとは限りません。

AIにより生まれた富は、

一部の人たちに分配されることになり、

富の分配は以前にも増して深刻になります。

なぜなら、資本所有者の所得は増えるのに対して、

労働者の所得は減少するからです。

(P.222)

 

だから賢く消費するために

サブスクが利用されるというところでしょうか。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

本書は経営者や管理職は皆さん読むべきと思います。

そして1人1人がリアルな社会背景を分析し

できることに着々と取り組んでいく。

 

サブスクのさらに先みたいな議論もあるでしょうけど

今までとは違う

ビジネスを模索することが必要になりそうです。

 

実に勉強になりました。

 

それでは、また…。

 

 

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