ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

維新前夜 スフィンクスと34人のサムライ

 

おはようございます。

 

医療現場で奮闘する医療従事者に

シェアハピネスの輪を広げる

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

本を買う時に

タイトルや帯、表紙が何か気になり

つい手が伸びる事ってありませんか?

 

私はあります。

本書はまさにそのパターン。

 

ですが経験的にこのパターンは

わりと当たるケースが多いように感じます。 

 

本日のブログのタイトルは、

【 維新前夜 スフィンクスと34人のサムライ 】

といたしました。

 

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本書をピックアップした理由

『 維新前夜 スフィンクスと34人のサムライ 』

鈴木 明 小学館ライブラリー を読みました。

 

上記の写真…。

思わず二度見しませんか?

 

私はしてしまったのです。

サムライがスフィンクスをバックにして

写真に納まっている?

 

ん?なぜ?

本物?

つい興味を示して中をパラパラめくってみると

なかなか面白そうな内容。

 

どうしても明治維新というのは

官軍、つまり薩長側のロジックで書かれており、

舞台は京都であり、江戸であり、薩摩や、長州である訳で

そうじゃない明治維新…。

 

しかも維新前ですからね。

これは何だか面白そうだぞと思いまして

購入、そして読み始めた次第でした。 

 

目次

第1章 「スフィンクス写真」の謎

第2章 元治元年二月二十八日カイロの朝

第3章 「洋銀の相場が下がると、大損をするのだ。わかるか?」

第4章 アメリカ公使館に勤めた三人の若きサムライ

第5章 上海「アスター・ハウス」のチョンキナ 

第6章 独立国とは何か?

第7章 トルコ風呂と「民族独立」

第8章 巴黎斯サイトー・ケンの登場

第9章 「これが、製鉄というものだ」

第10章 パンタルーンに穿きかえたサムライ

第11章 祭りのあとに

終章  百二十二年後「真珠湾攻撃」五十周年の夜 

 

感想

いや~大当たり。

メチャクチャ面白かったです。

 

特に歴史好きではなくとも、

大まかな流れだけ理解していれば

かなりワクワクしながら読めると思います。

 

物語は1枚の写真から始まります。

スフィンクスの前で写真に納まる武士たち。

エジプト写真と呼ばれるそうですが

これは誰なのか?

どうしてこのような写真が存在するのか?

 

まずは写真に写る27人の武士たちの背景を語ります。

この池田使節団と呼ばれる一行が

エジプトにおいて何を目的にどんな行動を取ったのか?

 

時は幕末。江戸時代後期。

この時代に撮られた写真には珍しく

いつ誰が写っているのか

詳しくわかっているというのも奇跡のような話しですが、

ここからはさらに面白い。

 

使節団のメンバーがどのように選ばれたのか?

それぞれの経歴や専門性、

江戸から横浜、上海、香港、サイゴンシンガポール

セイロン、アデン、エジプト、マルセイユ

そして陸路でパリに。

 

ある種の旅行記としても楽しめますし、

世界を知らない日本人が何を見て、何を感じたのか?

歴史としても実に興味深いです。

 

三宅復一と名倉子何人の2人を中心として

ストーリーは展開されるのですが、

両名の個性と使節団の他のメンバーとのやり取りも

これがまた実に面白く、

また各地で出会う人々との交流も非常に楽しめます。

 

どうしても明治維新

幕末期に活躍した

西郷隆盛大久保利通木戸孝允などを中心に語られがちですが、

徳川方の家臣団にも

こんなにユニークで、優秀で、

学ぶ意欲の高い人たちが存在したというのも意外でした。

とても魅力的な方々です。

 

そして最後は池田使節団一行のその後…。

不幸にして若く亡くなる方もいましたが、

やはりこれだけの選抜メンバーに入る方々ですから

明治政府で活躍した方も多いです。

 

特に本書での主人公、三宅復一は

東大の前身である東京大学校の中教授からキャリアをスタート、

34歳で東京大学医学部長に就任、

その後は貴族院議員にもなっています。

 

父親が医師であったこともあり、

一般医学から公衆衛生、

伝染病の予防、検疫制度、貧民救済、

大学の医学組織、法医学、看護師養成に

力を注いだようです。

 

維新前夜の歴史を学ぶつもりでしたが、

どうも私は医療にご縁があるようで…(苦笑)。

 

大満足の良書でした。 

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点とします。

 

当然フィクションではありますが、

ルポタージュのような良さがあります。

 

それだけ著者が取材、研究をした結果なのでしょうが、

自分もその場にいるような臨場感、

そして新発見の連続である登場人物たちへの共感、

時代の変革期だからこそのダイナミックさを感じました。

 

久しぶりに貪るように読んでしまいましたね。

 

明治維新の陰で、

これだけの若者が挑戦していた。

時代を変える礎となった。

 

現代社会に生きる我々も

ある意味では時代の変革期に生きているともいえ

やはり賢者は歴史から学ばなきゃね…と

つくづく思いました。

 

それでは、また…。

 

 

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