ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

江戸三〇〇年大名たちの興亡 戦国武将から最後の殿様まで

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

長く転職シーンで仕事をしていると…

・個人

・組織

・社会(時代、環境)

 

これらのトータルバランスが

成功の為には欠かせないとつくづく思いますし、

逆に言えばいずれかに傾き過ぎると

失敗要因になりかねません。

 

人とは自分1人で生きているのでなく、

濃いか薄いかは別にして

いくつかの組織に所属しているわけですし、

その延長上で社会のなかで生きているのですね。

 

いや、むしろ生きているというより

生かされていると言ってもいいかと思います。

どうにもならないことって多いですからね。

 

自分の思いと組織の思い、

そして社会や時代や環境が

そのバランスを受け入れるのか否か。

 

物事が上手く行く時は

驚くほどにすべてが整うものですし、

上手く進まない時は

何をしても、どんなに工夫をしても

これっぽっちも動かないのですね。

 

そういうものを

今まで何万というケースで見てきましたので

私自身、もっと人というものを深く知りたいとか、

社会の仕組みや構造を知りたいというようになり

そのひとつとして「歴史から学ぶ」ということを

かなり意識するようになりました。

 

時代は異なっても

歴史には必ず人がいて、

様々な組織があって、

その時代ならではの社会がありますからね。

 

すでに答えが出ているということもあり、

冷静に振り返ることもできますから

私は歴史を学ぶ意義や価値は大きいと感じています。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 江戸三〇〇年大名たちの興亡 戦国武将から最後の殿様まで 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 江戸三〇〇年大名たちの興亡 戦国武将から最後の殿様まで 』

江宮 隆之 学研M文庫 を読みました。

 

江戸時代というのは

私たち日本人が

世界に誇れる時代ではないかと思ってます。

 

織田信長豊臣秀吉と続いて

戦乱の世の中を徳川家康が一旦治めました。

 

小さな諍いや紛争はあったものの

太平の世を260年間も続けたのは

世界史的に見ても奇跡のようなものではないでしょうか。

 

そこで本書です。

表紙は私の好きな人物文庫に似ています。

 

ka162701.hatenablog.com

 

この手の本は

上っ面をスーっとなでるだけのものが多いですが

本書は江宮隆之さんが書かれていますので

そんなに浅くはないだろう。

 

江戸時代の通史を振り返るのは良さそうだし

読んでみるか!と思い手に取ったのでした。

 

目次

序章 現代社会に似た人間模様

第1章 戦国武将たちの決断ー関ヶ原合戦が分けた明暗

第2章 譜代大名盛衰記ー股肱の臣も大変だった!?

第3章 親藩たちの運命ー将軍候補から外れた息子たち

第4章 外様大名の処世術ー改易の嵐を生き延びる

第5章 側用人の時代ー官僚大名の誕生と御家騒動

第6章 御三卿の成立ー大名家ではない徳川一門とは?

第7章 最後の殿様たちの矜持ー幕末・維新に徳川に殉じた若き小大名たち

 

感想

こんなことを言ったら

大変失礼かとは思いますが、

そもそもそれほど大きな期待を持っていたわけではなかったのですが、

この本は非常に面白かったです。

 

とても大きな学びとなりました。

 

意外や意外、

誰もが知っているありふれた内容ではなく、

短い文章のなかでも

ふ~ん、そうなんだ

え!そうなの?と

新たな発見が実に多かったです。

 

例えば加藤清正福島正則という武将は

おそらく多くの方が知っているでしょうし、

石田三成と対立するなど

いわゆる武断派 vs 文知派の争いがあったわけですけど

そういったありふれた内容を書くのではなく

意外性のある史実を披露してくれていて

今までの薄っぺらいイメージを覆してくれるなど

非常に参考になりました。

 

本書は関ヶ原の戦いで東軍が勝利して以降、

その東軍の親藩、譜代、外様のそれぞれの大名が

江戸時代に入ってからどうなったのかを

丁寧に説明してくれます。

 

明治維新まで生き残った大名もいれば

早期に改易や取り潰しとなった藩は多く、

親藩や譜代など徳川家に近くても

スパッと切られてしまうことがあるのも

興味深かったです。

 

上記の目次を見ていただければわかるように

上手くカテゴリー分けをしてくれており、

それがわかりやすさに拍車を掛けてくれているのですが、

合わせて江戸時代と言っても

初期と中期と後期では

全く異なる治世をしており、

いやせざるを得なかったというところもあるのでしょうが

その点は時代の変化として抑えておくべきなのでしょう。

 

どうも江戸時代なんて言うと

わりと平和な時代がずっと続いていたイメージが強いですが、

それは一面の真実ではあるのですが、

それだけじゃないというところが面白いですね。

 

一応ですね、

歴史好きを広言している私ですし、

学生時代から歴史、特に日本史は強かったので

そこそこの知識は持っているつもりですが、

そんな私でも本書は「え?」「はあ?」「そうなんだ?」と

驚きの連続が多かったのは確かです。

 

特に秀逸だったのが第7章の

「最後の殿様たちの矜持ー幕末・維新に徳川に殉じた若き小大名たち」です。

 

全く知りませんでした。

学校の授業で出てくる大・大名や

ネームバリューのある大名だけではなく、

小さくてもキラリと光るような小大名へも

スポットライトを当ててくれているのが

本書の素晴らしいところです。

 

とはいえ文庫ですから

すでに歴史に詳しくて

深く深く追求したい方には本書は不向きかもしれませんが、

そこそこの知識をフラッシュアップしたいとか、

純粋に歴史もの、江戸時代ものを楽しみたい方には

本書は強くおススメできます。

 

よくあるエピソードの裏にあるもの、

少し離れたところにあるもの、

ちょっとだけ脇にあるもの。

 

そういうところを浮き出たせてくれて

私としてはこのズレた感がたまらなく良かったです。

 

やはりあれですね、

歴史も教科書に出てくるものだけ知ればよいものではなく、

知れば知るほどに

本当の姿に近づくというか

興味深い真実が隠されているものですね。

 

率直に言って

メッチャ当たりの1冊でした。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

それほど歴史に詳しくない方や

あんまり歴史が好きでない方でも

本書は楽しめること間違いなしです。

 

著者もまえがきやあとがきで述べていますが、

歴史ってやはり人ありきなんですよね。

 

そして大名、藩は組織です。

江戸時代という社会のなかで

ずっと変わり続けてきたのですね。

 

単に歴史を学ぶとか、

江戸時代や大名や藩主を学ぶというのではなく、

前述したように

人を学ぶ、社会の仕組みを学ぶという観点でも

本書はとても良い学びを与えてくれます。

 

まさに…

賢者は歴史に学ぶ、愚者は自らの経験に学ぶ。

そういったところです。

 

現代社会を生きる我々にとって

江戸時代は学びが多いのかもしれませんね。

 

望む望まないは別にしても

常に時代は、社会は、動き続けるわけで、

ずっと変化し続けています。

 

それをどう見極めて、

個々の人間として

私たちはいかに自分をより良い道に乗せていくのか。

 

本書を読むと

そのヒントが手に入ると思います。

 

それでは、また…。

 

 

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