おはようございます。
毎日の読書が欠かせない
医療コンサルタントとして学び続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
あくまでも個人的な見解ですが、
自分の読みたい本を読むことも大切です。
しかし人が読みたいだろう本、
人が読んだら参考になるだろう本を読んで、
それをご紹介するのも大事だと考えています。
特に私のように書評ブログを書く人や
コンサルタントを生業とする人には
必要な発想ではないでしょうか?
今回ご紹介する書籍は、
【 ダン・S・ケネディの世界一シビアな「社長力」養成講座 】です。
本書をピックアップした理由
『 ダン・S・ケネディの世界一シビアな「社長力」養成講座 』
ダン・S・ケネディ ダイレクト出版 を読みました。
実はダン・S・ケネディ氏の著書は
以前にも読んだことがあります。
この価格戦略も非常に勉強になりまして、
評価は満点としています。
ですからダン・S・ケネディという方は
何となく頭にインプットされていて
本書を見つけた時には
あ!これは読まねば…と思ったんです。
今回は社長力養成講座ですからね。
自分自身の勉強というのもありますが、
病院経営者や開業医の先生方、
またこれから開業を目指す先生方にも
参考になるんじゃないかな?と思い、
おススメするか?スルーするか?を
チェックする為にも読み始めた次第です。
目次
00 はじめに
Part01 従業員を働かせる情け無用のマネジメント
02 雇い主と従業員の本質的な関係
03 シェルビーの弁解リスト
04 ウィリー・ローマン症候群
05 プログラム
06 経営面で何より重要な2つの判断
07 誰もが役に立たなくなる
08 ビジネスにおける最悪の数字とは
09 雇用はゆっくり、解雇は素早く
10 重大なファクターの4 1 2 番目:
役に立つ従業員と取引先を見つける方法
11 リーダーシップは過大評価され過ぎている
12 主人はマーケティング、ほかはみな「下僕」
13 遊ぶネズミたち
14 店を離れて煙草を吸う
15 「ホリデイイン」の電話── 警告システム
16 「私たちと同じような」コソ泥
17 壊れ窓理論、綻びのあるビジネス
18 一方で、それでよければ、それでいい
19 「しかし、うちの会社は特別なんです」
20 今のペースで経営するか、もっと効率的に経営するか
Part02 従業員に稼がせる情け無用のマネジメント
21 全従業員の仕事を「利益センター」にするには
22 よい仕事をさせなさい。
そうすれば、より多くを要求できる(しかも、素早く解雇できる)
23 ルールに当てはまらない事例
24 公平性などくそくらえ
25 勝者にはご褒美
26 特別賞与が義務になる瞬間
27 数値化がモチベーションを上げる
28 楽しい仕事場は生産的な仕事場か?
29 鈍感な人を採用する
30 セールスプロセスを管理する
31 セールス部門とマーケティング部門の価値を最大限に生かす
32 セールスのプロを管理する── 精神的なハードルを越える
33 ミッションはトップシークレット!?
34 口コミを徹底的に管理する
35 それは「達成」ではなく、「活動」にすぎない
36 スピードが命
37 急成長するビジネスを情け容赦なくマネージする方法
38 こちらにどう連絡を取らせるべきか
39 会議の開き方
40 食べさせていれば愛想がいい
41 私がそれをできない理由
42 そもそも「利益」とは何か?
43 数字によるマネジメント(適切な数字?)
44 集団的無能と大不況の時代から利益を得る方法
45 次の1 2 カ月で
46 ビジネスを最も効果的に終える9つのステップ
47 サポートサークル
感想
実に示唆に富む著書です。
経営者から見れば
そうか、そういうことか、
よくわかったぞ…
うちもこうすればいいのか!?と
思うところも多いでしょう。
しかし労働者から見えば
何だ、この本。
人を人と扱ってねえな。
だいたいアメリカと日本では
雇用環境が違うんだよ…と
思う方も多い事でしょう。
それでいいんじゃないでしょうか?
本書はあくまでも社長向けの本です。
医療業界で言えば院長向けの本です。
いずれ経営者になりたい方には
このシビアな物言いは
いつか理解できると思います。
でもごく普通の方が
経営を学ぶというモチベーションで読むには
ちょっとキツすぎる感はあるでしょうね。
ところが経営者にとっては
必須の書籍であると私は感じました。
病院長、開業医の皆様には
絶賛おススメをいたします。
別にこの通りにしろって話しではありません。
それぞれの組織が持つ文化や伝統は
大切にした方が良いと思いますし、
確かにアメリカ型の経営手法が
そのまま日本で通用するかといえば
NOと言わざるを得ないでしょうしね。
ただトップの心の中には
これくらいのシビアさが必要だとは思うのです。
ですから本書に書かれていることを
そのまま実行するのではなく、
このエッセンスを吸収し、
日本流、自組織流にアレンジして
ジューサーでさらにかき混ぜて
オリジナルにして実行するのが良いと思います。
経営者としての視点や考え方、
シビアにチェックしなければならないポイント。
そういうものがよく理解できます。
それではここで恒例の私がグッと来た箇所を
ご紹介します。
従業員を雇う唯一の理由は、
彼を雇うことによって
雇うことによるコストの
何倍かの利益を上げることができるということなのだ。
残念なことに、
きわめて不合理な理由のもとに
従業員を集めている人々が少なくない。
(P.44)
CEOとしてのあなたの最大の責任は、
会社の収益と出資者の利益を最大化することだ。
(P.44)
従業員は基本的にレンタルしている資産である。
レンタルしているものには
毎月支払いをしなければならない。
設備・備品の場合と同じだ。
(P.50)
誰もがいつかは役に立たなくなる。
あなたも例外ではない。
役に立たなくなった者は、
放逐されなければならない。
それが例え自分自身だったとしても。
(P.63)
雇用はゆっくり。
解雇は素早く。
(P.71)
人々の過半数は常に間違っており、
過半数には可能な限り
従わないことによって最も多くを得ることができる。
(P.72)
ビジネスオーナーにまず教えることの1つは、
「手助けしてくれる人間を雇うべし、
ただし適切な人物を!」ということだ。
(P.78)
すべての社員の仕事は、
「解決策を見つける」ことであって、
仕事を妨害することではないこと、
また、チャンスをねじ伏せて
息の根を止めることではなくて、
やってきたチャンスを生かす努力をしながら
前に進むことだということ。
(P.97)
あらゆる例外はルールの機能を失わせる。
生産性、つまり利益はどんな抜け穴からも逃げていく。
(P.104~105)
世の中に善良な人はわずか5%しかいない。
(P.128)
完璧主義は「思考停止」だ。
完璧主義はコストがかかりすぎる。
完璧主義は、ビジネスにおける成功と失敗の現実から
目をそむけることだ。
(P.148)
ここであなたが発揮すべきリーダーシップは、
あなたのビジネス分野において
「顧客が最も重視するのは何か」対
「最も重視しないのは何か」を正確にはじき出すことだ。
大事なのは、
「何があなたにとって重要か」ということでもなければ、
「顧客にとってはこれが重要であるはずだ」と
あなたが思うところのものでもない。
大事なのは、
「何が顧客にとって重要であるか」ということだ。
(P.152)
成功するには2つの方法がある。
1つは、就業ベルを待たずに
いつでも好きなときに帰れるほどの重要ポストに就くこと。
もう1つは、ほかの従業員が帰っても
残業しなければならないほどの仕事を見つけること。
後者の特典を利用したものだけが、
前者の特典に浴すことができる。
それを成功者という。
(P.172)
「モノを売るシステムがなければ、
モノを買う顧客のシステムの言いなりになってしまう」
私はこれに一言つけ加えたい。
「顧客のモノを買わないシステムの言いなりにもなってしまう」
(P.209)
潜在顧客は、
自分たちが買う準備が
できたときに買うのであって、
あなたが売る準備ができたときに
買うのではない。
(P.223)
忙しいだけでは十分ではない。
アリだって忙しい。
大切なのは、
何をして忙しいか、なのだ。
(P.244)
始めたプロジェクトはいつでもやめられるが、
始めてもいないプロジェクトを完成させることは
不可能なのだ。
(P.255)
準備ができる前に行動し、
一部しか成功しないことを理解しながらも
複数のプロジェクトを同時に進め、
ほかの人にもスピードをあげるように指示している。
(中略)
「スピードが命。競争力に欠かせない要素だ」
(P.255)
あらゆる関係、あらゆるものごとは、
入るのは簡単だが出るのは難しい。
逃げ道を用意せずに入ってはいけない。
出口について前もって取り決めないまま
関係を築いてはならない。
(P.258)
考えを翻すことを恐れるな。
理由がなんであれ、
トラブルが大きくなると判断したら
すぐにでもプロジェクトを打ち切って
その状況から逃げ出すこと。
(P.259)
自分の会社なのだから、
あなたは善意の独裁者になるべきだ。
(P.263)
しばしば顧客に「ノー」と答えることで、
基本戦略に集中し、
自分の最も得意とする分野で
スペシャリストの地位を確立し、
より大きな成功を手にできるようになる。
(P.264)
どのような危機の中にも、
それと同等あるいはそれ以上のチャンスの種が
1つまたはそれ以上存在する。
頭の回転も行動も早い人間は
自分自身の経済をつくり上げられるのだ。
(P.309)
産業革命は大昔に終わったが、
サービス革命は始まったばかりだ。
(P.310)
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
上記をお読みになって頂ければ
かなりシビアな内容であることが
ご理解頂けると思います。
なかには嫌悪感を抱く方もいらっしゃるでしょう。
でも経営者の皆様には
刺激になること間違いなしです。
思い出しながら読みました。
経営は厳しいものです。
従業員にスパルタ的な働きを求める時もあるでしょう。
しかしそれは利益を出して
従業員に還元し、
サスティナブルカンパニーになるために必要なのですね。
まあアメリカだからだよね…という部分はありますが、
部分部分を取り入れて
日本流に、自社流に組み替えて
実行すればいいのだろうなと思いました。
意外とマーケティング的には
かなり私の考えに近い部分もあり、
そうなんだよな~、
主語は相手なんだよな~と
感銘を受けるところもありました。
医療機関の経営者の皆様にもおススメいたします。
社長は必読だと思います。
それでは、また…。
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