ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

東郷茂徳 日本を危機から救った外相

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

政治について語るのは

ビジネス上ではタブーとされますし、

支持政党は人によりけりですし

政策についての評価も人それぞれでしょう。

 

良好な人間関係を維持するためには

なかなか発言しにくいところがありますね。

 

でも歴史であれば

現代よりは語りやすいでしょうか。

 

逆に言えば

歴史を知るからこそ

現代を正確に語れるようになるのかもしれません。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 東郷茂徳 日本を危機から救った外相 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

東郷茂徳 日本を危機から救った外相 』

阿部 牧郎 人物文庫 を読みました。

 

もうルーチンワークのようになってきた

人物文庫シリーズからです。

 

見つけては購入、購入したら読む。

ここ数年の私の人生において自然な行為となっています。

 

今までかなり読み込んできたつもりですが

まだまだ出会えていない本も少なくありません。

 

私にとっては

死ぬまで読み続けていきたい

価値あるシリーズです。

 

ka162701.hatenablog.com

 

その中から今回は東郷茂徳をピックアップしました。

ん、確か外務大臣だったよね?

 

私の知識はお恥ずかしながらその程度です。

でもその程度だからこそ

スポンジに水が沁み込むように

圧倒的に吸収できることでしょう。

 

学ぶ気が満々で読み始めたのでした。

 

目次

序章  共同墓地の巨人

第1章 同盟前夜

第2章 孤影

第3章 火祭

第4章 モスクワ

第5章 戦争

第6章 敗戦

解説

 

感想

いやはや…無知とは恐ろしい。

一応、歴史好きを広言してきたことを

恥ずかしく思いました。

 

東郷茂徳

もっと知らねばならなかったし、

今まで興味を持たなかった自分が恥ずかしいです。

 

大東亜戦争が始まった時の外務大臣であり、

大東亜戦争が終わった時の外務大臣でもある。

 

一貫して戦争には反対であり、

ドイツ、ソ連の大使の経験もある。

 

歴史の流れのなかで

なぜか中心的な位置に置かれることになり、

東郷なりの正義感を持って

誠実に仕事をこなしてきた結果が

重要な時期での外相就任に繋がるわけですが

あまりにも運命に翻弄されたという感じでしょうか。

 

軍部の横暴と戦い続けながらも

戦争阻止に動き続けていたのに

結果的には戦争に巻き込まれてしまう。

 

東郷を理解して

本当の意味で期待していたのは

天皇陛下と外務省の部下たち、

そして家族くらいだったのかもしれない。

 

当時は軍部の力は絶大であり、

特に陸軍は5.15事件や2.26事件など

人の命を奪ってでも

陸軍の論理を貫こうとしてきたわけで、

まして軍事力というパワーに抗えるものはなく

結局、なるようになったというのが

歴史の必然と言えるのかもしれません。

 

東郷の幼少期や若き日の恋人のトピックス、

奥様との出会いなども

東郷の人となりを現わしていて

孤高の外務大臣として

軍部と丁々発止のやり取りができる

人格の一端を現わしていて実に興味深い。

 

この人だからこそ実現できたことなのでしょう。

 

あの時代に軍部と争うのは

文字通り命を懸けた挑戦であり

多くの人が軍部を恐れ

言いたいことも言えない状況の中で

東郷だけは恐れ知らずで突っ込んでいったのが

とても印象的です。

 

他には齋藤隆夫くらいではないでしょうか?

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

齋藤隆夫についても

これからも機会があれば学んでいきたい人物ですが、

東郷茂徳も同じような特性を感じました。

 

こういう人でないと

社会は変えられないと思いますし、

こんな知性、知的な人物を

軍部は一刀両断しようとしていたのですから

ホントあの当時の軍は腐っていましたね。

 

沖縄を占領され、

広島、長崎に原爆を落とされて、

ソ連が参戦してきても

まだ本土決戦だ!と喚いていたのですから

彼らには国民の命よりも

軍人としてのつまらないプライドが優先されて

存在価値を自ら放棄していたように思います。

 

何のために軍は存在しているんだ?

国や国民を守るためではないのか?

 

世界の歴史を振り返っても

軍は暴走するものだし、

そういう歴史を繰り返してきて

今があるわけですからね。

 

ただそんな重苦しい時代でも

国民の生命や財産を守るために

命の限りを尽くして

戦い続けた人がいることを

我々日本人は知っておかねばならないでしょう。

 

なんて…

自分の勉強不足を棚に上げて

偉そうに申し上げちゃってますけど

今さらながら知っておいて良かった人物です。

 

東郷茂徳

しっかり頭に叩き込みましたので

またいずれ深く知りたくなるかもしれません。

 

そして人物文庫シリーズの価値は

私の中でグンと跳ね上がりました。

 

出会えて良かった1冊です。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

物語としても大変に面白かったですし、

とても勉強にもなりました。

 

こういう人物がいたからこそ

今の日本があるわけで

やっぱり歴史から学ぶところは大きいですね。

 

単なる歴史の勉強というだけではなく

人間を、人生を学ぶためにも

歴史は有効なのだと思います。

 

それでは、また…。

 

 

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