ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

孫文 百年先を見た男

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

歴史好きを広言する私ですが、

別に専門家レベルではありません。

 

好きこそものの上手なれではないですが

ただの愛好家レベルです。

 

昔から日本史は好きでして

多少の得意不得意の時代はありますけど

まあそこそこの知識は持っているつもりです。

 

世界史は国によって

知識を持っている国と

全く知らない国と

中途半端にしかわかっていない国があります。

 

興味は高いので

仕事を引退したら

世界史はじっくりと勉強しようと思ってます。

 

で、何度か書いていますけど

国史は本当に苦手です。

 

漢字3文字が頭に入って来ない…(笑)。

 

ただ今までも少しずつ学んではいますし、

これからもずっと学び続けたいとは思ってます。

 

ただ近現代史はそれなりに知識があるつもりです。

流れはかなり抑えていると思います。

 

しかし人物については

もう少し勉強しなきゃなと思っていましたので

やはりこの人からだろうと考えました。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 孫文 百年先を見た男 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

孫文 百年先を見た男 』

田所 竹彦 新人物文庫 を読みました。

 

日本人にとっても

中国人にとっても

なぜか人気が高いのが孫文

 

勝手にそんなイメージを持っているのですが

実際のところはいかがでしょうか?

 

個人的にも

毛沢東袁世凱、蔣介石という人物と比較しても

何となく好印象を持っています。

 

それはなぜ?と問うた時に

自分の中で明確な理由がなかったのですね。

 

これは恥ずかしいと思っていたら

私の好きな人物文庫シリーズの新バージョンである

新人物文庫で孫文があるではないですか?

 

これは買いだと思いポチっと購入して

自宅に届き次第に

すぐに読み始めたのでした。

 

目次

1章 誠意ある国際人ー人物論1

2章 生い立ちー人物論2

3章 ロマンー人物論3

4章 大アジア主義ーその思想1

5章 三民主義ーその思想2

6章 改革開放路線の先取りーその思想3

7章 伝統思想の投影ーその思想4

8章 次の世代に残したものーその思想5

9章 南方熊楠との交友

10章 孫文宮崎滔天一家

 

感想

う~ん、率直に言って面白かった。

とても勉強になりました。

 

孫文の通史と言いますか、

総合的に学ぶことができました。

 

ただ自分自身がいかに孫文について

無知であったのかに気づかされて

ちょっとショックも受けました。

 

もう少し知っているつもりでしたけど

全然でしたね。

 

苦手な中国史のなかでも

近現代は流れを抑えているつもりでした。

それは大丈夫でした。

 

少し安心しましたけど

孫文はイメージの世界でしか知らなかったんだな。

 

でもそれがわかったことは良かったし、

さらに学びたくなりました。

 

だいたい「中国革命の父」と言われる理由すら

よくわかっていなかったのです。

 

国民党と共産党の争いに破れて

台湾に逃げていった国民党。

 

蒋介石が評価されているけれども

もともとは孫文の創った組織ですよね。

 

共産党系の人たちは

孫文のことは大嫌いなんだと思ってたのですが

いえいえそれどころか

今でも尊敬されているのですね。

 

意外だったな。

毛沢東から習近平まで続く

国家主席たちがよく許したものですよね。

 

もともと易姓革命のお国柄ですし、

自分以外の権力者は絶対に認めないという

そんな印象を持っていましたし、

事実そういう側面も強いとは思うのですが

孫文だけは例外という感じですね。

 

革命家という生き方が理由なのか

深い教養や知性的なところが良かったのか、

そこはよくわかりませんが

私自身も優れた人物というイメージや

国際的で柔軟性を持っていたと思っているので

そういう部分も多くの人に愛される理由でしょうか。

 

私たち日本人にとっては

本書の後半で取り上げられていますが

宮崎滔天南方熊楠などと交流が深く、

何度も日本に来ていたり

潜伏していた期間もあるので

同志というか

守ってあげたくなるというか

応援したくなる存在だったように思います。

 

本書で書かれた孫文と日本の関係は

外から見た日本でもあり、

また内にも理解しやすい外からの目線であって

そんな言及も非常に示唆に富むものであり

なるほど…と興味深く読めました。

 

この時代にこれだけの国際性を持ち、

我が国だけではなくアメリカ、イギリス、フランス

ハワイやシンガポール、アフリカにまで訪ね歩き

国際経験を積んだアジア人は

他には少なかったでしょうね。

 

その結果として編み出したのが

三民主義ということでしょうか。

 

当時としては独自の思想であり、

その後の中国が歩んだ改革開放路線の

先取りのようなプランであったようですが、

ちょっと私は浅い理解しかできませんでした。

 

簡単に言えば

民族の独立を目指す「民族主義」と

国民生活の安定を目指す「民生主義」、

この2つはわかりやすいですけど

民主制の導入を目指す「民権主義」は

ん?民主制を目指していたのか?

いくら共産党が実権を握ったとはいえ

その後の歴史を鑑みれば

孫文の思想は踏みにじられたのではないかと

つい考えてしまったのですが

このあたりはもう少し勉強が必要そうです。

 

ただ不思議なのは

なぜ孫文は国父と言われるまでに

民衆から支持され続けているのか?

 

当時の一部の人に限定されるなら

よくわかるんです。

 

しかし100年経っても、

共産主義になっても

今だに社会のアッパー層にまで

なぜ厚い支持を受けているのか?

 

進んだ外国を見てきたからでは理由にならないし、

古典思想から学んだのか

革命が待たれる世相だったのか。

 

アヘン戦争に敗北し、

イギリスはじめ

ヨーロッパ諸国に蹂躙されていた時代ですし、

眠れる獅子と呼ばれて久しくもあり

国民の中に鬱屈が溜まっていて

唯一夢を見させてくれたのが孫文だったのか。

 

いや中国の民衆だけではなく

なぜ多くの日本人が孫文を応援したのか?

 

前述した宮崎滔天南方熊楠だけではなく、

本書ではあまり触れられていなかったですけど

犬養毅頭山満、松方幸次郎、安川敬一郎、内田良平

鈴木久五郎、梅谷庄吉、尾崎幸雄、副島種臣、久原久五郎など

錚々たる人たちと交流があったのはなぜなのか?

 

孫文に人間的な魅力があったのは確かでしょうけど

時代背景なども含めて

この点はもっと知りたいと思いました。

 

政治とか革命とか

そういうところだけではなく、

南方熊楠の章では

また違った側面から

孫文という人物面にも触れられており

とても興味深かったです。

 

また近いうちに孫文については

勉強したいなと素直に思いました。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

いつも思うことですが

ホント世の中には知らないことがあり過ぎます。

 

もう30年以上も

最低週1冊の読書を続けていますが

それでも知らないことだらけですからね。

 

知れば知るほど

知らないことが増えていく。

 

死ぬまで学び続けるしかありません。

 

でも本書も実に面白かったですし

孫文という人物への興味は増すばかりですし、

それがまた心地いいんですよね。

 

早くも次の本が読みたくなっていますし、

さあ何を読もうかなと考えるのも楽しいものです。

 

読書好きな自分で良かったなと

つくづく思います。

 

それでは、また…。

 

 

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